断腸亭料理日記2012

鯖 その2

今日は昨日のつづき。

鯖をおろそうと出刃包丁を取り出すと、
錆が浮いていたので、一度冷蔵庫に仕舞って、

包丁研ぎへ。

包丁を研いだことのある人というのは
どれだけあるのだろうか。

魚をさばける人は、まあ、包丁は研げる
のであろう。

女性の場合は、簡易の研ぎ石などを
使っているかもしれない。

私の場合は、料理を始めた学生時代から
砥石を買って研いでいたと思われる。

前にも書いたが、研ぎ始めると、
ついでなので、家中の包丁を研いでしまう。

まず、砥石を水につけて十分に湿らせる。

プロはまた違うのであろうが、
そこそこ切れればよい、と考えれば、
包丁研ぎはさほど難しくはない。

ようは、刃先を尖らせればよい、のである。

両刃の洋包丁であれば表裏、片刃の和包丁ならば
片面のみ、包丁を寝かせて前後に研ぐ。

この際に、包丁と砥石を水で湿らせる。
これ、今、書きながら思い出したのだが、
子供の頃、一緒に住んでいた私の爺さんが
研いでいたのを飽きずに眺めていたっけ。

包丁を動かす方向は和包丁ならば、引く時に
力を入れ、洋包丁ならば、押すときに力を入れる、
という。

和包丁は引いて切り、洋包丁は押して切るから。
なのだが、まあ、素人にはよくわからない。
わからないが、わからないなりに、そんな気持ちで
前後に動かす。


都合6本、研ぎ終わった。

上からステンレスの小さな出刃。
鯵などの小さな魚をおろすのに主に使う。

次が普通の出刃。
これが鉄製で、今日鯖をおろすのに使おうとしていたもの。

その下が刺身包丁。
これはステンレス。
やはりステンレスが素人には扱いやすい。

その下の3本はステンレスの洋包丁。

終了、なのだが、、研いでいる間に、ちょいと
指を切ってしまった。あわててバンドエイドをして、
やっとこさ、鯖をおろしにかかる。

頭を落とし、そして、腹を割く、、、、!

わっ!。

やっぱり子持ちだ。


全部、そうであろうか。
〆鯖はあきらめた方がよいか。

まあ、味噌煮、竜田揚げでもよい。

淡い期待を込めて、5本全部おろす。

結果。

メス4本、オス1本。
すべて子持ち。(むろオスは白子。)

このうち、試みにオスを〆鯖にしてみることにする。

二枚。



三枚におろし、両面強めに塩をする。


今日は2時間だ。

2時間経過。

水洗い後、もう一度酢洗い。
酢で洗うのだが、生臭さを防止するため、というのだが、
メカニズムはよくわからない。

洗ったら、皮をむいて、酢に漬ける。
乾かないように、上からペーパータオルをかけておく。

次、味噌煮にかかる。

まずは薬缶で熱湯を沸かす。
これは霜降りのため。

煮るのは1本。
(あとは、内儀さんが竜田揚げに。)

半身をさらに半分に切って、ざるに並べる。

ここに熱湯をかけ、すぐに軽く水洗い。
崩れないように、注意。

洗ったら、鍋に並べ、水、酒をヒタヒタまで。
点火。

煮立ったら、味噌を溶く。
味噌は、八丁味噌と信州味噌。
それから砂糖。

煮魚はしょうゆ味でもそうだが、味は濃い目。

味噌が溶けたら、生姜スライス、3〜4枚入れ、
アルミホイルで落しぶたをし、弱火で煮込む。

煮込む時間は7〜8分を限度に。
最近の煮魚は煮すぎないのが、流行(はやり)。
7〜8分を超えると、味は染みるが、
魚のうまさの本体である身のコラーゲンが抜け出してしまう。
その代わり、この時間では味は染みないので、つゆを
濃くしておく。

出来た。


〆鯖。

酢からあげて、切ってみる。
まだ、生っぽい。
塩をして2時間経っているが、今日は酢の入りがよくない。

ともあれ、切って皿に並べる。


味噌煮とともに、食べる。

〆鯖。
これは、これは、子持ちであったが、脂もあり、
また、ものがよかったのかもしれぬ。
そうとうに、うまい。
(酢からあげてすぐ、なので入りがわるいが、
あげて冷蔵庫保存で翌日になると、酢がよく入り、
よりうまくなった。)

めっけもの。

と、いうことは、味噌煮も?!。

うん、うん、十分に、うまいぞ。

成功、で、ある。


いや、いや、鯖というのは、わからぬもの。
子持ちでも、うまいものは、ある。








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