断腸亭料理日記2016

茶碗蒸し

2月5日(金)深夜

金曜、夜中の料理。

茶碗蒸し、で、ある。

なぜ夜中に茶碗蒸しを作ろうというのか。

いや、たいしたわけでもないのだが、
夜のTVでやっていたもの。
銀座の[吉宗(よっそう)]で森三中の三人が名物の大きな茶碗蒸しを
食べていたから。

茶碗蒸しというのは、うまいものである。

嫌いな人というのも、あまりいなかろう。

東北やら北海道へいくと、砂糖が入るところがある。
内儀(かみ)さんの出身は北海道なのだが、
小樽かどこかの鮨やで出てきたものが、
甘くて、大層驚いたが、内儀さんに聞けば、
“あたりまえ”であるという。

ともあれ、作ってみよう。

私にとっては、玉子料理は鬼門。

レシピを調べて、レシピ通りに作ろう。

プロのレシピがよろしかろう。

まずは出汁を取る。

鍋に出汁の量+αの水を張り、昆布を入れ、軽く加熱。
沸騰前に火をとめて置いておく。

玉子を三個、丁寧にほぐしておく。

ん?

ありゃ、間違えた。

玉子は三人前、二個であった。

仕方ない、出汁を増やそう。
400ccだったので、600ccだ。水を足し増やす。

30分ほどおき、昆布を出し、再度加熱。
鰹削り節をたっぷり。

弱火で3分ほど。
火をとめ、鍋ごと冷水に入れて冷やしておく。

さて、具、で、ある。

なにもないが、冷凍してある買い置きの鶏もも肉、
野菜室にあったスナップエンドウ。

鶏肉を解凍。

小さめの一口に切る。
酒をまぶしラップをし、レンジで酒蒸しにしておく。

エンドウは両端を切ってラップで包み
レンジ加熱、2分弱。
冷水に放し、細く切っておく。

出汁も冷えた。
600ccをきちんと量り、玉子に加える。

かなりゆるい感じ。
これが正しいのか。
よく、すが入るのは、濃すぎるということなのかも
しれない。

よく合わせ、しょうゆ小さじ1.5、塩一つまみ、
レシピはみりんだが、切れているので
日本酒小さじ1.5。

茶碗蒸しの器に具を入れて
玉子を注ぐ。

三つと少し余ったので小さな湯呑に入れる。

蒸し器に水を張り、沸騰させる。
蒸気が上がったら、器を入れふたをする。

中火。タイマーで計って7分。

さらに弱火にし、3分。
これもきちんとタイマーで計る。

ふたを取る。

お!

なかなかよい感じである。

すも入らず、柔らかそう。


鶏の脂が出ているのもよい感じ。

ビールを抜いて、食べる。

なかなかよくできた。
ちゃんと出汁も取ったし、レシピ通りの
配合にした。

やはりちゃんと量れば正しくできるのである。

結局、三つと少し、全部食べてしまった。

さて。

最初に書いた、銀座の[吉宗]。

大きな茶碗蒸しが名物であるが、
ここのHPを見ていると、茶碗蒸しの起源が
書かれていた。

それによれば、寛政年間に京大坂で生まれ、
その後に広まったという。

この[吉宗]自体は、長崎が本店で、
茶碗蒸しと蒸し鮨が看板である。

長崎といえば中華料理に影響を受けた
卓袱(しっぽく)料理が有名で[吉宗]でも
食べられるようである。
茶碗蒸し自体も卓袱料理を構成する重要な
一つといってよいのか。

玉子が安く出回るようになるのは、
明治末から大正以降で、江戸期には
まだまだ高級品で、茶碗蒸しも、例えば江戸などでは
高級料理、たいへんなご馳走であったのではなかろうか。

[吉宗]の創業は慶応2年で、この店が
茶碗蒸しを看板に店を始めたというのは、
この当時既に長崎では茶碗蒸しが一般に
よく食べられる料理になっていた、ということ
と考えてよいのかもしれない。







 

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