断腸亭料理日記2009

日比谷・松本楼

10月2日(金)夕方

今日は、朝から、雨が強く降ったり、
やんでみたり。

湿度が高く、蒸し暑い。

午後から、外出。
霞ヶ関のとある、官庁へ。

今は、どこもそうなのであろうが、
警戒厳重。少し前までは、素通りで入れたが、
今は身分証明書の提示も求められるし、
アポイントの有無も入口でチェックされる。

用談が終わり、
「何卒よろしくお願い申し上げます。」
と、深々と頭を下げて、出る。

事業者として、いわゆる、許認可を持った監督官庁へ、
お伺いにくる、というのは緊張する。

ただでさえ、今日は蒸し暑いのだが、大汗をかいてしまった。

一緒にきた、連れと別れて、別行動。
緊張もしたので、ちょっと、気晴らし。

雨もあがっている。

霞ヶ関の東隣は、ご存知の通り、日比谷。
日比谷公園がある。

ちょっと、ぶらつこうか。

一服したい。

灰皿を探し、上着を脱いで、一服。

紅葉にはまだまだ、間がある。
緑が雨にぬれて、きれいである。

日比谷公園というのは、明治36年の開園。

今、ここは、日比谷であるが、江戸の頃は、
日比谷というよりは、外桜田(そとさくらだ)、と、呼ばれていた
大名屋敷の林立する区域。


今の日比谷公園は、この地図の真ん中、松平大膳とある屋敷と、
松平肥前から、北条相模、南部信濃、などの、この一画。

松平大膳というと、なんだかよくわからぬが、
ご存知、毛利、長州藩上屋敷。そして、松平肥前は、
肥前佐賀、鍋島藩の、同じく上屋敷。
北条は、河内狭山藩、南部は、陸奥盛岡、南部藩。

明治になり、ここは、陸軍練兵場になり、
その後、日本初の「洋風近代式公園」として
今の姿になったようである。

さて。

一休みしようか。

松本楼は、どうかな。

この日比谷公園というのは、銀杏並木をはじめ、
思いの外、木立が濃い。
松本楼は、その森といってもよいような、中にある。

松本楼の開業は日比谷公園の開園と同時の明治36年。

こういう、公立の公園の中の、こんなよい場所に、
民間のレストランがあるのは、今の感覚では、
ちょっと妙な感じがしなくもない。
公園開園時、松本楼は、なんでも入札でここに入ったという。
建物はむろん松本楼の持ち物であろうが、土地はどうなのであろうか。
ここだけ、私企業の所有、で、あろうか。
上野公園にもドデーンと、精養軒が建っているので、
まあ、この頃は、おおらか、であったのか。

松本楼。
グリルへ入り、気分もよさそうなので、
森に面した外のテラスのテーブルへ。

雨はあがったが、曇天で、森の中の薄明かり。
雨あがりの樹のにおいが漂ってくるようである。

さてと。

コーヒーにしようかと思ったが、
腹が減った。
半端な時間だが、、、
名物の、カレーを食おうか。

ハイカラビーフカレー、760円也。

松本楼といえば、毎年やっている、チャリティーの
10円カレー、で有名だが、そのカレーと、
同じものなのであろう。

10円はともかくとして、
この場所で、この雰囲気で、760円は
安かろう。

きた。


味は、スタンダード、といってもよいような、
日本のカレーで、うまい。

汗をかいたので、水をがぶがぶ飲んでしまったが、
すぐに、継ぎ足しにきてくれる。

静かで、くつろげる場所、で、ある。

なかなか、希少、なのではなかろうか。



松本楼

千代田区日比谷公園1−2

03-3503-1451








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