断腸亭料理日記2015

北千住・居酒屋・大はし

4月16日(木)夜

きょうはつくばから、TXで帰宅。

7時半近く、北千住。

東武だと浅草まで乗るのだがTXで帰ってくると、
なぜか北千住で降りたくなってしまう。

なん度かきている西口駅前の立ち呑みの
串かつやにでも寄ろうかな。

西口に出てくる。

そうである。

いつも混んでいて入れたことがない、
[大はし]をのぞいてみようか。

都内でもカリスマ居酒屋になっている。

西口の二階になっている広場の喫煙所で
一服して、階段から下へ降りる。

[大はし]は西口正面から旧街道商店街を北へ少し行ったところ。
左側。

瓦屋根の下に「千住で2番 大はし」と書かれた
木の看板。軒下、紺に白抜きの暖簾には江戸文字横書きで
大はし。右側に縦にキリンビール。

行列はないぞ。珍しい。
このくらいの時刻だからか。

暖簾を分けてくもり硝子の戸を開けてみる。

硝子戸の前の椅子に待っている人が一人。

一人なら待とうか。

私も座る。

カウンターが奥に続き、右奥にテーブル席もある。
店内は明るい。

一人で呑んでいる人も意外に多そうで
思いがけず騒々しくはない。

店の奥、上の方に


広重の千住大はしの浮世絵が掛けられている。

そして、大きな貼り紙。

「名物にうまいものあり北千住

 牛の煮込みでわたる大橋

 明治十年創業 千住で2番

 大はし

 千住名代

 肉とうふ 三二〇

 牛にこみ 三二〇」

また「店内撮影禁止」。

壁の棚にはキンミヤ焼酎のキープボトルが
ズラッと並んでいる。

10分は待たなかったか。

白い上っ張りを着て、禿頭に眼鏡、柔和な笑みを
浮かべている親爺さん。この人がご主人であろう。

にっこり笑って、私に、
旦那!、テーブルでもいいすか?と。

はいはい。

初回からカウンターでなければとはいいませんし、
鮨やでもなし、テーブルでもなんら問題はない。

しかし、“旦那”はいい。

テーブルの空いた席に相席で座る。

ここの仕組みがよくわからないのだが、
親爺さんに聞いて、焼酎と炭酸をもらってみる。

すぐにくる。

小皿にのせたショットグラスに、目の前でキンミヤの瓶から
焼酎を注ぎ、あふれさせてくれる。

氷入りアイスペール。ビールグラス程度のグラスには
レモンのスライス。

なるほど、ここはこういうことになるのか。

グラスにテキトウに焼酎を注ぎ、炭酸で割る。

お通しは小皿にちょいとした魚のあら煮。

おっと、つまみ。
名代の肉豆腐を頼まねば。
それから貼り紙を見て、赤貝肝和え、がうまそう。

店の中は3人。
最初のご主人らしい親爺さんと、50代くらいのお父っつぁん。
さらに20代くらいのお兄ちゃん。

この3人は、親子、孫であろうか。
似ているような、そうでもないような。

禿げ頭の親爺さん以外の二人は、いつも
怖い顔をしているのが好対照。

通りかかった真ん中のお父っつぁんに声をかけて、
肉豆腐と、肝和えをいうと、肝和えは切れている、とのことで
とっさに、しゃこ刺しに変更して、頼む。

初めての家は、頼む間合いを見つけるのに
ちょいとしたハードルがあるものである。

肉豆腐としゃこがきた。

あまりにも有名であるが、まあ、文字通り肉豆腐。
こういうものでキンミヤを呑んでいると、自宅でも
最近焼酎はキンミヤなので、なんだか、自宅にいるような
気になってしまう。

呑み、つまむ。

焼酎、炭酸をもう一杯。
それから、串かつを追加。
これは、ラードで揚げているのか、うまい。

二杯目も呑み終わり、いい加減に酔っぱらった。

帰ろうか。

お勘定は1980円。

硝子戸を開けて、出る。

やはり、北千住らしい家ということになるのか。

北千住というのは、私自身は意外に多くは知らない。
葛飾の四ツ木に10年ほど、浅草に引越して、
10年ほどか。

下町にもいろいろあるが、この家自身が、
千住名代、であろう。






足立区千住3丁目46
03-3881-6050


  


 

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