断腸亭料理日記2011

皆様。

皆様の今年の桜花(さくら)は
いかがであったろうか。

地震、自粛、やらで、
花見どころではなく、気が付くと、
花も終わり。

これは、14日、木曜日。

昼下がり、市谷の駅を降りて、お濠を渡ってくると、
向こう側の桜が風に乗って、お濠の水面(みなも)に
舞っていた。


花吹雪。

そして、水面に落ちると、花びらの連なりを
筏(いかだ)に見立て、花筏(はないかだ)、
ともいう。

美しいもの、で、ある。

国破山河在(国破れて山河あり)、
と、唐の詩人、杜甫は詠んだ。

我々は、戦争をしたわけではないが、
やはり、こんな混乱の春にも、桜花は
例年に違(たが)わず、美しく咲き、そして美しく
散っている。

なんとはなしに、立ち止まり、息を付いた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

浅草・洋食・ぱいち

4月15日(金)夕

今日は、珍しく、浅草で打ち合せがあり、
18時、田原町で、終了。

同僚も一緒。

ちょっと、寄っていこうか、と、
誘う。

彼は、あまり、浅草は知らない、というので、
それじゃあ、というので、並木藪にでも、いこうか、と、考えた。

田原町から、並木の藪の前まできてみると、

あれま。

なくなっている。

白いシートに囲われて、中はもぬけの殻。
更地(さらち)になっている。

なくなってしまったのか?。

建築の表示を読むと、ああ、よかった。
改築、の、よう。

それにしても、いつ解体されたのだろうか、
今まで気が付かなかったのは、うかつ、で、あった。

改築後はどんな建物になるのだろうか。
あの、土間があって、小上がりのある、
江戸とも、明治とも、あるいは、昭和とも
思える、一軒屋の店と、日本一濃い味のつゆは、
一つのもの、で、あった。

まあ、こんなことも、お客の勝手な
感傷ではあろう。

新築を楽しみに待とう。

それは、ともかく。
とりあえずのところ、今日は、どうしようか。

蕎麦、の、頭できたが、尾張屋は、
浅草初心者には、ちょいと、誤解されやすい、か。

別段、蕎麦にこだわらることもないか。

こんな早い時間、なので、普段あまりいけないところ。
洋食のぱいち、は、どうか。
(ここは、ラストオーダーが20時半。)

オレンジ通りから、すしや通りの方へ入った右側。

入って、すぐ奥のテーブルに座る。
ビールをもらい、同僚は、ここの名物の
ビーフシチュー。
わたしは、とんかつ。


随分と、大判。
肉もうまみたっぷり。
こんがりと揚がり、うまい。

浅草、というところは、本当に老舗の洋食屋が
多い。

この店は、戦前の1936年(昭和11年)創業という。
この前のヨシカミ、仲見世そばの、フジキッチン。
あるいは、リスボン、さらに、言問い通り北の
観音裏には、グリルグランドなどなど、枚挙に暇がない。

どこも、それぞれカラーは違うが、
いうところの、下町の洋食屋。

まったく、浅草というところ、たのしい、
で、はないか。

同僚にも満足してもらえたよう。


ご馳走様。

お疲れ様でした。





台東区浅草1-15-1
電話 03-3844-1363







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