断腸亭料理日記2020

台東二丁目・中華/とんかつ武井食堂

3月3日(火)第一食

さて、一度書いているのだが、台東二丁目の
[武井食堂]

拙亭のある元浅草からもさほど遠くはない。

台東二丁目というのもよくわからないと思うが、
新御徒町の駅から南に長く続く、佐竹商店街。
このアーケードのある商店街の南端に交わっている
東西の通りにある。
旧町名では、ここは竹町でよいのか。

佐竹商店街というのは、なん度か書いているが、
江戸期には、秋田佐竹藩の上屋敷があったところ。
もちろん、名前はこれに由来している。
明治になり武家屋敷が取り払われ、しばらくは
佐竹っ原と呼ばれる空き地であったが、その後
寄席や映画館もある盛り場になり、
今の佐竹商店街に続いている。
都心といってもよい場所でありながら、シャッター商店街
とまではいかないが、古い商店街のため閉めているところも
多いのが残念。なんとかならぬものか。

ともあれ[武井食堂]。

こちらは、佐竹商店街ではないので念のため。
商店街を出て右に曲がった向こう側。

丸に八というのが、なんであろうか。
暖簾には、中華そば、とんかつ、とある。
これもちょっと不思議。
だが、よい。味がある。

昨年の2月からお昼にくるようになり、
月に、2〜3回はきている。

もっぱら、かつ丼を食べに。
私、どうもかつ丼は、かなり好き、なのである。

とんかつを看板にしているので、あるだろう
と思ってきて、もちろんあった。

これがここのかつ丼。

文字通り、とんかつというメニューもあって
かつ丼でも、都度、ラードで揚げている?。

食べてみても、ラードである、という確信は
持てない。
ただ、かつ丼としては、もちろんうまい。

最近、かつ丼はラードでなければだめだ、
そばやはいけない、などと言っている人が
いるようだが、まったくなにをかいわんや。
ふざけてもらっては困る。
玉子とじのかつ丼の発祥は、早稲田のそばやである。
東京の郷土食といってもよいだろう。
そういう歴史を知らない人の言葉である。
ラードでも、ラードでなくとも、かつ丼はうまい、
のである。
まあ、もちろん個人の好みは否定はしないが。

ともあれ。

ここの壁に書かれているメニューを書き出してみよう。表記もそのまま。
とんかつ定食、串かつ、チキンかつ、鮭フライ、イカフライ、
白身魚フライ、アジフライ、かつ煮、コロッケ定食、おろしとんかつ、
ハムカツ、生姜焼、ポークソテー、ラーメン、カツ丼、からあげ丼、
親子丼、玉子丼、オムライス、ハムライス、ドライカレー、
カレーライス、カツカレー、目玉焼、オムレツ、野菜イタメ、
肉野菜イタメ、チャーハン、ソースカツ丼、ラーメン、ワンタン、
タンメン、、、やめよう。ここからは、中華の麺類が続く。
飛んで、餃子、シュウマイ、、etc.。

かなりのバリエーションである、なるほど、とんかつ&中華。

今日は、そんなかつ丼ではなく、オムライスを
食べにきた。
オムライスも、うまい、というのは聞いていた。

最近、私にはオムライスといえば、浅草の町中華[ぼたん]

であった。中華なので、ラードでケチャップライス。
これがうまい。

さて、ここはどうか。

スープ付き。

お気付きであろうか、オムライスの玉子のきれいなこと。
両端にちょっと折り目のようなものが付いている。
中華鍋だと思うのだが、どうやって焼いているのか。

スプーンを入れると、この玉子がかなり薄いことに気が付く。

そして、食べていくと、やはりこれも、ラードであろう。
こってり。

そして、これ。

お分かりになろうか。
ちょっとだけ見えている、スプーンにのっている肉。

豚であろうか、いや牛、ではなかろうか。

オムライスの中は、普通はチキンライス。
浅草の[ぼたん]もそうであった。

ラードと相まって、ずしんと、うまい。

絶対値として、というのも妙な言い方だが、
かつ丼よりも、上ではなかろうか。

基本、洋食やでは、私はオムライスはほとんど食べない。
フワトロ、よりもしっかり焼いた玉子の方が
好き、なのである。

このオムライス、流石、で、ある。

かつ丼や、にしてしまっていたのは、かなりの迂闊。

昼は、いつもお客が一杯。
もちろん、これだけメニューがあるので、
皆、様々なものを食べている。

とんかつ、洋食、中華、、、町の食堂と言っても
今どき貴重であるが、それ以上のものがある
[武井食堂]かもしれぬ。

 

 


03-3831-6267
台東区台東2-19-5 武井ビル 1F

 

 

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