断腸亭料理日記2011

竜泉・そば・角萬

11月12日(土)第一食

さて。

蕎麦の季節、の、ようである。

いや、の、ようではなく、間違いなく蕎麦の季節。

新蕎麦の頃。

NHKの朝のニュースでは茨城県での蕎麦のイベントの話題を
やっていた。

蕎麦好きの方々には、新蕎麦の香りは
たのしみなもの、なのであろう。

私の嗜好などは、がさつなもので、
新蕎麦でも、なんでも好き、なのではあるが、
いずれにしても、このニュースを視て、
よし、蕎麦を食べにいこう、と思い付いた。

土曜の朝、蕎麦を食べにいく、といえば、
このところご無沙汰であったが、千束の路麺の名店、
ねぎどん

久しぶりにいってみようか。

朝、といっても、11時、自転車で出る。

ちょいと寒いかと思って、セーターを着込んで
出てきた。

元浅草から東へいって、寿から北上。
赤札堂の手前の通りをあがって、言問通りも越え、
ねぎどん、到着。

あれ?閉まっている。
休みだ。

以前は、土曜日もやっているはずであったが、
入口に、紙が貼ってあり、月になん日かは、
土曜休みの日があるようである。

どうするか。

実は、ねぎどん、という頭と同時に、もう一軒、
思い出していた店があった。
それが、角萬

角萬は、ここからもすぐそば。

お酉様の少し先。
竜泉の国際通り沿いにある蕎麦や。

蕎麦や界のラーメン二郎。
その筋では、有名な店。

私は、随分前に一度きたことがある。

国際通りに出て、お酉様の前を通り、真っ直ぐ。
(そうそう、二の酉が月曜である。)

角萬はお酉様側。

店の前の歩道に自転車をとめる。

ちょうど、ジャージ姿の兄(あん)ちゃんが、
店に入ろうとしている。
その後ろから、入る。

11時半前。
まだ、お客は、2〜3人。

入った奥のテーブルに座る。

ここは、ほぼ、肉南蛮そば、の店、と、いってよかろう。

私の前に入った兄ちゃんは、席に座らぬうちに
注文は済ませたようである。

えーと、なんていうんだっけ!。

ここも、ラーメン二郎ほどではないが、
常連の頼み方があったが、忘れてしまった。

壁に貼られたメニューは煤けている上に、
私の乱視のため、読めない。

肉南蛮という名前を、忘れていたのである。
それで、「肉そば」と、いってみた。

むろん、通じる。
温かいの?冷たいの?と、お姐さん。

寒くなったので、温かいの、と、頼む。

ほぼ、できている、のであろう。
1分も待たずに、出てくる。


温かい肉南蛮、普通盛り。

ラーメン二郎ほどではないが、見た目にも、
なかなか、B級。

麺は厚みは一緒だが、幅が広いの、細いのと、
乱切り。

かけ汁で煮たちょっと厚めの豚の細切(こまぎ)れ肉と、
ねぎがテキトウにのっている。

蕎麦の色が白っぽいのは、小麦粉の割合が
多いのか。

量は普通盛りといいながら、普通の蕎麦やの
大盛以上はあるかもしれない。

12時も近くなり、後から、後から、お客が
入ってくる。

聞いていると、温かいものよりは、
冷たい方を頼む方が多いようである。

多くは「ヒヤ(冷)、ダイ(大)」と、いって
席に座る。(おそらく、八割以上のお客が、肉南蛮を
頼むので、これで注文は足りる、のである。)

私は、どんどん食べる。

うまいのだが、なにか、以前きたときにはもっと、
うまかったような、記憶がある。

実は、帰ってきて、今これを書く前に、
以前の日記を読み直し、その理由がわかった。

そうなのである。

ヒヤ、でなければいけなかったのである。

この季節に冷たいのは、少し難(なん)があるが、
ちょっと甘目のつゆの、ねぎと豚肉のぶっかけ、
これが“角萬”の本体、で、あったのだ。

うっかりしていた。

食べ終わり、お勘定。
950円。
(意外に、というべきか、安くない。)

ご馳走様でした、と、出る。


竜泉角萬。
不思議な蕎麦やだが、いかにも下町らしい。
冒頭の、新蕎麦とは違うが、これはこれで、よい。

よし、ヒヤだ。
近いうちに、またこねば。





台東区竜泉3-13-6
03-3872-5249






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