断腸亭料理日記2016

まぐろカマとやりいか

4月15日(土)〜

金曜日夜。

五反田からの帰り道。
御徒町で降りて、大した展望もなくいつもの通り、
吉池に寄る。

魚やというのは、むろん買う気は皆無ではないのだが、
見てまわるだけでも、愉しいものである。

養殖もの、冷凍もの、輸入ものも多いとはいえ、
それでも今も近海の天然ものは半分はあろう。
天然ものの魚には、いうまでもなく旬がある。
そして、旬のものはうまいだけではなく、
たくさん獲れていて、安い。

魚やの店先をみれば海の様子がわかるもの。
海の様子がわからない魚やで魚を買ってはいけない。

だがまあ、吉池でも私は毎日のように売り場を見ているので、
そうそう変化はないのだが、それでも毎日多少は違っている。

そして珍しい魚、安い魚に出会うこともある。
これが愉しいのである。

さて、見てまわると、、、、

入ってすぐのところに、うなぎの肝。
それから、くりからの串。
このところここで、たまに見かける。

くりからとは、うなぎのくりから焼きというものになるが
ひれなどを串に巻いたもの。
肝の串は、うなぎやではそうなん本もできず貴重品。

肝もくりからも、うまいのだが、一本300円と、意外に高い。
手間もかかるし、今日はやめよう。

他には、、、と。

まぐろのカマ、350円程度。

これは安い。

バチまぐろでそう大きくはないが、カマというのは
他の魚でもそうだが、脂がある。
まぐろは塩焼ではなく、酒としょうゆでつけ焼きにするとうまい。

それから。
またまた、で、あるが、やりいか。

これは、小ぶりなもので、生ではなく茹でたもの。

実のところ、吉池にはほぼ年がら年中ある。
アメリカ産と書いてあるもの。
茹で置きの輸入ものと思って、いつもは敬遠していた。

ただ、今日のものは子持ちと書いてある。
これは1パック5〜6杯入って、500円ほど。

これはちょっとおもしろいかもしれぬ。
例の甘いたれをかけて、で、ある。

帰宅。

ただ、この日は、冷蔵庫にいろんなものが残っていたので
それらを食べて、寝てしまった。

まぐろのカマは、翌、土曜日の第二食。

洗って、酒としょうゆを合わせたものをまぶして、
しばらく置いておく。


 

こんな感じ。

焼く、のであるが、やっぱりこれも厚みがあるので
ガスのグリルでは炎が近すぎて、すぐに焦げそうである。

レンジのグリル機能。
うちのレンジのグリル機能はしょぼいので、
両面合わせて、20分ほど。

焼き上がり。


まぐろカマのしょうゆのつけ焼き。

脂のあるのは、身の下の方。
トロの延長ということになる。
上の写真だと左の方。

これがまずいわけがない。

さて。

やりいか。

食べたのは、結局土曜の夜中から。

例の穴子の煮汁を煮詰めた甘いたれをかけて。

 

アップ。


ちょっとわかりずらいが、ほろほろとした食感の
子持ち。

たれとあいまって、まさに堪えられない味。

やりいかは毎度書いているが、火を通しても堅くならず、
さらに茹で置きでも堅くない。
それで、ボイルのものを買ってきても、まあ大丈夫、
なのである。

やりいかがうまいのか、このたれがうまいのか。
どちらかということではなく、合わせ技というところか。

江戸前鮨ではにぎりにこのたれを使う。
煮穴子、このようにやりいか(煮いか)、それから
たこ、煮蛤(にはま)などにも使う。
基本は煮たもの、であろう。

ともあれ、このたれ、うまいもんである。

いつ頃からあるのか。
江戸なのか、明治なのか。
わからぬが、発明した人に感謝、で、ある。


 



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