断腸亭料理日記2012

日本橋・洋食・たいめいけん

2月24日(金)夜

帰り、日本橋のたいめいけんへ。

日本橋でなにか食べようというと、
選択肢はいろいろとある。

この前行ったのが吉野鮨

あるいは、蕎麦やの、やぶ久

江戸前おでんの老舗、お多幸も、ある。

日本橋というのは、東京西部で育った私には、
本来は、馴染はなかった。

池波先生の影響というのも、むろんあるのだが、
浅草に住むようになり、日本橋は銀座線一本で、便利。
それで、よくくるようになった。

江戸の頃、といえば、日本橋はもちろん、江戸の中心。

繁華街とすれば、東京で最も古い歴史があると
いってよいだろう。

明治になり、鉄道馬車、市電の時代になっても、
日本橋を中心として、上野、神田、日本橋、京橋、銀座、
新橋を通る路線は、最も重要なものであった。

しかし、ご存知のように東京が西部方向に発展し、
日本橋そのものの地位の低下、というのは、
やはり、否めないこと、ではあろう。

ここなん年か、この界隈は、江戸の頃からの主ともいえる、
三井がプライドをかけて、再開発をしている。

コレド日本橋、三井タワー、マンダリン、
最近できたコレド室町、などなど。

だが。

これら再開発されたビル群というのは、
きれいになり、新しくなり、それなりのもの
ではあろうが、やっぱり、それなり、でしかない。

実際のところ、日本橋には大中小、様々な業態の
老舗が今でもあまた、点在している。

吉野鮨しかり、やぶ久しかり、たいめいけんだって
そうである。

それ以外だって、挙げだせばきりがないが、
日本橋魚河岸にルーツを持つ、にんべん、神茂、
山本海苔店、弁当の弁松、などなど。
または、扇子の永頼堂なんという店もある。
(丸善なども入れてもいいかもしれない。)

ビルの中ではない、こういう路面の店々が皆、元気でなければ、
日本橋というところも復活したとはとてもいえなかろう。

きれいにはなったのだろうが、とらえどころがない、
もっといえば、実がない印象がぬぐえない。

なんとなく、街としてまだどこを目指しているのかが、
見えないような、そんな感じがする。

ともあれ、
たいめいけん、で、あった。

蕎麦でも、おでん、でもなく、今日は洋食、
たいめいけん、なのである。

揚げ物が食べたかった。

ここは、18時をすぎると、並んでしまうので、
できれば早く行きたい。

ここも、池波レシピ。

窓際に座れた。

ビール中瓶をもらい、なにはなくとも、いつもの通り、
ボルシチとコールスローをつまみ代わりに、もらう。


どちらも、50円。
ここへきたら、最初にこれは
もらわなければいけなかろう。

ボルシチといっているが、見た通り、ミネストローネスープ
と、いったほうがよい。コールスローは、しんなりした、
キャベツのサラダ。
だが、むろん、どちらも、うまい。

ここの最近の看板は、伊丹十三監督の
かの、たんぽぽ、に出てきた、その名も
たんぽぽオムライスなのだろうが、私は、
揚げ物。

やはり、ポークカツレツ、であろう。

頼む。


ロースのカツ、で、ある。
ご飯付き。
あらかじめ、デミグラスソースがかかっている。

ビールを呑みながら、ボルシチ、コールスロー、
少し遅れてきた、カツを食べる。

カツの衣の具合、揚げた香りがなんともいえず、よい。
とんかつや、とはまた違う、洋食やの、カツレツ、で、ある。

全部平らげて、ご飯は塩をかけて、食べ終わる。


うまかった、うまかった。

大満足。

ご馳走様でした。






中央区日本橋1-12-10
03−3271−2463

たいめいけん









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