断腸亭料理日記2010

三杯鶏

(またまた、一週間遅れになってしまった。)


6月20日(日)夜

なんであったか、昼前、民放の食べ物を語る短い番組で
若いタレントが、台湾で食べた、三杯鶏(サンベーチー)
という料理がうまく、ご飯をなん杯も食べられる、
というようなことを話していた。

ちょっと、興味を覚え、調べてみた。

なんでも、台湾のとてもポピュラーな家庭料理である、
ということ。三杯というのは、しょうゆ、酒、胡麻油を
それぞれ同量入れて鶏を煮る。
もう一つの大きなポイントは、仕上げに
生のバジルをたっぷり入れる。

このあたりが基本のようである。

入るものは、鶏とバジルなのだが、家庭料理らしく
いろんなバリエーションばあるようで、他の野菜
を一緒に煮込んでもよい。

一つ、問題は酒。

調べた一般のレシピには、ただ、酒、と、あるものが多い。
レシピで、特に断りがなく酒、と書かれていれば、
日本では、日本酒を指すであろう。
が、どうも、本場台湾の三杯鶏は、紹興酒を使うようで
ある、ということがわかってきた。
日本酒としょうゆで、鶏を煮込むと、なんのことはない、
筑前煮、に、なりそうである。

また、好みの問題もあるだろうが、胡麻油の量。
胡麻油というのは、ご存知のように油の中でも、
香りも強く、酒としょうゆと同量だと、
脂っこい、だけではなく、あくの強いものになる、
ということ。
また、唐辛子を入れるレシピも多いようだが、
これも、好み、であろう。
ポイントは、酒としょうゆで濃いめの味、
ということであろう。

買い物に出たついでに、田原町の赤札堂で
バジルを買う。たっぷり、が気になったが、
売り場には一束(一把)しかなく、一束。

本物を食べたことがなく料理を作るのは、
あぶないのではあるが、まあ、このあたりに
気を付けて、作ってみようか。

台湾、中国では、よく骨付きのもも肉を
骨ごとぶつぶつ切って使うが、これもその例に
入るようである。しかし、やはり食べにくかろう、
普通のもも肉を使う。
また、バジル以外に野菜は、入れないことにする。

2枚、解凍。

ブツブツ切る。

下拵えとして、しょうゆをまぶす。

にんにくみじん切り、しょうがスライス。
これは、比較的多目、が、本場、っぽいのだろう。

ここで、鍋、のこと。
これも、どうも、台湾の料理や、では、
土鍋で煮込んで出す料理でもあるようである。

土鍋でやってみよう。

土鍋に多少多目の胡麻油。
ここに、にんにくとしょうがを入れ、
炒める。

鶏肉を入れ、色が付くまで炒める。

色が付いたら、しょうゆと紹興酒、同量。

量が問題。
ヒタヒタまで入れては、そうとうに味が濃そう。
半分ぐらいにしてみる。

煮立てる。


紹興酒の香りが立ち、フツフツと煮えたぎってくる。
なかなかすごそう、で、ある。

やはり、これは、日本酒ではなかろう。

ここで、一味唐辛子も少し振る。

軽く、煮詰める。

見た目に、三杯というには、胡麻油がそうはいっても
少なそう、少し、足す。

よいだろうか。
仕上げに、洗ったバジルの葉っぱも入れ火を止め、
出来上がり。


紹興酒の香り、煮えたぎり、バジルの香り、
いかにも、中華、エスニックな感じになった。

これには、ビール!。

濃い味にはなったが、十分。
日本酒と比べ、紹興酒は香りも強いが、
やはり、甘味が強い。

これで、甘辛に。

飯がなん杯も食べられる、というのも、うなづける。

バジルではなく、台湾らしく、香菜をしこたま、という
レシピもありそうな気がしてくる。

あらかた、食べ尽くしてしまった。
残ったことつゆが、また、うまい。

飯にかけても、うまそうだが、
ゆで玉子を漬けてみようか。

漬けてみた。


(これは、6/27)

これもまた、うまい。






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