断腸亭料理日記2014

鰯 その3

さて。

引き続き、鰯、で、ある。

〆るために塩をして、4時間ほどたった。


このところ自分でやった〆ものは、今一つ、うまく〆らなかった。
それで今回はなん度も塩を足したのであった。

もういいだろう。
一度酢で洗い、別の新しい酢に漬ける。
酢に漬ける時間は、20分程度で十分。
水が抜けた分だけ酢が入るので
長く漬けても一定以上は酢が入らない。

酢に漬けて、あげたものは、皿にのせて置いておく。
小肌などでは一昼夜、常温で干すというようなことをする。
この時間も酢〆には必要な工程のようである。

さて、夜。

〆た鰯は押し寿司、さらには、ぬた、もよいだろう。

今日は押し寿司を作ろう。
米を研いで、浸水をしておく。

だが、まだまだ、鰯は残っている。

残りはフライ。

今回の鰯は大きいのだが、脂がないのでおそらく
フライが一番合っているのではなかろうか。

普通イワシフライというと、開いたものだが、
大きいので半身にしてしまってよかろう。

頭を落として腹を裂き、洗って尻尾から頭まで出刃包丁を入れて
半身。
もう半身、骨を外して終了。

半身で10数枚できてしまった。

これは置いておいて、先に押し寿司。
まずは鍋で飯を炊く。

炊けたら一合分、酢飯にする。

押し寿司の型を用意し、直(じか)では飯がくっつくので
ラップをで覆う。

底に〆た鰯を並べる。
やはり大きいので半身二枚と切れっ端をちょいと置く。


ここに粗熱が取れた酢飯を押し込む。


一合でちょうどこの型一つ分である。

押さえて置いておく。

OK。

フライの準備。

キャベツの千切りを先にすませておく。
できるだけ細く。
切ったものは、ボールの水に放しておく。

半身の片面に塩胡椒。
そして、両面に天ぷら粉を振っておく。

最近は天ぷらもフライも、みな天ぷら粉になってしまった。

衣の準備を始める。

油も揚げ鍋に用意し、予熱も同時に。

右から、粉をふった鰯の容器、水はなし玉子二個を割りほぐして氷を入れ
少し天ぷら粉を入れたもの、その隣にパン粉を入れた容器、
出来上がりを置く容器、と、都合四つを並べておく。

串で刺して、順につけて衣にしていく。

とんかつなどもそうだが、フライものの衣付けには
プロもやっているが、串に刺すと手が汚れなくてよい。

しかし、10数枚。流れ作業でどんどん作っていると、
なにか、給食の小父さんになったようである。

油温をみて、二枚ずつ、高温で揚げる。
二分程度。よい色になったらあげる。

皿に盛りつけ。


揚げ上がりも上々であろう。

トマトケチャップ、マヨネーズ、ウスターソースを
混ぜたもの。イワシフライには私はいつもこれ。

フライであれば、脂がなくともなんら問題はなく、
うまい。

ビールには最高である。

さて、イワシフライを平らげて、仕込んだ押し寿司。


型から出し、ラップを取って、

刺身包丁に水をし、切る。
(まあ、ご多分にもれず、きれいに切れぬ。
飯粒がポロッ、ポロッ、、、。)

食べる。

ん!。

う〜〜〜〜ん。
これは。

塩辛い。

塩をしすぎたか。あれだけ1時間おきに塩を足していたら、
やはり塩辛くなりすぎる、と見るべきであった。
と、すると、塩出しが必須、で、あったか。

内儀(かみ)さんも一切れ食べるが、やはり同じ感想。

しょうがない。
そのまま、ラップに包み、翌日以降、味が落ち着くことに
淡い期待をして、常温に置いておく。

その後、食べたのは翌朝、一切れ。
これは、まだ、塩辛い。

が、一転、夜。つまり24時間後。

酢飯のものなので、そのまま常温に置いておいたのだが、
わるくなってはいまいかと危惧を抱きながら、一口
食べてみると、これがなんと、うまい。

むろん、わるくはないっていないし、塩気は落ち着いて
ちょうどよくなっている。
これが押し寿司、というものの本当の食べ時か。

さらに翌日(11/26)。
まだあった、酢〆のもの。
これは、冷蔵庫に入れておいたが、ぬたにしてみた。


酢味噌は赤味噌(八丁味噌)と白味噌(西京味噌)半々
(に、むろん酢も)。
やはり鰯には赤味噌系がよいだろう。

これも塩は落ち着いて、なかなかいけるものができた。
内儀さんも食べ、全部片付いた。

やはり、強く〆ると日持ちもするし応用範囲も広がる
ということであろう。





 


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