断腸亭料理日記2015

三社祭2015 その1

5月17日(日)

さて。

浅草の三社祭である。

私は住居表示でいうと元浅草というところに住んでいるのだが、
三社様、浅草神社の氏子範囲ではなく、隣の鳥越神社で
お祭りは鳥越祭である。

だが、やはり三社祭というのはお隣のものであるし、
たのしみで毎年必ず見物にいく。

おそらく東京のお祭りの中でも知らない人はない、
唯一全国区のものではあろう。

浅草という江戸からの老舗盛り場・観光地であり、
神輿の祭とすれば最も人気があり、全国から神輿フリークが
担ぎにくる。

数年前には宮出しの際に神輿に乗る者があって、
中止に追い込まれたこともあった。
ここ1~2年は少し落ち着いているのか。

浅草神社の行事とすれば、なん日間もあるのだろうが、
なんといっても呼び物は、最終日の日曜に行われる、
三基の、本社神輿と呼ばれる神社の神輿の氏子町内渡御(とぎょ)
である。

浅草神社から、一之宮、二之宮、三之宮の三基が担ぎ出される
宮出しが朝の6時。ここから全44か町の氏子町会が受け渡し担ぐ。
そして夜の7時から8時に宮入り。
この宮出しと宮入りが見ものではあるのだが、
朝6時は早いので私は見に行ったことはなく、
宮入りの方は一度だけ見に行ったことがあるが、あまりの人出で、
それっきり。それで、もっぱら昼間の各町の渡御を追っかけて見るのが
例年のことである。

私の住む元浅草から最も近い三社の町内は
真っ直ぐ隅田川方向にいった寿、駒形あたり。
ここの神輿は三之宮。

最近は神輿の渡御の順路は神社のホームページでも手に入れられる。
なん時頃、このあたりにくるかを確認する。

三之宮

なるほど、昼から昼すぎ。

雪駄を突っ掛けて自転車で出る。5分ほど。
日差しが強い。

どこの祭でもそうだが、祭最中の氏子町内に入ると、道一本の差だが、
まるで雰囲気が変わる。“祝祭空間”といってよろしかろう。
門々に祭提灯が下がってもいるし、祭囃子も聞こえ、皆、家の駐車場のような
スペースに、あるいは家の前の道路に直に店を広げ、老若男女宴会状態。
鳥越もそうだが、これがこのあたりのお祭り中の雰囲気である。

駒形の[どぜう]。



と、神輿見物の前に、腹ごしらえ。

[どぜう]の前の蔵前通りを渡ったところにある[自家製麺・伊藤]。

比内鶏肉そば(中)850円


ここはもともとは赤羽らしいが最近銀座にも店を出し、
ミシュランにも載ったとのこと。

普通の「中華そば」は煮干し系。「比内鶏肉そば」は煮干しと
比内鶏の合わせスープ。濃厚でうまい。

自家製麺と謳っているだけあり麺もうまい。
細麺だが堅めで腰があり、香りがよい。

[自家製麺・伊藤]
台東区駒形2-6-9
03-6802-8226

ちょうど、食べている間に、店の前を北へ向かって神輿が通った。
駒形堂前を左に折れ、浅草通りを西進し、すぐにまた路地を左に折れる。

町名入ったの高張提灯が見えるがこれが、この町の神酒所(みきしょ)。
(神酒所というのはその町会の祭本部といったもの。)

浅草消防署前。

ここまでが駒形。
駒形町会の担ぎ終わりの場面。

白い紙のヒラヒラが付いた白木の棒。
これは御幣(オンベ)。神輿の先に立ち先導する。
ゴヘイともいうが、普通は神主さんがお祓いをする時に
振るものである。神の憑代(よりしろ)。

紺地に白の染め抜きの駒形の半纏(はんてん)を着た方と
鳶の半纏、筒先と読める、を着たいわゆる鳶頭(かしら)の
二人が台に乗って、拍子木を打ち、神輿を納める。

駒形町会は後方にはけて、前には次の寿三東町会が控えている。

町会長さん、役員さん(?)から一言あって、手締め。
(各祭で若干手締めの仕方が違っている。)
三社では町会の役員さんであろうか、旦那衆は皆、
揃いの着物にカンカン帽をかぶっている。

 

と、ちょっと待った!。

この着物を着ている旦那二人がこの台を降りないと
担ぎ始められないのだが、どうも逸(はや)った担ぎ手で
手締めの後、棒に取り付いた者があったようである。
マテ、マテ、マテェ~!。

端棒(はなぼう)などといって、棒の先端を担ぐのがカッコよく、
皆、ここにつかまろうと争うのである。

仕切り直し。旦那二人が降りて、
手締め一本で、担ぎ始め。

 

さて。

毎年のことだが、二之宮と一之宮も見に行く。

二之宮の順路


はは~、今は日本堤から千束あたりだ。

 


つづく

 


  

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