断腸亭料理日記2017

自然薯のこと

2月17日(土)

さて、土曜日。

先般、東海道丸子宿[丁子屋]さんから
届いた自然薯を堪能したが、あれに味を占めて
またまた、自然薯、取り寄せてしまった。

私自身、いわゆる“取り寄せ”というのは、
以前はあまり積極的にはしてこなかった。

もちろん、送料も掛かって割高。本来であれば、
食べたければ、そこに行くべきである、というのが
持論であったのである。

つまり、地方の名産などはその地の空気や土や海から、
そのものだけ切り出して東京に持ってきても、本当の
よさはわからない、と思っていた。

これは今でも大筋はその通りだとは思うのだが、
宅配便の送料が以前に比べると、格段に安くなったこと。
(それがまた問題になったが)。
産地のことを考えると、行くに越したことはなかろうが、
購入し、送ってもらうだけでも、ためにはなっている、
決してわるいことではないではないか、ということ。
そんなことで、まあよしとしようか、と今は考えている。

さて。

今回、購入したのは、九州のとあるところのもの。
二本で2,800円(送料込み)。

相場か。

まず一本、とろろ汁。

鰹削り節で濃く出汁を取って、ベランダに出して
冷やしておく。

ひげ根を例によって、ガスで焼き切る。

そして、おろし金でおろす。

ん!?。

自然薯なので、粘りの強さもすごいのだが、なんだか黒い。

[丁子屋]さんが送ってくれたものは、白くこんなではなかった。

はて、泥がついていたわけではないし、
ひょっとして、ものがイマイチ?。

皮をむくべきであったか?。

ともかくも一本おろす。
ここに冷やした出汁、全卵、しょうゆ、酒、わさび。

黒っぽいので、見た目も今一つ、なのだが、
味見をすると、こころなしか、あくが強いようだが、
ほぼ自然薯の味か。

あくの強さでちょっと濃いめの味付けに。

大丈夫かな。

不安だが、これで一杯。

意外にまあ、普通に食べられる。

だがしかし、食べているうちにやはり段々に、
あくの強いのが、気になり始めた。

本当に、これ、食べていいの、といった
疑問というのか不安も出てくる。

ん!、そうだ。

そばにしようか。

山かけではなく、つけとろの方。

乾麺のそばを茹でてみた。

とろろに既に味がついてるがそばつゆに入れた。

ん!?。

あーなるほど。

これ、粘りが強すぎる。
むろん最初に出汁で伸ばしているのだが、それでも
まだまだ強力な粘り。
つまり、そばにからみにくいのである。

そうであったか。
そばやのとろろは、長芋、あるいは大和芋あたり
の方がむしろよいのか。

一応のところ、食べ終わる。

ただ、この自然薯の黒いとろろ、もう一本あるので
調べてみた。

やはり“あく”のよう。
よくわからぬが、ポリフェノールという説もある。
ごぼうなどと同様か。

自然薯は種類や採れたところによって、
皮ごとおろすと黒くなるものがあるのは一般的なこと
らしい。全く知らなかった。

最近、ごぼうなどもあく抜きをせずにそのまま
食べることが推奨されている。
身体に良いというので。

ただ、どうなのであろう。
ごぼうも然りだが、味と身体によい、のどちらを
取るのかという問題か。
あるいは、ごぼうならあく抜きをしなくとも
うまく食える方法があるのか。

または、ある程度慣れの問題もあるか。

例えば、ふきのとうの味噌煮など私は好きなのだが
かなり苦いし、エグミもある。
だがそれがうまい、ということを認識している。

慣れる、べきなのか、、、。







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