断腸亭料理日記2017

八山通り〜

五反田・カレー・ホットスプーン その1

2月8日(水)昼

五反田の昼飯。

前から気になっていた、牛すじカレー。
昼時、いつも店前に行列ができている。

場所は五反田駅東口から右手側の通りを行った左側。
三井住友銀行の隣に江戸甘味噌を取り寄せてしまった
味噌やの[坂本商店]があってその隣。

前に一度書いたわんたん麺の[広州市場]の手前。

この東口駅前から右手側に通っている通り、
八山(やつやま)通り、あるいはソニー通りという。
もう3〜4年も五反田にいるのだが、私は
知らなかった。

この通りは駅前から徐々に坂になり山手になる。

この山手左側は島津山、明治の頃、島津家の屋敷が
あったのでこの名前が付いている。
今は、清泉女子大。

そしてそのまま東、品川駅方向に進み御殿山の信号。
このあたりはソニー本社他、ソニー関係の
ビルが集まっていたのでソニー村ともいわれていた
ようだが、それでこの通りはソニー通りともいう。
(ソニー本社は今は品川駅の向こう側。)

現代の地図


そしてJRにぶつかると左にカーブし、右が新八山橋で、
第一京浜に合流。すぐに八山橋。そのまま真っ直ぐいくと
JRの品川駅。
ソニー通りは八山橋あたりまでといってよいのだろう。

もう一つの名前の、八山通りはさらに続く?。

八山橋の交差点を右に曲がり、八山橋を渡ると、
そのまま南下。旧東海道と並行する海側の通りになる。
これが目黒川にぶつかるまでが八山通りということに
なっているようである。

八山橋を境に通りとしては繋がっているような
いないような、おそらく別の通りといった方が
自然であろう。だが、どちらも八山からの通りなので
八山通りというのはリーズナブルであろう。

名前の八山、

これはなにか。

江戸の地図も出してみよう。

今の八山橋のあたりの山側が八山といってよいのか。

浮世絵も。

三代目豊国(初代国貞)の東海道品川。

右側に見えるのが、八山であろう。
そしてその左に品川宿の家並みも見える。

この付近は八山下と呼ばれていたとところか。
桜が植えられていたのか、花見をしている。
江戸期でもずっと以前の1700年頃までここに
お堂があったといい、桜があって、花見をするような
スペースがあったのであろう。

この八山の高さ、かなり誇張して描いているとは思われる。

八山というのは名前の通り小高い山であったが
江戸期に既に護岸工事用の土砂を取るために
崩されていたという。
(時期はよくわからぬ。ひょっとすると
上の三代目豊国の絵は幕末近い頃なので、ないものを
描いているかもしれない。)

崩されてはいたが、ランドマークとしての
八山の名は現代まで残っているわけである。
品川宿の入口であり、ここに古くから船着き場などもあったようで
わかりやすいランドマークであったのであろう。

さて、絵でも江戸の地図でもわかるが、
八山の脇に東海道、そしてすぐに海である。

そしてその先の品川宿もすぐに海。

現代ではまったく考えられないが、芝の田町
あたりから東海道のすぐ脇が海であったのである。
(ここから北の第一京浜はほぼ旧東海道と
思ってよろしかろう。)

落語「品川心中」でも描かれるが品川宿の女郎や。
ご存知かと思うが品川宿などの江戸から一つ目の宿場は
宿場とは名ばかりで、旅人を泊める旅籠よりも
吉原と同様の女郎やが軒を連ねていたのである。

その品川の女郎やの海側の庭からすぐに桟橋が
あり、海に出られたわけである。

さて、余談ついでに、御殿山のこと。

先に書いた、ソニー本社があった“御殿山”交差点、
すぐ南に御殿山小学校と、このあたりまで、御殿山と今は
呼ばれている。しかし、本来は江戸の地図に記した御殿山の
場所が御殿山。
中心はもう少し南東である。

今は、御殿山ヒルズ、東京マリオットホテルとさらに
その南側一帯。

ここは元禄の頃まで、将軍の鷹狩り用の御殿が
あったので御殿山。これが火災で焼失し、
そこに吉野桜が植えられたという。
頂上に登ると見晴らしがよく、海もすぐそばに見え
行きかう舟、上総房州まで見える眺望のよさで
人気であったという。

さて、さて。

五反田の牛すじカレーの[ホットスプーン]であった。

実のところ、この寒い時期には汗をかく辛いものは
あまり食指がそそられない。

駅前の毎度お馴染み、広東料理[亜細亜]が休みなので
行列であるが、並んでみたのである。




つづく






品川区東五反田1-14-8 KCビル1F
03-3441-1552


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