断腸亭料理日記2008

さより

3月15日(土)、16日(日)

さて、例によって、ウイークエンド、
呑んだくれ、で、ある。

だいぶ暖かくなってきた。
シャンパンなど呑みたいのだが、どうだろうか。

つまみは、なんであろうか。
本来は、シャンパンは食前酒でつまみはなし、
あるいは、フルーツなどと一緒に、で、あろうか。
まあ、筆者の場合、フルーツでもなかろう。
辛口のもので、白身魚の刺身と、なんというのが
よいかもしれない。

昼過ぎ、自転車で調達に出る。

まずは、毎度お馴染みの、アメ横。
きてみると、さよりがあった。

いつもの通り、大きなトレーに10匹以上はあろうか、
500円。

キラキラ光って、いい色である。
刺身でいけそう。
さよりであれば、光ものに入るのであろうが、
白身に引けを取らず、淡白だが旨みがあり、
シャンパンと、であれば、わるくなかろう。
また、さよりは、春の魚であったはずである。
旬ということかも知れぬ。

それから、ほたるいか。
同じくトレーに山盛りで、“お買い得”などと書いてあり、
300円。これも買おう。

ここから、松が谷のディスカウントの酒屋にまわる。

シャンパンなど、クリスマスなどを除いて、普段は
ほとんど買うことはない。

きてみると、いわゆる、フランスシャンパーニュ地方の
シャンパンのブランドは安くとも3000円以上。
そうでない、シャンパンとは名乗れない、各国の
いわゆるスパークリングワインは、1000円ちょっとから、
ある。

家で呑むのだから、シャンパンでなくともむろんよかろう。
辛口、と書いてあるもので1300円、
ブランドを聞いたことがあった、
オーストラリアのイエローテールのものにしてみる。

帰宅。

まずはスパークリングワインを、
冷水に突っ込み、冷やしておく。

さて、さより。
開けてみると、それほど大きなものではないが、
10数匹ある。

身に張りもあり、よさそう。

まずは、3匹、さばいてみる。
腹を裂くときに張りがあるため、包丁がスーッと、気持ちよく動く。

三枚におろし、皮も引く。
骨と皮は焼こう。特に、皮は脂がありうまい。
どちらも塩をして、アルミホイルにのせ、オーブントースターで焼く。

スパークリングワインも冷えた。


昼間っから、これは、最高である。

予想通り、うまい。
身が張って、コリコリ、淡白だがあまみがある。
色がまた、美しい。

皮と骨の焼いたのもまた、うまい。

内儀(かみ)さんも付き合わせ、
二人で一本、呑んでしまう。

さて、夜。

夕飯のおかずは、内儀さんが作ったのだが、
一品、さよりを、今度は、軽く酢の物にしてみる。

二匹をおろし、塩をし、一度冷蔵庫に入れ、
馴染ませる。

10分程度で出し、酢で洗う。

これを皿に移し、酢に、しょうゆ、酒を少し入れたものを
かける。


酢のものも、さっぱりして、うまい。
ほたるいかは、白味噌の酢味噌。

さて、深夜。
今度は、パスタ。

やはり二匹を三枚におろし、皮はむかずにそのまま。
それから、冷蔵庫にアスパラがあったので、
これも入れることにする。

湯を沸かし、すぐにできるので、
同時進行で、スパゲティーも茹で始める。

フライパンに、オリーブオイルを敷き、
にんにくを低温で炒める。

火の通りは、アスパラの方がわるそうなので、
こちらから、炒め始める。
ある程度火が通ったら、
一口に切り、、軽く塩胡椒をしたさより、骨も共に入れ、
両面を軽く焼く。

焼けたところで、白ワイン。
アルコールを飛ばし、茹であがったスパゲティーと合わせる。


見た目にも春らしく仕上がった。
焼いても、さよりは、うまい。

骨も柔らかいので、このまま食べられる。

さて、翌日、日曜の午後。

残った、四匹。
これはノーマルに塩焼き。

腹だけを抜く。
ただし、内蔵を出した後の、ハラス部分の黒い皮も苦いので
できるだけきれいに洗った方がよいようである。


さよりというのは、やはり、焼いても美しい。
またまた、ビールを開けて、食う。
脂はさほどないのだが、これほど、旨みのある魚というのも
なかなか少ないかもしれない。
また、クセのようなものもほとんどない。
そして、食感も硬からず柔らかからず、ちょうどよい。

さより十数匹。
刺身、皮と骨を焼いたもの、
酢のもの、パスタ、塩焼きと、やってみた。

さよりの食い方は、他には、吸いもの、天ぷら
なんというのもあるようだが、筆者であれば、
これだけで、十分である。
これだけ食えば、間違いなく、
堪能したといってよいであろう。
うまかった。

普段、これだけさよりを食うことは、まあない。
安くない、というのもあるが、
大量に出回っているものでもないからであろう。

鮮度もよかったと思われる。
そういう意味では、今回はかなり
ラッキーであったのかもしれない。

さより。
宝石のように美しく、かなりうまい魚である。



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