断腸亭料理日記2017

てりやきソースのステーキ

4月21日(金)夜

金曜日。

今日は、ハナマサでアンガスビーフのステーキ肉を買って
てりやきソースのステーキにしようと考えた。

実のところ、最近、遅ればせながら、
TV東京で放送していた「孤独のグルメ」をアマゾンプライムで
全シリーズを通して視た。

ほぼ一気に視たのだが、ご存知の方も多かろう。
五十恰好の雑貨輸入商、井之頭五郎が仕事で行く町々で
一人で飯を食うという、まあ、言ってしまえばそれだけの
話しなのだが、おもしろい。

松重豊氏が演じているのだが酒を呑めないというのが
一つの特徴なのだが、とにかくよく食べる。
そして、どちらかといえば、B級好み。

また、このドラマ、やはり肉が多い。

数えたわけではなく印象に残っているだけかもしれぬが
焼肉、中華など他の料理でも肉中心のものが
多かったのではなかろうか。

井之頭五郎役の松重豊氏がモウモウとした煙の中、
ワシワシと焼肉を白飯とともに口に
運んでいる姿がどうしても頭にこびりついてしまう。

それで、このところ肉が食いたくなっているのである。

特に直近視て、頭に残っているが、ステーキ丼。

ここからの発想である。

ステーキ丼自体を食べに行くという選択肢もむろんあった。

この「孤独のグルメ」だけではなく、昨今の肉ブームというのは
やはり顕著なものがあろう。
熟成肉なども現れ、希少部位を集めた店、焼肉や、ステーキや
に加えて、肉バル、なんというよくわからない新しい業態
ともいえるような言葉も聞こえてきている。
まさに肉レストラン花盛り。

一方、ステーキ丼だと、赤坂と新川の老舗洋食や[津々井]が
すぐに思い出されるが最近は、こて盛りの量を売りにしたところも
多く出てきている。

ニューウェーブは別にして、ステーキ丼といえば、
どちらかといえば、甘辛のいわゆる
てりやきソースであろう。

であれば、丼ではなく、飯抜きで
ステーキでもいいじゃないか。

いつもステーキに使っているアンガスビーフを
甘辛のてりやきソースで食べてみたらどうか、という
発想になっていったのである。

では。

てりやきソース、というのはそもそもなにものであろうか。

しょうゆベースの甘辛なのだが、やはり文脈としては
日本のものではなくアメリカなどで使われているものであろう。

日本だと、モスバーガーのテリヤキバーガー。

日本国内では、しょうゆの甘辛というのは、
むろん照り焼きに限らない。

特に、東京ではそばにしても、うなぎ、天ぷら(天丼)、
すき焼き、焼き鳥、鮨やの例の甘いたれ等々、
もう枚挙にいとまがない。味の基本といってもよかろう。
これがアメリカなどに渡って、テリヤキと総称された
のであろう。

また、しょうゆといっても、関西の薄口などではなく、
東京の濃口に限定してよいのであろう。
(まあ、レアだがたまりじょうゆも含まれるか。)

そういう意味では、モスバーガーのテリヤキは
逆輸入といってよいのかもしれぬ。

と、まあ、ここまで考えて、作る物の
方向が定まった。

モスのテリヤキバーガー風のステーキにしてはどうか、
で、ある。

なにかといえば、甘辛のたれに、レタスとマヨネーズ。
つまり、付け合せにレタスとマヨネーズを使うというもの。

モスバーガーのテリヤキバーガーは
おそらく創業の頃からある定番メニューで
もはや40年以上になろう。

マックなどでもテリヤキは思い出したようになん度も
出ている味だと思うが、やはりモスが定番。
不動のものであろう。
あの、レタスとマヨネーズ、甘めのてりやきソース
今でも文句なく、うまい。

さて、ソースはどう作るか。

油(脂)多めで肉を焼いたフライパンで酒、しょうゆ、
砂糖を煮詰めればよいだろう。

帰り道、ハナマサとライフでアンガスビーフのステーキ肉と
牛脂(ヘッド)、レタスを購入。
(ヘッドは只だが。)
レタスは今安いのか。あまり自分では買わないので知らなかった。
ライフで一玉130円。

帰宅。

まずはレタスをちぎって、水にさらしておく。
これは30分。

水を切って、冷蔵庫へ入れておく。

ハナマサのステーキ肉は大きいので半分。

ヘッドを2個入れ、フライパンで普通に両面、焼く。
ミディアム程度に。

肉を皿にあげて、フライパンにしょうゆと日本酒、砂糖を投入。
いわゆるたれなので、砂糖はかなり多め。

煮詰める。
ただ、鮨やの甘いたれや焼き鳥のたれほどだと甘すぎると思い
それよりは、ずっと手前でとめる。

盛り付け。

アンガスビーフだが赤身で、うまみがある。

さすがに世界に冠たる濃口しょうゆのあまから、
アンガスビーフにも合わないわけがない。

そして、なんであろうか、これは。
ハンバーガーでなくとも、やはりレタスと
マヨネーズと、しょうゆの甘辛は、やっぱり
うまい。
モスバーガーおそるべし。





 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 |



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016