断腸亭料理日記2017

浅草寿・とんかつ・すぎ田

2月10日(日)夜

日曜日。

夜は内儀(かみ)さんの希望で、
浅草寿のとんかつ[すぎ田]。

歩いて5〜6分。ご近所といってもよい近くの店で、

もっとも有名な店かもしれない。
このところ、ミシュランのピブグルマンには
継続して選ばれているようである。

一応、5時に予約をして出る。
むろん、歩き。

ちょうど拙亭の前から真っ直ぐ東。
新堀通りを越えて、寿の出張所をすぎて国際通り。
右に曲がって、春日通りの交差点手前左側。

5分前であった。

入ってしまう。

名前をいって、カウンターに掛ける。

と、我々の後から、どんどんとお客が入ってくる。
なかなかなもの、で、ある。
一人のお客、夫婦のお客、家族のお客。

ビールをもらって、品書きを見る。

大きな海老フライとロースカツと、ロースソテーと
判で押したように、いつも注文は決まっているのだが、、、、。

お!。

カキフライがある。

ここでカキフライを見るのは初めてではなかろうか。
そう。
数日前、上野の[ぽん多]で食べたばかり、ではあるが、
ここの初物、ぜひ試して見ねばなるまい。

いつもの海老フライをカキフライに変更。

カキフライ、ロースカツ、ロースソテー。

一時にお客が入ってきたので、
てん手古舞。

別段、急ぐ身でもなし、ビールを呑みながら
ゆっくり待とう。

頑固親爺を絵に描いたような、先代が亡くなってから
もうなん年たったのであろうか。

もうほぼ、二代目の店になっているといってよい。

先代の頃、私がここにくるようになってからは
新しいメニューなど見たことはなかった。
今シーズンから、カキフライを始めたのは、
二代目にも余裕が出てきたということなのであろう。

二代目とその女将さん、そして先代の女将さん、
それにお姐さん二人。

二代目はこの店で育ったのであろうし、
女将さんも浅草育ちのよう。
気取らない下町浅草の空気が家族からは漂っている。

確か、先代は浅草の人ではなかったと思われる。
この空気はもしかすると、先代存命の頃よりも
強いかもしれない。

カキフライから。

これはカツを揚げる二つの油鍋とは別の三つ目の揚げ鍋で
揚げていた。
カツとはまた違った油温なのであろう。

先日の[ぽん多]に負けず劣らずの大きさ。
揚げ色は少し濃い。

これもやはり塩で食べる。

味も負けず劣らず。
満を持して投入の新メニュー、面目躍如といったところであろう。

ロースかつ。

ロースソテー。

ロースソテーから。

しょうゆに、洋酒、ウイスキーであったか、
そしてバター。

かなり濃厚な味付け。
かわらずうまみにあふれている。

ロースカツ。

これはちょっと切り方が太くなっているのではなかろうか。

昨年の4月のこの日記の写真を見てみると、
同じ10切れに切ってある。
記憶違いか、と、さらに一昨年のを見てみると、
やはり10切れに切ってあるのだが、やはり微妙に細い。
と、いうことは、肉の大きさ自体が、違う、ということになる。

誤差の範囲、ブレなのか。
もしかすると、肉が少し大きくなっているのかもしれぬ。

ともあれ。

先代から受け継いだカツをもはや十二分、100点満点に
美しく揚げているのではなかろうか。

食べている途中でも衣がはがれてくるようなこともなく、
よい状態をキープしている。

肉の旨みも十分。

ご飯が、運ばれ、豚汁。

改めてよくよく味わってみる。
なん種かの味噌を合わせている可能性は高い。
実に濃厚。

生姜の風味も感じられる。

飯も江戸っ子好みの堅めの炊き上がり。

うまかった。

ご馳走様でした。

おいしかったです。
カキフライも。

若返り、店の雰囲気も二代目のキャラクターになってきつつ
あるのであろう。

これから[すぎ田]のとんかつのよい変化に
大いに期待したい。




台東区寿 3-8-3
03-3844-5529




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