断腸亭料理日記2016

2016年・浅草三社祭と水口食堂

5月15日(日)

さて。

15日、日曜日。

浅草、三社祭。

私の住んでいる元浅草は浅草と名前がついているが、
三社様、浅草神社の氏子ではなく、隣の鳥越神社の氏子で
お祭りは鳥越祭。

この界隈、東京下町のお祭りのほとんどは
毎年初夏のこの時期で、一週おきにどこかで
神輿が出ている。
我々の鳥越祭は例年最後で、6月に入ってから。

東京下町のお祭りの中でも、三社祭は
東京どころではなく、日本中から担ぎ手が集まり、
ナショナルブランドといってよいのであろう。

毎年、見物には行っている。

東京下町のお祭りのほとんどは、日曜日に
神社の神輿である、本社神輿を氏子町内を引き継いで担ぐ。

三社祭は、一ノ宮から三ノ宮まで三基の本社神輿があり、
それぞれ地区を分けて担がれる。

拙亭から真っ直ぐに東に向かうと寿町で、
このあたりは三ノ宮の神輿。

3時頃、ぶらぶら出かける。
天気もよい。


このあたりは繁華街でもないので、そうそう
見物客も多くはなく、いたって平穏。

ここから真っ直ぐ北へ浅草通りを越えて、雷門。

このあたりは町内神輿の姿もない。

さらに北へ。
雷門通り。
祭のために交通は止められているが、神輿はない。

さらに北、オレンジ通りに入って、新仲見世
舟和前。

いた。

お囃子を先頭に


浅草西町会。



西に折れて、六区の方に向かうと、


これは公園町会。

公園町会というのはちょっとおもしろい町会名だが
六区のあたりは、こういう名前。

明治になって、浅草の浅草寺周辺が
上野公園のように一括して「公園」に指定された。
その中を、1区から順に番号付けられたわけだが、
その六区だけ名前が残った。
つまり、浅草公園六区。
(六区というのは、オペラの劇場、映画館、寄席、
芝居小屋などなど明治、大正、昭和の東京の
エンターテインメントの最先端、最も栄えたところで
あったわけである。それだけ六区という名前が
人口に膾炙し、愛称として呼ばれ続けて、
今も続いているのである。)

さて。

どこかで、一杯呑みたい気分。

祭というのは、不思議なもので
別段、参加していなくとも、そこにいるだけで
呑みたくなる。

露店や、出店で買って歩きながら
呑んでもよいのだが、座りたい。

六区から北へ上がってひさご通りから、千束通り。
[末っ子]という中華料理やで
餃子とも思ったのであるが、きてみると休み。

祭の日は、なかなか難しいのである。
まっとうなところが祭参加のために(?)
休業していたり、やっていてもとても落ち着いて
座れる雰囲気ではないということも、多々ある。

観音裏からゴロゴロ会館。
結局また、浅草寺境内まで戻ってきてしまった。

そして、入ったのは、六区の[水口食堂]

ジャンルとしては、今はほとんど見なくなってしまった
“大衆食堂”といってよいと思う。

酒も呑めるが、各種定食がそうとうに充実している。

肉野菜炒め、コロッケ、アジフライ、マグロブツ、
肉豆腐、煮魚、焼き魚、その他いろいろ。

いつもの土日は店内のテレビで競馬中継が流れ、
ウインズにきている競馬客がわんさか。
それからなぜだか欧米系の外国人旅行者が数年前から多い。

実は、ここは先ほども通りかかったのだが、
とても入れそうにないので、あきらめたので
あった。

ぐるっとまわって戻ってきたら、空きがありそうなので、
入ったというわけである。

今日はもうなんだかわからない人々で一杯。
相席で座って、バラバラバラっと頼む。

マグロブツ。


奴。



栃尾の油揚げ。


ビールからレモンサワー。

こんな三社祭もよいものである。





03-3844-2725
台東区浅草2丁目4番9号
水口食堂






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