断腸亭料理日記2015

小肌とうなぎ肝串 その2


引き続き、うなぎ肝の串。

七輪の炭で焼いている。

ちょと焦げくさくなってしまった、たれ。

軽く焼けたところで、このたれをつけてみる。

どうせ焦がすので、多少焦げくさくても意外にいけるかも。

皿にのせて、めかぶもぽん酢しょうゆをかけて出す。


山椒をかけて食べてみる。

ふむふむ、たれはぜんぜん問題ない。

ちゃんとしたうなぎの肝の串焼きになっている。

うまい。

考えてみると、うなぎの肝は、この串焼きにもするし、
肝吸いにもする。他の魚ではここまで定番になっている
料理法がある、肝というのは、あまりなかろう。
(あんきもの、鮟鱇ぐらいか。)


さて。

小肌の方。

塩をして3時間。

やった!。今日は成功である。水がたっぷりと出ている。

一度、酢で洗う。
水で洗うのではなく、酢で洗った方が生ぐさくならない
ということである。

水分をよくふき取り、


酢に漬ける。


砂糖など入れずに、酢、のみ。
酢に漬けるのは、長くとも1時間程度でOK。

あげる。


水分がよく抜けているので、酢もよく入っている様子。

酢をふき取り、
ここから、干す。

小肌はこの状態でも食べられないわけではないが、
江戸前仕事ではすぐに使わずに、一日置く。

酢を落ち着かせる。
水分をさらに飛ばす。
生ぐささが減る。

こんな意図なのか。
ひょっとすると、置くことで、旨味も増えるのかもしれない。

 


ラップもなにもせず、一晩このまま置くわけである。

朝、飯を炊くために米を研ぎ、浸水しておく。

翌朝。


なかなかよさげ。

ご飯が炊けて、酢飯ができるまで、
ここからはラップをして冷蔵庫。

飯は、電気炊飯器の、酢飯モードで炊く。

スイッチが切れたら、10分弱の蒸らし時間もきちんと取る。

鮨酢も用意。1合分、25cc。

飯台に一合分を取り、鮨酢を混ぜ込む。


段々寒くなってきたので、飯の温度が下がるのが早くなる。
温度が下がると、水分が飛ばなくなるので、ベチョベチョのまま
終わってしまう。

しゃ文字で手早く切って、水分を飛ばす。

一合程度の飯だとやはり冷めやすい。

なんとか水分を飛ばすことは達成。

またまた、このまま、10分ほど置く。

酢飯の表面を落ち着かせるということであろう。

小肌を冷蔵庫から出す。
半身でにぎり一つ分。

半分に切って、十字に飾りの包丁を入れてみる。


酢飯は、きちんとタイマーで計って10分。

わさびも用意し、にぎりスタート。

両手のひらを水で湿らす。

軽く水を切って、飯台から一個分とおぼしき酢飯を取り
左手の上で、握り、にぎりの形に整形。
ここに裏にわさびを塗った小肌半身をのせ、もう一度にぎる。
ひっくり返して、もう一回。
皿へ。

今までになん回かにぎっているが、我ながら、
最初よりは多少ましになってきたか。

5個分。


むろん美しくはないが、にぎれた。
十字に入れた飾りの包丁、なんの効果も発揮していない・・・。
プロがにぎった小肌の鮨の美しさ。まったく憧れる。

ビールを開けて、食べる。

味は?。

ふむふむ。我ながら十分ではなかろうか。
むろん、プロには見た目も味も及ぶべくもないが、
ちゃんと、小肌のにぎりになっている。
身贔屓を入れて、うまい、と、いってよい。

残りの5個もにぎって、平らげる。

やはりうまく〆られたのが、最大の勝因であろう。
天草(?)の小肌。ものもよかったのかもしれない。

そこそこ以上の鮨やで、お好みで食べる場合、同じ種を
複数回頼むのは、いくらうまくても、してはいけない。
他の客が食べられなくなるから。

こうして自分で作れば、好物の小肌を思うさま食べられる。
これは、幸せ、で、ある。

一つ、おまけ。


これはこの日の夜。
余った酢飯に甘辛く煮た椎茸と、細かく刻んだスナックエンドウ、
もみ海苔で、混ぜ込み鮨。

 

 


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