断腸亭料理日記2008

静岡焼津で、鮨。

5月27日(火)昼

静岡、焼津に出張。

昼飯を、焼津で食べることにする。

やはり、鮨や、がよかろう、と、思うのだが
土地勘がまったくない。
調べてみると、駅からさほど遠くないところに、
地元ではそこそこ知られていそうな、金寿し、
といういうのがあり、いってみることにする。

ここ数日、東京は、湿度が低いのだが、天気がよく、暑い。

1時過ぎ、焼津駅を降りると、こちらも強い日差し。

焼津の駅前というのは、なにもないのだが、
降りて、左側の方。

10分ほどであろうか。
到着。

入ったところはカウンターと、テーブル席。
座敷もあるようで、こちらには
お客はあるようだが、昼時はすぎており、
テーブル席と、カウンターには客はいない。

テーブル席に、座る。

1600円ほどの、おまかせ握り、というのを
頼んでみる。

しばらく待って、きた。


けっこうな量である。
都合、16個。

16個で、1600円、1つ、100円ということになるのか。
なるほど。

ちょっと、わかりずらいが、右下から、
生桜海老。
軍艦巻きではなく、じかにのっている

やはり、季節のものであろう。
生は、春しか食べられない。

桜海老、と、いえば、由比町。
全国的にも、桜海老といえば、静岡のここで、あろう。
由比は、焼津とは静岡市をはさんで、反対の東側。
富士市の手前。

桜海老というのは、鮮度がすぐに落ちるので
生は基本的には、静岡にこないと食べられない。

まあ、最近は、冷凍ものもあったり、直送なのか、
東京でも、生も多少は出回るようになっているが、
やはり、こうしたものは、こちらへきて食べるのが
最良、で、あろう。

以前に、やはり、こちらで生をかき揚げにしたのを
食べたことがあった。
こうして、鮨で食べるのは初めて。

みずみずしく、あまく、しゃきしゃきとし、
うまい。

桜海老の左、が、生しらす。
これも最近は東京でも出回るようになっている。
こちら、駿河湾もあるのだろうが、
東京近郊では相模湾、湘南のものも知られている。

これはまあ、好みであろう。
生のしらすは、苦味がある。

それから、いくら、うに。

うには、なにか、懐かしい味。
と、いうのも、へんであるが、
これは、むらさきうに、なので、あろうか。
最近は、北海道の馬糞うにやら、を、食べる機会が
多くなっていたが、昔、うにといえば、
こんな味であったような、、。
ちょっと、硬い、乾いた食感。

もしかすると、火を通したものかもしれぬ。
これはこれで、うまいものである。

上にいって、蝦蛄に、穴子。

どちらも、甘いたれを飯にもたっぷりと
染み込ませている。
これはこちら流であろう。
蝦蛄は子持ちで、身がしっかりしておりうまい。

その隣が平貝。
ここまで食べて、上の列。

まぐろが、6つ、ずらっと並ぶ。
さすがに、焼津、と、いうことであろう。
焼津港は、日本一のまぐろの陸揚量。
(ついでであるが、まぐろに限らず、漁港として、焼津は
総水揚量が日本一。ちなみに二位は銚子。(平成17年))

右から、きはだ、であろうか、が、3つ。
笹葉に隠れているが、中トロ(これも、きはだ?)。
赤身(本まぐろ、めばち?)。
一番左が、なにの、どこであるか、よくわからぬが、
トロ。
どれも、この値段にしては、十分にうまい。

食い終わり、勘定をして、出る。

これから、少し、この近くの漁港の方を回って、
再び、連れと待ち合わせをしている、駅に戻る。


PS

帰宅し、地図などを含め、
焼津のことをさらに少し調べてみたりした。

私が歩いた、駅のそばの漁港は、昼下がりという、
時間帯であったということもあろうが、
たいして漁船もなく、人も少なかった。
日本一の漁港といいながら、はて、と、不審に思ったのだが、
焼津のメインの陸揚げ場は別であった。
それは、駅前からまっすぐいった、市役所などのある先の海辺。
焼津の町としてはそちらが中心部で、鮨屋などは、
むしろ、そっちであったようだ。
また、焼津魚市場というのもまた、そことは別に、
北側の埠頭の先の方にあり、その市場の食堂というのも
うまいものがあるようだ。
しかし、どちらにしても、駅から歩いていけるような
距離ではない。

ともあれ、日本一の漁港、焼津。
漁港だから、魚がうまい、だろう、などと簡単、
安直なものではない。
もはや、東京の築地以上に、
水産“産業”の町といった方が適切なのであろう。。



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