断腸亭料理日記2015

とんこつみそラーメン(?)二題
北海道ラーメンひむろ上野店/市谷・大塚屋


夕方になると、温かいラーメンが食べたくなる。
そこで、とんこつ味噌(?)二題。

9月28日(月)、29(火)夜

成田に出かけて、スカイライナーで上野まで
戻ってきた。

目当ては[ひむろ]。

北海道ラーメンという看板を掲げている。

以前は[味源]という屋号で20年程度前であったろうか、
北海道の店が東京にやってきた。
当時、とんこつで味噌というのが新鮮で、見つけると
入っていた。

今は、東京で[味源]という屋号の店は一軒だけで、
[ひむろ]が主で、経営も違っているのかもしれない。

私は今でもここのとんこつ味噌が好きで、
上野の店にはよく行っている。

場所はちょっとわかりずらい。
アブアブより一本南の路地を入って左。

味噌、塩、しょうゆ、と、あるが、やっぱり味噌。
辛いものもあるが、ノーマルの味噌がうまい。

ビールをもらって、味噌ラーメン。


おろしにんにくを入れて、食べる。

味噌といっても、以前から色は白。

麺は北海道風で、黄色味の濃い堅めのちぢれ麺。

それこそ、20年前のものはもっととんこつが前に出て
脂も多く、かなり重い味であったような気がするが
今でも十分にうまい。

とんこつ味噌というのは、結局あまり流行らなかったのは、
なぜであろうか。
とんこつスープに味噌味というのは、相性も
わるくはないと思うのだが。

今の東京ラーメンの基本トレンドは、とんこつ魚介しょうゆである。
味噌自体が、あまりトレンドではないのかもしれぬ。

さて。

連日になるが、翌日。

市谷のオフィスからの帰り道。
今日も、とんこつの味噌というテーマ。

ちょっとまわり道になるが[大塚屋]というところ。
旧名が[くるり]で、有名な店であったので
ご存知の方もあるかもしれぬ。ごく最近リニューアルしたようである。

[くるり]は04年に一度書いていた。

若いお兄ちゃん一人でやっていた店だったが、
ずっといつも行列であった。

久しぶりに行ってみようかと思って営業時間などを調べてみると
店名が[大塚屋]と変わっていたのに気付いた。

ただ、行列や評判は相変わらずのよう。
テクテク歩いて、お濠まで出て左に曲がる。

お濠を渡る新見附橋の先、左側。

場所は[くるり]の頃とまったく一緒で、間口も一間ほどの
小さな店。

きてみると外に列はないが、中には3〜4人、立って待っている。
狭い店なので、入って待つスペースはない。外に立って待つ。

ほどなく入り、券売機で食券を買う。

以前は辛くないものもあったと思うが、
ラーメンは辛味噌つけそばと、辛味噌ラーメンの二品のみ。

ラーメンに味玉の食券を買って、待つ。

店の内装はちょっとお洒落な感じになり、一人でやっていたのも
今は二人になっている。

ほどなく座り、出てきた。


白髪ねぎにラー油。
角切りのチャーシュー。
麺は中央が気持ち膨らんでいる感じの平打ち麺で、
さほど太くはない。

ん!。

スープは、辛みもあるにはあるがそれほどでもない。
それ以上に、上の写真ではわからないと思うが、
なんといっても粘度がべら棒に高い。

以前に食べた時にも、天下一品を例に出しているが
その頃よりも、濃くなっているのではなかろうか。

もはやスープというよりもソースといった方がよいくらい。
ねぎとともによく混ぜて、からめて、という感じ。

かなり不思議な仕上りではなかろうか。

まさに独自路線。

まあ、混ぜそば、油そばのようなものもあるので、
こういうアプローチがあるのはもっともなこと。

とんこつ味噌といって書き始めているが、
まあ、そんなことなので、もはやそういうくくりには入らない。

だが、やはり東京のラーメンというもの
おもしろい。

今は、全体をみれば、猫も杓子も売れ線の
魚介系とんこつであるが、そうでない明らかに別路線の、
不思議な方向を追及している人もいるというのは、
健全さを感じる。

だが、、、以前の[くるり]からなのだが、
なんでここは行列が絶えないのであろうか。
私などはまだ職場が近いが、駅からも遠いところにあって、
店も小さい。また、ラーメンも挑戦的ともいえる方向。
いや、もっといえば、まず万人受けはまずしない。

ある種の、話題性?。

ストーリーというのかメッセージというのか、
そういうもので東京のラーメンやのコアな客は、
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
(それには、毎度書いている、グルメマスコミが
一枚も二枚も噛んでいるのであろうが。)

一杯なん千円もする食いものではない。
それでおもしろがれればよい、ということかもしれぬ。


ひむろ上野店
台東区上野4-5-2
03-5688-6777

大塚屋
新宿区市谷田町3-2トゥービル1階


 



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2015