断腸亭料理日記2010

池の端藪蕎麦

12月5日(日)夜

さて、日曜日。

夜、で、ある。
内儀(かみ)さんが珍しく、蕎麦が食いたい、
と、いい出した。

日曜の夜やっている蕎麦やというのは、浅草上野には
少なくない。並木の藪も、池の端も、西浅草のおざわも、
私のよくいくところは、みな店を開けている。

東京都心の飲食店は、一般に土日は休みのところが
ほとんどだが、蕎麦や以外でも、浅草あたりは例外である。
これは観光客相手ということも多少あるのだろうし、
やはり、住んでいる人間も少なくないのだろう、
日曜の夜などは、いかにも近くに住んでいる雰囲気を
醸し出しているお客が中心の店も多い。

二人で行くのなら、池の端がよいか。

6時半頃、内儀さんと家を出る。
寒いし、面倒なので、タクシー。
春日通りから乗って、湯島天神下の交差点で降りる。
ワンメーター。

通りを渡って、不忍池方向。
池之端仲町の通りに折れる。

お!。
そのすぐ左側。
おでんの多古久も、やっている。

おでんは、またのことにして、
もう少し歩いて、右側。
池の端藪。

戸を開ける前に、暖簾をめくってのぞいてみる、
おお!。
ほぼ満席。

日曜の夜である、じきにあくであろう。
入口脇の椅子に座り、待つ。

10分も待たなかったであろう。
出る人もおり、テーブル席に、座る。

ここは、鴨鍋などもある。
ウイークデーの夜は、鍋を食べている人は、
さほどいないが、今夜などは、複数組みが
鍋をつついている。

ビールを頼み、こちらは、普通の酒の肴。

いつもの、柱わさび。
それから、あい焼、すいとろ。
こんなところで、どうか。

柱わさび。
1人でくると、ほぼ、これをもらう。


小鉢も乙だが、ほんの小さなしょうゆ差し。
このしょうゆ差し、かわいいね、と、内儀さん。
うん、そう。 と、私。

合羽橋にでもいけば売っていようが、
こういうものは、ここで見るからいいような
気もする。家で、日常使うものではなかろう。

すいとろと、あい焼もきた。


すいとろは、酒の肴として食べる、とろろ。
おそらく、つけとろ蕎麦のものであろう。

あい焼。
むろん、あい鴨の焼いたもの。
中が半生で、冷製、いわゆる、タタキ、の、状態。
以前は、注文があってからレアに焼いたものだったと思うが、
いつからだろうか、こんな風にしたのは。
これはこれで、ちょいと、スモークもしていようか、
香りもいい。

ビールもう一本と、
さらに、燗酒を一合。

さて、蕎麦。

私はもり、内儀さんは、昨日から食べたいといっていた、

かき南蛮。


牡蠣の蕎麦であれば、私は上野藪の方が好みである。
こちら、池の端は、澄んだつゆ。


ざるも、むろん、うまい。

内儀さんとここへくるのは、珍しかったのだが、
そば味噌を気に入り、おみやに買って帰る。

たまにはこういうのも、よいもの、で、ある。





池の端藪蕎麦



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