断腸亭料理日記2017

浅草・レストラン大宮 その2

ちょっと浅草のこと

引き続き、浅草のレストラン[大宮]。

オプションで頼んだ、カップ入りのスープ。

これはクラムチャウダー。
上には膜が張っており、パンがのっているが。
かなり濃厚でうまい。

クラムチャウダーというのはどこの料理であったか。
確か、アメリカの北部東海岸の名物であったという記憶があった。
であればオリジナルは、イギリス?とも思って調べてみると、
実際にアメリカのボストンやら、ニューイングランド地方発祥とのこと。
キャンベルの缶のイメージが強いが、なにが違うのか、
これはことのほか濃く、秀逸。

温まる。

さて、いよいよメイン。

ステーキ、で、ある。

付け合わせは、ステーキには定番のクレソン。
それから、ジャガイモとオニオン?。
ジャーマンポテトということか。
玉ねぎがカリカリ、香ばしくてうまい。
にんじんとブロッコリー、いんげん。

肉は、和牛。

切ってみる。

中は赤い。

ソースは黒トリュフと説明された。
トリュフはいわずと知れたフレンチの高級食材で
きのこであるが、実際のところ、私自身はぴんとこない。
わからないといった方が正しい。
むろん、それはわかるほど食べた経験がないから。

だがこれはデミグラスソースにトリュフが入っているのかもしれぬが、
かなり濃厚。

肝心の肉の方。

ソースがかかっており、わかりずらいが、
おそらく見事な霜降りなのであろう。

これがデミグラス風のソースと相まって、、、
はっきりいって、かなり脂っこい。
むろん、最初からこういう設計なのであろう。
若者好みということか。

いやいや、違う。

余人ではない、大宮シェフである。
そんな設計はすまい。

そうだ。
これ、もしかすると、ご飯に合っている?。

パンではなく、ご飯に合う料理。

そうである。
それならば、むしろ、この脂っこさもうまかろう。

以前はこの店、大宮シェフの目指す方向は、
洋食というよりは、フレンチ?というイメージがあった。
(俺は、下町洋食ではないぞ、的な?。)
最近そういえば、きていなかったが、方向性が
変わったか。
いや、それならばそれで、大歓迎ではある。
ただ、今日はフレンチのつもりで、オードブルの時点で
出てこないパンを頼んで出してもらったりしていたが、
やはりここ、メインとともにご飯を出すのが、
通例なのである。

デザート。

美しい盛り付け。

ブッシュド・ノエル。

これも定番、フレンチのクリスマスケーキ。
フランスの本物がどんなものか、私にはわからない。

左上にあるのはきのこのイメージか、メレンゲを焼いたもののよう。
サクサク。
赤いのはいちごではなく、ラズベリー。

甘すぎず、おいしゅうございました。

コーヒーを飲んで、お会計。
コースが7,500円程度。

ご馳走様でした。

さて。

店を出て、またまた伝法院通り東側。
まだまだ人通りは多い。

右、仲見世の方に曲がって、角から二軒目に目立たないが
[栃木家]さんという豆腐屋さんがある。

前に、この表、馬道にある[美家古寿司]
お稲荷さんをここで買ったことを書いたりしている。

この豆腐屋さん、大宮シェフのご実家。
(ご本人がメディアでも話されているので、秘密のこと
ではないだろう。)
つまり、大宮シェフはご実家のすぐそばにレストランを開いていた
ということ。

また、大宮シェフは豆腐屋さんからフレンチ、洋食の
シェフになられたということである。

この[栃木家]さんは明治20年創業で当代で
五代目だそうな。(ご主人は大宮シェフのお兄さんということか。)
立派な老舗。

同じ浅草でもこのあたり、弁天山[美家古寿司]さんなども
入れてなんとなく、人々が温かいように思う。

仲見世、新仲、六区、すし屋通り、ひさご通り、
オレンジ通り、ホッピー通り、、、伝法院通り西と東、、。
まだまだあるが。

最初に書いた、浅草寺をコアに取り囲む四本の通りの内側。
狭いようだが、意外に広い。
通り毎に、集まっている業態も違えば、雰囲気、人情も随分と
違っている。その背景は江戸の頃から通り毎に違う歴史を
持っているから。
仲見世には仲見世の江戸からの歴史、奥山といわれた六区から
花やしきあたりはまた違ったものを持っている。

東京でも一つの街でこれだけバリエーションに富み
かつそのそれぞれが個性的であるところは他には少なかろう。
一時は訪れる人も減っていたが、ここ数年、
観光客も含めて賑わいを多少は取り戻しつつある。
より魅力的に唯一無二の街に磨きがかかることを
願っている。






レストラン大宮




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