断腸亭料理日記2016

チューボーですよ!と天津丼

12月17日(土)深夜

さて。

土曜日。

TBSの「チューボーですよ!」が今月で終わる。
1994年から22年間という。

毎週毎週、ほぼ欠かさず視てきたし、
随分とこの日記のネタにさせていただいた。
一視聴者として、堺正章巨匠、他歴代アシスタント、
また、製作スタッフの皆様の長年の番組制作のご苦労に
感謝と御礼。また、作品群に大きな拍手を送りたい。

料理番組というのはむろん数々あるが、
堺巨匠が作る、男の料理を、町の巨匠が支えるというコンセプトは
私のような者にはまったくもって、ぴったりであった。

町の巨匠の店には行こうと思えばむろん行って食べられる。
これもよい。
また、一貫して、オーソドックスなメニューを扱ってきたこと。
これがそんじょそこらの料理番組と違うところである。
手が混みすぎていたり、誰かさんの創作メニューだったり、
というようなものはほとんどなかった。
従って、同じメニューが定期的に登場していた。
そして、この姿勢は、一貫して変わらなかった。(大拍手!)

他の人は知らぬが、男の料理というのは、そういうもの
ではないか、と私は思っている。
プロではない。創作メニューなど自ら考えようなどとは
思わぬし、人が考えた創作メニューも私はあまり真似したい
とは思わない。(相手がプロであっても。)
定番メニューすらろくにうまく作れぬのに
創作メニューもないものである。

天津丼やらマカロニグラタンやら、鯖の味噌煮だったり、
定番メニューを上手く作りたい。
それにはプロのコツを是非聞きたいと思う。
プロが持っている定番メニューの技術は滅多に聞くことができないのである。

シーズンの途中で終わってしまうのは、どうしたわけであろうか。
堺巨匠の身にになにか起きているのかもしれぬ。
もう御年70歳である。致し方ないことか。だが、これからも
お元気でおられることを祈りたい。

年明けからこの番組、どうなるのか。
司会が代わって、同じ番組が続くのか、はたまたまったく別番組に
なるのか。
完全に別番組になるのであれば、誠に残念である。
チューボーロス、になるであろう。

さて。
最終回の一つ前は井上順氏ゲストで天津丼。
初回であったか、忘れたが、堺巨匠の鬼門
メニューであったという。

最近も食べて、書いているが、私の好物。
これは作らねばなるまい。

レシピ

かに玉なので、具はたくさんある。

むろん、かになどはないし、また、天津丼は
かにがない方が、それこそ“町中華”ならば多いであろう。

ということで、乾燥椎茸のみ。
(あとから考えると、ねぎぐらい入れてもよかったか。)

乾燥のスライス椎茸を湯で戻しておく。

レシピを見ると、玉子が四人前で四個。
一人一個?。

それは少ないであろう。
二個にしよう。

玉子を割りほぐし、ここに紹興酒、水溶き片栗粉、塩。

ご飯をレンジで温めておく。

甘酢も準備。
砂糖、酢、中華スープの素(味覇)、ケチャップ、塩、
しょうゆ、水。水溶き片栗粉も用意。

中華鍋を熱し、一度油をまわし、捨て、もう一度油。
玉子を投入。

スクランブルしながら固まってきたら、、、、ひっくり返す?。
いや、これ、無理。
半熟のままで、焼き終了の方がよいぞ。
ご飯を盛った皿にあげる。

ん?

これ、小さい。

待てよ!?。
レシピの玉子は一個分と書いてあるぞ。
やっぱり四個で一枚分だ。

ここだけ、一個分。
わかりにくい書き方である!。

追加で玉子二個を割りほぐし、もう一度、焼く。

やっぱり半熟で取り出し、先のものに合体。

甘酢も作って、掛けまわす。

なんだか、惨憺たるものができてしまった。

甘酢の方は、すっぱすぎぬように、味はみておいたので
よいのだが、二個目の玉子に慌てて少し紹興酒を入れすぎてしまった。
紹興酒の味が強すぎる部分がある。

だがまあ、全体とすれば、食べられぬことはない。

どうせ崩して食べるので、二つに分かれていても、
まあ、問題はない。

玉子自体は、紹興酒の強いところはあるが、
半熟程度に仕上がって、わるくない。

半熟をひっくり返す、というのは、素人にはまず無理、
であろう。
TVで誰かもそうだったと思うが、まず崩れる。

完全に固まった玉子焼きが、かに玉、天津丼ではノーマル
だと思われるが、ひっくり返さずに、スクランブルのまま
ご飯にのっけるというのもあり、ではなかろうか。
もちろん、この方が簡単だし、うまい。

なんだかんだ、負け惜しみの、天津丼。
だがやはり、私にも玉子料理は、鬼門、で、あることは
隠しきれぬ事実、で、ある。

さて、「チューボーですよ!」来週最終回。
見逃さぬようにせねば。

 



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