断腸亭料理日記2016

京都駅・蕎麦・松葉

5月27日(金)昼

午前、滋賀出張。

すぐにとんぼ返り、東京に夕方戻る。

昼は、、、?

京都駅で駅弁を買って新幹線車中で食べようか。

いや待て。

30分程度あれば、蕎麦が食える。

ちょっと遅らせて、コンコースにある
[松葉]にしよう。

[松葉]というのはご存知の方も多かろう、本店は
私もなん回か足を運んでいるが、京都四条大橋東詰にある
歌舞伎も上演される南座に入っており、にしんそばを看板にしている。

京都の蕎麦といえばにしんそばというくらいにした、元祖の店。

創業は幕末、文久元年(1861年)という。

文久元年の創業といえば、私などは
浅草のうなぎや[色川]を思い出す。

幕末、風雲急を告げていた頃。

1月(万延元年12月4日)に米国総領事館の通訳、
ヒュースケンが芝で薩摩の尊皇攘夷派藩士らに
襲われ殺害されている。

改元はこの年の3月(文久元年2月)。

幕府の公武合体運動が実り、皇女和宮が将軍家茂へ
降嫁のために京都を立ったのが11月(文久元年10月)。

一方、歌舞伎では、かの黙阿弥翁の名作「白浪五人男」が
翌、文久2年3月(1862年3月)に江戸市村座で
初演されている。


三代目豊国 江戸市村座『青砥稿花紅彩画』
(あおとぞうし はなの にしきえ)『稲瀬川勢揃いの場』
「日本駄右衞門 三代目關三十郎」「赤星十三郎 初代岩井粂三郎
(=八代目岩井半四郎)」「南郷力丸 四代目中村芝翫」
「忠信利平 初代河原崎権十郎(=九代目市川團十郎)」
「弁天小僧菊之助 十三代目市村羽左衛門(=五代目尾上菊五郎)」
Wikipedia

こんな時代にも庶民はたくましいというべきか。

実際のところ、京都にしても、江戸にしても
物価の暴騰、戦乱を避けて人口の減少などが
起こっていたのではある。
逃げる人、残る人。
この頃の庶民感覚、なんとなく、ではあるが想像できる気もする。

ともあれ。

京都駅新幹線コンコースの[松葉]。

12時20分頃、入ると

おいでやす〜。

ここは京言葉で迎えてくれる。
商売用かもしれぬがよいものである。

腰掛け、品書きを見る。

少し前にも昼、ここに入り、親子丼と
温かい蕎麦のセットを食べており、ご飯ものもある。

なににしようか。

盛そばもある。
カレーうどんはあるようだが、さすがにカレーせいろは
ないか。

ん?

看板のにしんそばの冷やしがある。
ぶっかけか。

以前からあったのか、わからぬが、試してみようか。

冷やしのにしんは、とろろか、おろしの二品。

とろろの方を大盛で頼む。

きた。


身欠きにしんの甘露煮にとろろ、うずらの卵。
青海苔。

つゆは徳利に入って、別。

薬味は、わさびと青ねぎ。京都風に九条ねぎか。

アップ。


つゆの濃さがわからぬので、徳利の5〜6割入れて、
とろろもにしんもともに、よく混ぜて、食べる。

ん!。
やはりこれでは私には薄い。

つゆは全部入れてしまう。
OK。

京都の温かいかけのつゆは、色の薄いものだが
盛用のつけ汁は、濃いもので東京のものと
かわらない。

ただしょうゆの勝った私の地元、東京下町と比べると
しょうゆも薄く、多少甘め。

そばはシャッキリ。

大盛にしたので、かなりのボリューム。

にしんの甘露煮も食べでがある。

食べ終わると、
お茶が差し替えられる。

お茶も飲み終わる。

立ってお勘定。

ご馳走様でした。

おおきに、ありがとうございますぅ〜。







松葉

京都駅2階 新幹線コンコース内
(075)693-5595



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016