断腸亭料理日記2008

鶏皮ぽん酢と鶏(脂)飯

5月18日(日)第1〜2食

だいぶ暖かくなってきた。
昨日も日差しは強いのだが、湿度は低く、さわやか。
まさに初夏らしい、よい気候、と、いうべきであろう。

朝起きたら、なぜだか鶏皮と、鶏の出汁で炊いた、
鶏飯が食いたくなった。
前の日記を読み返すと、鶏皮ぽん酢は昨年のお祭りの頃にも
作っているので、季節のせいかもしれない。

鶏皮は、ハナマサで、1kg入りの大きな袋を買った
ものが、冷凍庫にある。

これを取り出し、袋ごと水に突っ込んで、解凍する。

少しとけてきたら、出刃包丁でガリガリと
一回分というところを、切り落とす。

残りは、まだ半分以上ある。
包み直して、冷凍庫に戻す。

切り落としたものは、ボールに入れ、
完全に解凍。

これをまずは、湯通し。
湯を沸かし、皮を入れる。
脂を落とす目的と、鶏飯の出汁にする目的もあるので、
少し、煮出す。

これは、出てくるアクは、比較的丁寧にすくう。

ざるで濾して、煮汁はボールにとっておく。

皮は水で洗う。

鶏皮をぽん酢で食べる場合は、
もったいないような気もするが、
ある程度、脂は落とした方がうまい。

大きいものもあるので、形を揃えて、
小さめに切る。

あとは、ねぎを切って、ぽん酢としょうゆを
合わせて、かけまわす。

こんな感じ、で、ある。


朝っぱら、からだが、ビール。

なんということはないが、うまくできた。
これからの季節は、こんなものが、よい。

ぽん酢、で、あるが、
最近は、いわゆる、味付きのぽん酢
(某ナショナルブランドメーカーの○○ぽん)ではなく、
ぽん酢だけを違うメーカーのものを買い、
しょうゆと合わせている。

ぽん酢、というのは、やはり、
もともと関西の調味料なのではなかろうか。
子供の頃には、こんなものはなかったように思う。
知識もほとんどなく、他のものもあまり出回っていないので
○○ぽんを常備して、使ってしまうのである。

しかし、よくよく考えると、
○○ぽんもよいのだが、みんな同じ味になってしまう。
これは、どうも賢いことではないだろう。

なんでもそうだと思うのだが、
売れているもの、大メーカーが作っているもの
あるいは、話題のもの、だれか著名人がいっていたもの
などなど、がベストではない。
鵜呑みにせず、自分の舌で選ぶということは
大切なことではなかろうか。

関連するのだが、私の場合、調味料の中でも、
ブランドが決まってしまうものもある。

たとえば、しょうゆ、であれば、キッコーマン。
これはまあ、しょうがないであろう。
関東でしょうゆといえば、キッコーマン。
(むろん、世界のキッコーマンでもあるが。)

関東のブランドでも、ヒゲタだの、ヤマサだのあるが、
キッコーマンは安売りもしているし、昔から、馴染んだ味である。
むろん外れもない。キッコーマンの濃口しょうゆに、
裏切られたら、私など、食事ができなくなってしまう。
極端な言い方だが、ある意味では、
私の命(いのち)のようなものである。

それから、つゆ。
麺つゆだったり、天つゆに使う。
これは、桃屋、に決めている。
なんといっても、濃い味がよい。
他のものは、薄くていけない。
桃屋はご存じの通り、瓶詰めの桃屋。
大正9年、東京京橋に創業。
やはり、東京下町の味、で、あろう。

さて。

鶏飯。

まずは飯をとぐ。
今、拙亭にある米は、無洗米なので、洗うだけ。

水を切って、先ほどの煮汁、酒、しょうゆで、
水加減をする。

こうした、酒や調味料の入る出汁で炊く場合、
浸水の時間は十分にとる必要がある。
水に比べて、染み込みにくいのである。

見た目で、米粒が白くなるまで。
(2時間以上はおいた方がよいだろう。)

炊くのは普通に、電気釜。


さらに余った、煮汁に塩で味付け。
黒胡椒挽き入れ、刻んだネギを入れたつゆ。

それから、昨日の、つと麩の煮たの。
葉唐辛子の佃煮なんぞも出す。

皮からの出汁なので、鶏飯は、
まるでチャーハンのように脂がある。
鶏飯というよりは、鶏脂飯、といった方が
よいくらい。

鶏飯は澄んだ鶏の出汁で炊くのが普通であろうが、
これはこれでB級であるが、かなりうまい。

いけないと思いつつ、二膳、食べてしまった。




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