断腸亭料理日記2008

秋刀魚、30円、刺身、

塩焼き、押し寿司、、

9月14日(日)第二食

さて、日曜日。
例によって、昼前、床屋方々、御徒町方面へ出る。

天気はよいが、やはり、段々に秋らしくなってきた。
下駄を履いて、青いアロハシャツに白いコットンパンツ。

佐竹商店街を突っ切って、竹町公園の脇を抜け、昭和通りまで出る。
渡って、いつものQBハウス。

待っている人もなく、すぐにできる。

多慶屋の脇のかばん屋で、出張用の鞄を買う。
車の着いたものである。

ここから、魚を見に吉池をのぞく。
いま一つ、ピンとくるものがない。

アメ横に回る。

やはり、秋刀魚である。
一山、なん本あるのだろう、300円。
そうとうにある。

ものもわるくなさそうである。
この前、480円のブランド秋刀魚を買ったが、
やはり、旬の秋刀魚はこのくらいでなくてはいけない。
買おうか。

先ほど買った、車のついたかばんに入れ、ガラガラ引きずって
帰宅。

開けて、数えてみた。


やはり、10本。
1本、30円。
太ったものもあるし、身も、さわった感じもしっかりしている。

まずは、刺身にしてみようか。
よさそうなのを選って、3〜4本、三枚におろす。

一先ず、一本半ほど、刺身に切り、残りは塩をし、冷蔵庫に。


しょうがをおろし、食べてみる。
やっぱり、ビール。

やはり、大分にものはよい。
脂もあるが、へんな生ぐささはほとんどない。
むろん、先日のブランド秋刀魚とは違うが、
違いを挙げてみろといわれれば、紙一重、であろう。
わずかながら、ブランド秋刀魚の方が身に張りがある、か。

こうなると、この差は一体なんであろうか、ということになろう。
(一本400円以上の差、で、ある。)

今日のものが、たまたま、よい時にアメ横の魚屋へいって、
よいものが買えた、そういうめぐり合わせだった、ということではある。
しかし、秋刀魚というものは、そういうものではないか、
とも思われる。
むろん、ブランド秋刀魚は、普通はしない特別な管理をする
という産地の漁師の方々の努力と、マーケティングの成果は
認められて然るべきではあろうが。
(この燃料高のご時世でもあるし。)

ともあれ。

刺身を食って、今度は、内儀(かみ)さんに塩焼きにしてもらう。


大根おろしで、食う。
これも、むろんうまい。

さて、先ほど、塩をして、冷蔵庫に入れた二本分は、
酢で〆て、押し寿司にでもしようか。

冷蔵庫から出し、甘酢を作り、漬けて、置いておく。
また、米を浸水させて、飯を炊く準備もしておく。

ここまでして、寝てしまう。

起きたのは、深夜。

まずは、炊飯器のスイッチを硬めモードで入れておく。
酢に漬けておいた、二本は、内儀さんが皮をむいておいてくれた。
これは酢を切って、再度、冷蔵庫に入れておく。

飯が炊き上がるのを待ち、合わせ酢を用意。
合わせ酢は、塩とほんの少しのしょうゆと砂糖。

スイッチが切れ、蒸らしを終え、一合ほどをボールに入れ、
合わせ酢を振り入れ、扇風機の前で、混ぜる。
この酢飯を作るというのは、いま一つ得意ではなかったのだが、
今日は、うまくいった。
結局、うまい酢飯には、できるだけ水分を飛ばしてあることが
最低条件、で、あろう。
これが、なかなかそうはいかないのである。
季節も影響するのであろうか。
水分を飛ばすには、ある程度、飯の温度が高くないとだめである。
冬、寒い時期だと、余計な水分が飛びきる前に冷えてしまう、のである。

今は夏で気温が高く、水分が飛びやすかった、こういうことかもしれない。

さて。
ここから、押し寿司の木製の型を水に漬け、馴染ませておく。

しばらく置いて、準備完了。


一番下に、二枚敷き、手に水をして、型に酢飯を詰めていく。

半分ぐらいでもう二枚を入れ、さらに飯を詰める。

上に俎板を載せ、その上に、重石(重い鍋)を載せ、押す。

さて、ここから、どのくらいの時間を置くのがよいのだろうか。
なん度も押し寿司は作っているが、時間は数十分。
なんとなく、いつも待ちきれなくて、食べてしまう。

伝統的な押し寿司の作り方は、やはり、2〜3時間、
あるいは、一晩、というところであろうか。
いずれ、長いのではないかと思われる。

数時間以上置かなければいけない理由はなんであろうか?
いわゆる、飯と魚を発酵させる、なれずし、ではないのだし、
科学的メカニズムが、あるのだろうか。
なにか、酢飯と魚に時間によって変化が起こるのであろうか、、。

よくわからぬ。
などということを、考えて、また、今日も待ちきれず、
20分ほどで、型から出してしまった。


切る。
(この切る、のも、苦手なのである。
水を付けた包丁で切るわけだが、どうしても、
ぼそぼそと、飯が、こぼれてしまうのである。)

ともあれ、切れた。


味は?

かなり、よいぞ。
なまぐさみも、なく、うまい。

内儀さんなども、秋刀魚があまい、などといっていた。

やはり、元の魚がよい、からであろう。

まだまだ、秋刀魚は残っているが、
08年秋の秋刀魚、堪能、で、ある。




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