断腸亭料理日記2011

ご飯を炊く。

7月2日(土)朝

さて。

土曜日。

6時に起きる。

これはなにも特別のことではない。

この4月から6時に起きねばならなくなり、
ウイークエンドもその習慣を続けている。

早起きは三文の徳、などというが、
ウイークエンドも早く起きると、
やらねばならぬことも、片付けられるし、
よい。

今日は、飯を炊こうと思い立つ。

毎度書いているが、京都吉兆の徳岡氏が
TVでやっていたもの
が、始まり、で、ある。

自動で炊ける、電気炊飯器、ではなく、
ガスで手動、マニュアルで炊く。


まずは、米を研いで、浸水。

本当は、まずは洗って、一度水を切って、
浸水の前に、乾かす、という面倒なステップを
踏まなくてはいけない。

なぜこんなことをするのかというと、
研いだだけで水に漬けると、米は均一に
水を吸収しない、という。

なによりも、均一に、十分水を含ませることが
うまいご飯を炊くコツ、で、あるというのである。
湿らせてから、一度乾かすことによって、
均一に、水分を吸収する、らしい。

だがまあ、素人は、そこまでしなくともよいであろう。
いつも、研いでそのまま、浸水させてしまう。

ただし、浸水の具合は電気釜で炊く場合よりは
気を付けている。

電気釜で炊く場合は、中途半端な浸水でも
それなりに飯は炊けるが、ガスでマニュアルで
炊く場合は、浸水が半端ならば、うまく炊き上がらない
のである。

そこで、まあ、1時間は浸水。

1時間でも米は真っ白にはなっておらず、
浸水は完全ではないが、感じとすれば
8割以上は浸水は終わっているだろう。
このくらいであれば、経験的に、うまく炊けている。

さて。

次に、炊くための、鍋、釜、で、ある。
最近は、土鍋でご飯を炊くのが
流行っているが、私は、ホーローの鍋で、
ふたがガラスのものを使っている。

なんの変哲もない、普通の鍋でも、
やってみたことはないが、おそらく
飯は炊ける、のであろうが、ポイントは
二つあるように思う。

一つは、ふたが重く、蒸気が抜けにくいこと。
ある程度、蒸される、あるいは、鍋の中の圧が
上がることが必要のように思う。
昔のいわゆるお釜は、木製だが、重いふたであった。

そして、もう一つは、鍋の厚みが厚いこと。
これは保温性、ということなのか
サイエンティフィックにはよくわからないが、
電気釜でも最近は、鍛造圧釜なんというのが、
流行っており、どうも厚くて、しっかりしたものが
よさそうである。

ホーローというのも、そんな効果がありそうで、
使っている。

ガラスのふた、と、いうのは、
中が見える、という利点もある。

むろん、水蒸気で曇って、はっきりとは見えないが、
水分がどれだけ残っているのか、など、炊けてる
途中の鍋の中の様子がある程度、わかるのである。

さて。

実際に炊き始めてみる。

最初は、できるだけ、強火で沸騰させる。

はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、などと
昔からいわれているようだが、こうではない。

これも経験的にわかってきたが、
中火程度で時間をかけて沸騰させてしまうと、
先に表面だけ柔らかくなってしまって、
うまく炊き上がらない。

できるだけ、短時間に沸騰させる。
そして、一度火を止め、底からかき混ぜる。

これは均等に炊き上げるため。

再び火をつけ、今度は、できるだけ弱火。
拙亭のコンロには大中小、3つの火力の五徳があるが、
最初は、最大の五徳で最大の火力。

沸騰した後は、最少の五徳で、最少の火力。
これがどうも、よい。

あとは、水分が飛ぶのを、待つ。

カタカタとふたが鳴り、段々に水分がなくなり、
焦げる寸前、あるいは、軽く焦げるところ。

これは、匂いをかいでみて、焦げくささが、
してきたところを、目安にしている。

吉兆式では、蒸らさず、この時点で炊き上がり。
ちょっと、水分が表面にあるくらいが、
関西ではよいのだろう。

しかし、私の好みとしては、やはり、
普通に蒸らした、状態がよい。

火を止めて、6〜7分。
これで炊き上がり。

蒸らす時間も含めても、20分はかかっていない。

プロは、もっと早く炊けるようではある。

それにしても電気釜ではスイッチを入れてから、
1時間はかかるが、手動、マニュアルの方が
各段に早い。

やはり日本人は、機器に頼るばかりでなく、
自らの手で文字通り、手動で、ご飯くらいは
炊けた方がよいように思う。


おかずは、先日作って、冷蔵庫にあった、
ゆで玉子と鶏手羽のしょうゆ煮。
つゆは、これも冷蔵庫にあった、先日の鯛(兜煮)の時の
あらで、とっておいた、潮汁。
漬物は辛子茄子と、ちりめん山椒。

なんということもないが、
うまい朝飯、で、ある。



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