断腸亭料理日記2016

鳥越祭2016 その3



引き続き、鳥越祭。

今年は、元浅草の東側中心付近をまわる連合渡御、二周目に入る。


またまた阿部川町の四つ角。

 

今度の停止でいよいよ、鳥越祭の見せ場、提灯に火が入る。

三社などでも、宮入で夜になってしまうことは
あるのだが、最初から提灯を用意し火を入れて担ぐのは
鳥越以外にはないと思われる。
それで、鳥越の夜祭などともいわれている。

なぜ、鳥越だけ夜担ぐのか。

鳥越の氏子町は職人町が多く、仕事を休めないので
夜担ぐことにした、という理由も聞いたことがあるような気がするが
はっきりしたことはわからない。
(どなたかご存知でしょうか?。)

提灯を神輿に取り付けるのは鳶の方で
火を入れるのは祭主体の睦(むつみ)の方と、
細かいところだが分業されているのがおもしろい。

 

鳶頭と書いて、カシラと読むのはご存知であろうか。

余談だが、私は内儀さんと書いて、カミさんと読ませている。
内儀はむろん、読みはナイギで古くは関西で町人の奥さんの敬称であった。
また、御内儀と御をつけて身分のある人の奥方にも使われている。

「内儀さん」や「鳶頭」は、例えば、落語を文字におこしたりする
場合の表記などによく使われていた。

お内儀さんと書いて、おカミさんと読ませる。

鳶頭も内儀(かみ)さんもむろん当て字(?)で現代であれば
誤用と思われるであろう。
(これ、実際に読者の方から指摘されたこともあった。
もちろん、知っていて使ってますよ。
昔はこういう使い方をしていたんですね。
談志家元の書いた落語全集など読めば、こういう使い方を
しています。)

ともあれ。
鳶は江戸の頃は、火消であり、かつ、町内の種々の土木工事、
大店に出入りして、その家のお抱え作業員。
落語にも定番キャラクターとして登場してくる。
呼び名は鳶頭(カシラ)。

鳶+頭で、ある程度の敬称の意味が込められていたと
思われる。
実際に火消の組織上の組頭(くみがしら)といった役職の人
であるかどうかは、別の話しであろう。
年嵩(としかさ)の鳶を町内の人は、鳶頭(かしら)と呼んでいた。
そういうことであろうと思っている。

ともあれ。
神輿の組み立ては、鳶頭の仕事。
巡行中は、ウマといっている神輿を置く台を運んでもいる。
(この技はすばらしい。)
鳶頭は、町内の様々な雑用に今でも働いているのである。
特に祭のときには大活躍である。
(他に目にするのは、正月の門松、注連飾りなどの準備も彼らがしている
ところが多いと思われる。)

 

各町の神輿の提灯にも火が入り、順次、担ぎ始める。

 


提灯はLEDでもなく、ろうそく。
コンパクトデジカメではきれいにはなかなか撮れない。

最後の集合。


各町の高張提灯にも火が入って、きれいなものである。
お疲れ様でしたと、手締め。

再度、担ぎ始め。


ここからは一基になって担ぐ。
薄暗い細い通りをただ一基は、ちょっとさびしい。

だめだ。

疲れた。

途中、路肩の自販機でビールを買って呑んでいたり、
トイレには行きたいし、で、途中離脱。
帰宅。

皆様、お疲れ様でした。


さて。

翌日。

今日もよい天気。

気温も上がるか。

日曜は本社神輿の氏子町内巡行である。

当町は夕方。

午前中から、お囃子と隣町の町神輿の声も聞こえる。

 

これは永住町。

昼すぎまで、仕事とこの日記書きなど、
日曜にやるべきことを片付ける。

冷蔵庫にあった肉を焼く。


内儀(かみ)さんが買っていた、ハナマサの
アンガスビーフの半分。

祭、で、ある。やっぱりビールも。

担ぎ手の集合時刻に、支度をして、町内の神酒所まで
行ってみる。


おわかりになろうか。
札が立っている。

神輿というのは棒を担ぐのであるが、
町会、同好会、など所属毎にその棒毎に列を作っている。
前棒、後棒、左右二本ずつ、都合八本、八列ということになる。

町会神輿は、今年の仕事は終了。

 

清洲橋通り。


ここが今年の隣町からの受け渡し場所。


つづく


 

 


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