断腸亭料理日記2015

芝海老から揚げと

真たらこと白滝の煮付け

12月21日(月)夜

帰り道、御徒町の魚や[吉池]に寄る。

先週であったか、[吉池]にかわはぎがあって
ちょっと食指を動かされたのだが、これはちょっと高めで、
この時半額になっていた鰤の刺身を買ってきて食べた。
これを思い出してかわはぎを買って帰ろうと寄ってみた。

かわはぎは、煮付けもよいが水炊きの鍋にするつもりであった。
ぷりぷりとした身がうまい。

7時半、寄ってみると、、、、かわはぎは、ない!。

まあ、そうそうここに、旬であっても毎日、
それも遅い時刻まで、置いてあるはずもないか。

逃した魚は大きい。

う〜ん。
既にかわはぎの頭になっていた。

どうしたものか。

ともあれ、売場を見てまわる。

大きな沙魚(はぜ)。
これは島根産。
この時期の沙魚は、落ち沙魚などといって、
おそらく子持ちで、小鍋にしょうゆでさっと煮付けたものは、
「梅安」に出てきて池波レシピになるのだが、、ちょいと、
今日は気分ではない。

ん!。

生のたらこが、半額。
200円である。

たらこといっても、真鱈の子、で、ある。
明太子になるのは、助惣鱈(スケソウダラ)の子。

真鱈の子も鱈の出回る冬のもの。

これ、煮ようか。

それから、、?。

芝海老、愛知産。

佐賀有明海産のこともあるが、
ほぼ定番のようにここにはある。

いつもそうしているが、簡単でうまいので、
から揚げにしよう。

それから、私の好物、めかぶ。
まるっきり統一性がないが、たまにはこういうのも
いいか。

錦糸町行の都バスに乗って三つ。

バスに乗っている間に、思い付いた。
真鱈の子は、白滝と煮よう。

真鱈の子と白滝を一緒に煮るのは定番であるし、
玉子だけよりも食べやすい。

元浅草三丁目で降りて、
ハナマサで大袋の白滝を買って帰宅。

作る。

まずは、揚げ鍋に油を用意し、先に余熱。

次に白滝のあく抜き。
湯を沸かし、鍋で数分。
水洗いをし、短く切っておく。

白滝やこんにゃくの独特のくさみは抜いておきたい。

真鱈の子は軽く洗う。
煮ているうちにほぐれてくるのだが、一口程度に切る。

芝海老も洗っておく。

鍋に酒、しょうゆ、砂糖、水。
しょうゆは、濃口しょうゆにたまりしょうゆ、3対1程度の割合。
たまりを使うと味に深み出るように思う。

鱈子と白滝を入れて、点火。

同時進行で油にも再点火。

鱈子は煮立てて弱火。
ここで一度味見。

ちょっと薄め、しょうゆと砂糖を追加。
煮詰めながら煮る。

芝海老の方。
油温が上がったら、高温でどんどん揚げる。
時間としては2分ほどであろうか。

揚げ終わったら塩をして皿に白い紙を敷いて盛り付け。

鱈子と白滝はある程度色がつけばOKであろう。
盛り付け。

めかぶは器に入れて味付けぽん酢をかけて終了。

芝海老から揚げ。


真鱈子と白滝の煮ものに、めかぶ。


ビールを開けて食べる。

芝海老。
なんとなく、旬は夏かと思っていたのだが、調べると
産卵期の後の10月、11月から春までという。
まさに冬が旬ということである。
遠浅の江戸湾、芝で砂地などで獲れる海老で芝海老。
江戸前の種で、皮をむいてかき揚げの天ぷらになっていたわけである。
皮をむくと、そうとうに嵩が減ってしまうし、なにしろ面倒。
こうしてそのままただ揚げただけが簡単。
殻も頭もバリバリ食えて、うまい。

真鱈子と白滝の煮付け。
真鱈の子の煮たものは東北や北海道の人々にとっては、
冬の家庭の味であるというのを聞いたことがある。

東京では私が子供の頃などには出回っていなかったのでは
なかろうか。
真鱈で東京に出回るのは以前は塩をしたものか
棒鱈のような干物であったのではあるまいか。

今は東京でも鱈の身も完全な生があり、白子も一般的になったし、
こうして真子(まこ)も[吉池]のような大きな魚やには
並ぶようになった。

私の場合は白子はあまり得意でないのだが、
真子は、あまり高価なものでもなく、こうして冬になって、
目に付くと煮て食べている。うまいもんである。

 

☆暮れも押し詰まってきました。
この後の配信予定は27日(日)はお休みをいただき、28日(月)配信の
予定です。



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