断腸亭料理日記2020

箱根塔ノ沢・福住楼 その2

引き続き、箱根塔ノ沢温泉の[福住楼]、
一日目の夕食のつづき。


焼き物、サラダときて、
揚げ物。

かき揚げ、で、あるが、桜海老が入っている。
やはり、桜づくし。
うまい。

煮物とご飯。

煮物は、魚。
鰆のようである。
揚げだしだが、おろしが入り、みぞれおろし。

ちょうど桜花が咲いたところ。
桜づくしの演出がよかったし、もちろん、うまかった。

少ない客でも腕を振るっていただけたことに
感謝しなければいけない。

飯が終わってしばらくすると、仲居さんと番頭さんが
布団を敷きにきてくれる。

今、日本旅館で布団を敷いてくれるところ、というのは、
どれだけあるのであろうか。
その敷き方も手慣れたもので、美しい。
もちろん、人件費もかかり宿泊費用に入っているわけだが、
日本旅館の残ってほしいサービスの一つだと思う。

そして、ポット。
ここはお湯と、もう一つ、冷水を入れてくれたものを
置いておいてくれる。
この水が、うまい、のである。
氷は入っているが、特別なものではなく、ここの水であろうが、
湧水なのか、清水なのか、箱根の山からの水であろう。

東京の水道水もまずくはなくなったが、さすがに
そのままは、あまり飲みたくはない。
ここの水は、まさにガブガブと飲める水である。

さて。

翌朝。

朝食は、8時半にお願いした。

30分前に、布団をあげにきてくれる。

朝飯。

左上の焜炉(こんろ)。
一日目の朝飯には、湯豆腐が出る。
これがよい。

鰺の開き。

小ぶりだが、脂がのって、水分の抜け具合もよい感じで、
うまい。

定番の焼海苔、味噌汁は、麩ととろろ昆布。

左下の小鉢は、昨日は生であったが、今朝は釜揚げのしらす。
ふんわり火が通り、これもうまい。

中央下の小鉢は、切り干し大根。
その上の塗りの器、丸い小鉢は煮豆、蒲鉾とわさび漬け。
右下は、きゃらぶき。

その左、出汁巻き玉子と昆布の佃煮。
香の物、ご飯。

旅館の朝飯というのは、品数としてはかなり多い。
それも、ここは、どれもうまい。
だが、昨夜もそうであったが、飯は控えて一膳。

大満足。

食べ終わって、下げてしばらくすると、
コーヒーも持ってきてくれる。

一泊であれば、ここで勘定なのだが、そのまま
ごろごろ。

これがなにしろ、よい、のである。

以前は、暮れに年賀状の宛名書きにきていたが、
今回は、なにもなし。
心置きなく、ごろごろ。

天気もよく、暖かい。

昼下がり。
車で出て、強羅まで。

よさげな洋食やを見つけたのだが、
きてみると、休み。

手近な、喫茶店、あるいは食堂のようなところに入ると、
これが大外れ。
観光地のかなり、曖昧な感じの店。
時節柄かお客は少なく、まったくやる気もなし。
しかたない。

登山鉄道は昨年の台風被害で不通が続いている。
強羅駅にもお洒落な赤い車両が停まったまま。

それでも強羅界隈には、春休みの大学生か、高校生か、
そこそこにぎわっていた。

さて、そんなことで、夜。

ここはいつもそうなのだが、一日目との比較である。
明らかに違う。
昨日の桜づくしに対して、今日はテーマ性はない。
まあ、お客は皆、一泊であることを想定しているから、
なのであろう。だが、こうまで違うものか、
という感じである。

中央は、わかさぎ南蛮漬け、右の小鉢は湯葉。
左がもずく酢。

お造り。

これはまあ、変わりようがなく、それぞれうまい。
鯛、中トロ、サーモン、平貝など。

焜炉は、ちょっと小さめだが、鮑。
バター焼き。

 

つづく

 


福住楼

 

 

 

 

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