断腸亭料理日記2008

白和え

5月28日(水)夜

昼間、けっこう気温は上がったのだが、
夕方になり、曇り。
風もあって、爽やか。

今日はなにを食べようか。

白和え、など、どうだろうか。

このところ、ちょっと、こんなものが食べたくなる。

白和えなど、別段かわったものでもない、
普通の和食メニュー、で、あるが、
私にとっては、池波レシピ、で、ある。

鬼平の一場面。
「酒は五合まで肴(さかな)は有合わせ一品のみ」と、
いう大きな木札が掛けてある、『権兵衛居酒屋』。

『その一品は蒟蒻(こんにゃく)であった。

短冊に切った蒟蒻を空炒(からいり)にし、油揚げの千切りを加え、

豆腐をすりつぶしたもので和えたものが小鉢に盛られ、運ばれてきた。

 白胡麻の香りもする。』

鬼平犯科帳(十七)特別長篇 鬼火 池波正太郎著 文春文庫



仕事帰り、スーパーに寄って、材料を買う。

豆腐。
これは、白和えだけに使うので、少量でよかろう。
半丁のもの。
それから、油揚げ1枚、蒟蒻。
蒟蒻は、日持ちがするので、普通の大きさ。

あとは、青み。
ほうれん草が安かったので、それ。

帰宅。

白和えというのは、工程数というのか、
段取りは多いのだが、時間的には、さほどはかからない。

なん回も作っているのだが、段取りよく作るには、、?
ちょっと、考える。

蒟蒻、油揚げを湯通し、甘辛く味付け。
ほうれん草をゆでる。

白胡麻はあたる。
豆腐と合わせて、裏漉し。
西京味噌で味をつけて、材料と和えて完成。

よし。
まずは、蒟蒻。
ここからだ。

湯通し用の湯を沸かしておく。

蒟蒻は、一口で薄い短冊に切る。
薄い方が、味が付きやすい、で、あろう。

切れたら、沸いた湯に入れ、湯通し。
油揚げもそのまま一緒に入れ、共に湯通し。
蒟蒻は、くさみ抜き、油揚げは、油抜き、で、ある。

煮ている間に、胡麻。
白胡麻のあたったもの、があったので、
これをあたり鉢に入れ、さらに細かく、あたる。
あたり鉢では、ペースト状までは難しいが、
そこそこ、抵抗感がなくなるまで。

いいだろう。

煮出した、蒟蒻、油揚げをあげ、
蒟蒻の味付け。

しょうゆ、酒、砂糖を入れ、炒り煮。
甘辛く、煮詰める。

油揚げを、同じく、短冊に切る。

蒟蒻の煮汁を、油揚げに入れ、水、酒を足し、
これも煮ふくめる。
OK。

ほうれん草。

湯を沸かす。

切って洗い、固めに茹でる。
すぐさま、水に晒し、数回洗い流し、急冷。
ざるに揚げておく。

あたった胡麻に豆腐を加え、つぶしながらよく混ぜる。
これを、裏漉し。

裏漉すのは初めてかもしれない。
胡麻が、随分と裏漉し器の目に引っかかる。
OK。
これに、西京味噌を加え、味付け。

味を付けた、蒟蒻、油揚げ
茹でたほうれん草はよく水分を切って
和える。

盛り付け。

できた。


全部で、30分はかかっていないであろう。

油揚げが随分とつゆを含んでいたので
全体に色が付いてしまった。

濃い味で、ある。
むろんそれは好みの範囲で、問題はない。

これは、酒、で、ある。
冷の菊正宗。

白和えを、ばくばくと食い、これだけで呑む。

まさかに、五合も呑むことはできないが、
こうした呑み方は、気分、で、ある。



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