断腸亭料理日記2016

スパゲティー・カルボナーラ

12月18日(日)夕

さて、日曜日。

スパゲティー・カルボナーラが食べたくなった。

ちょっと外出したついでに、銀座の三越に寄って
どうせならと、本物の材料を買ってみることにした。

いつもは、チーズはクラフトやらの粉のパルメザンチーズ(もどき?)に
ベーコンである。

以前にローマに遊びに行ったことがあるが、カルボナーラは
ローマあたりが本場という。
チーズはパルメジャーノ・レッジャーノでもなく
ペッコリーノ・ロマーノを使うのが本当であると。
また、これは日本でもイタメシやで食べると、
使っているところも多かろう、ベーコンではなく、
豚バラの塩漬け、パンチェッタ。

さすがに銀座三越、どちらもちゃんと置いてある。
そして、どちらも一つ1,000円ちょい。

たっかい、もんである。

だが今日は試し、で、ある。買ってみよう。

帰宅。

最初に、スパゲティーを茹でる湯を鍋に沸かしておく。

パンチェッタとペッコリーノ・ロマーノ。

どちらもイタリアもの。
パンチェッタはVismaraというイタリアでは
名の知られたブランドのよう。
ペッコリーノは羊の乳のチーズ。
イタリアのローマ地方で正しい製法で作られたものが、
ペッコリーノ・ロマーノ。
イタリアの産地認証制度、DOP(デノミナツィオーネ・ディ・
オリージネ・プロテッタ(Denominazione di Origine Protetta)で
名乗ることは厳しく管理されている。
シシリアへ行った時に買ってきたが、シシリアでも作られており、
これをペッコリーノ・シシリアーノという。

まずは、ペッコリーノをおろす。

こんなもんでよかろうか。

玉子は二個。

おろしたペッコリーノの中で割りほぐす。

ブラックペッパー。仕上げにも入れるが、
ここにも、電動ミルで挽きながら、入れる。

今日は入れないが、生クリームを入れる場合はここ。

パンチェッタ。
ちょっと細めに切る。

パンチェッタというのは私も初めて使う。

香りもそうだが、これ、ようは生ハム、で、ある。
豚バラの。
だからなんだということもないのだが。

脂を出しながら、炒める。

どのくらい炒めればよいのかちょいと加減がわからぬが、
ベーコンのつもりで、脂が出て、軽く焦げ目が付く程度。

ここで止めて、スパゲティーを茹でる。

アルデンテに茹でて、湯を切り、
炒めたパンチェッタのフライパンに移す。

ここに先ほど用意をした玉子+おろした
ペッコリーノを投入。

このままだと、フライパンは既に冷えているので
玉子は生のまま。

火を入れるのだが、温度が上がりすぎると、
炒り玉子になってしまう。

もっとも、玉子を生、あるいは半生で食べる習慣があるのは
日本だけ。本場イタリア、ローマでも火を通してしまう方が
多いと思われる。

だがやはり、日本人は半熟が好き。
トロトロを目指す。

ガスの火をつけると、フライパンは当然熱くなる。
ただ問題は、急に温度が上がること。
フライパンに接しているところだけ、半熟を
通り越して、急激に固まってしまう。

点火し、温度の上がってくるのを待つ。
温まってきて、ある点を越えると急に固まる。
この時、慌てず、すぐに火を止め、五徳からもフライパンを
はずして、予熱だけで手早く混ぜる。

まあ、これで大方はトロトロになる。

温度が足らなければ、もう一度、点火。
細心の注意を払って、温まりはじめたら、再度火を止め、
混ぜる。

OK。
仕上げに黒胡椒をたっぷりかけて、
混ぜて、味見。
ペッコリーノは塩分が多いので、塩はなしでOKである。

出来上がり。

盛り付け。

ビールをあけて食べる。

さて、どうであろうか。

トロトロ加減は上々。
初めてペッコリーノ・ロマーノを使ったわけだが、
クラフトのパルメザンチーズなどとは、違う。
かなり濃い感じ。コクと香りが違う。

パンチェッタも先に書いた、ねっとりした生ハムのような
味と香り。
ペッコリーノと合わせて、濃厚なカルボナーラに
仕上がった。

これ、おもしろいかもしれぬ。
ただ、ペッコリーノもパンチェッタももう少し安ければ
の話しだが。

 


 


断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 |


BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016