断腸亭料理日記2009

焼いた鴨を食って、床屋へ行く。

着物を着て街を歩くと、、、

1月4日(日)第二食

さてさて。
正月休みも終り。

昨日の芝居もおもしろかったし、
家で呑んで食って、よい正月であった。

今日までは、第一食は、雑煮。
餅というのは、二つ食べただけだが、
運動をしているわけではないので、腹持ちがいい。

昼下がり、まだ残っていた鴨肉。
最後に、ねぎとともに、グリルで焼いて食おうと思い立つ。

よく、蕎麦やなどで出てくる、あい焼。
あれは、表面に焦げ目が入っているが中は半生。
おそらく、胸なのか、ももなのか、の、肉を、
塊のまま焦げ目を付けて焼き、後で切っているのだろう。

今年買った鴨は、既にスライスしてあるもの。
これでは、そういう焼き方はできない。

仕方ないので、スライスをそのまま
魚を焼くグリルでねぎとともに、焼いてみる。


やっぱり、今一つ、、。
だが、まあ、これで一合ほど燗をつけて軽く呑む。
休みの最後なので、ちょいと、控えることにした。

風呂に入って、今日も着物を着て、
床屋へいく。

今回は、御徒町。

着物を着た場合、草履を履く方がフォーマル。
下駄は、カジュアル、で、ある。

床屋なので、下駄。
だが、足袋は白足袋だったりするので、
ちょいと、ちぐはぐかも知れぬ。

足袋は白足袋の方がフォーマル。
黒や紺、色の足袋は、カジュアル。
私の場合、本来落語のために和服を持っているので、
足袋は白がほとんど。
芸人は舞台に上がる場合は、基本的には、白足袋で、
着物も木綿ではなく、絹なのである。
黒い足袋も一足だけあるのだが、サイズが小さくて、
あまり履かないのである。

そういえば、股引(ももひき)、のこと。

私の場合、着物を着る場合、股引を履く。
特に冬は、履かないと足もとがスースーする。
初詣など、夜中に出歩くようならば、股引は
欠かせない。

しかし、くるぶしの上まである普通の股引を
履くと、着物の丈(たけ)にもよるが、
歩くと、股引が微妙に見える、のである。

これをよしとするか、どうか。
なんとなく、気になっているのではある。

夏であれば、膝下までの股引や、
ステテコ、というのもあり、これならば、
裾からは、普通に歩いているだけでは
見えない。

まあ、趣味の問題かもしれない。
見えないように、着物の方の裾を長めにするか、
多少寒かろうが、短い股引にするか
そういうことなのであろう。

ともあれ。

そんな恰好で、出、
昭和通りのQBへいって、髪を切る。

切ってくれる、QBのお兄ちゃんが私の着物姿を見て、
「いつも着物なんですか?正月だから?」
と聞く。

こういう質問は答えずらい。

蕎麦やなどでは、そんなことを聞かれることもないが、
前にも、近所の豆腐屋で、聞かれたことがあり
曖昧に、答えたような気がする。

「そうです。いつも着物。」
と答えてもよいのだが、なんとなく、それでは、
ヘンな人、を、表明してるようで、気が引ける、
のである。

たまたま今日は、四日で、正月の気分が残っているが、
それでも、今どき、着物を着ているのは
やはり、奇異に見えるのだろう。

まあ、着たいから、着てるんです、でもよいのだが、
私の場合、なぜ着物がよいのか、まで
説明したくなってしまうのである。

知っている人ならば、説明をしてもよいが、
偶然ついた、床屋のお兄ちゃんに、
「やっぱり、日本人なら、着物を着なきゃ」
なんて、いうと、もっとヘンな人になってしまう、、、。
そんな心理状態なのである。

結局、まあ、好きで着ているのだから、
(ぶっちゃけ、ヘンな人なわけだし。)
ぐだぐだ考えないで、「そうです。いつも着物。」と
堂々と答えればよいのである。
私も、そこまで、腹が座っていない、ということなのかも知れぬ。

どうでもいいのだが、
着物を着て、街を歩くと、こういうことが
起こってくる、のではある。

床屋をおえて、吉池にまわる。





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