断腸亭料理日記2021
2月22日(火)第二食
またまた、取り寄せシリーズ。
今回は「ソースかつ丼」。
なんだか食べたくなった。
ソースかつ丼というもの、どのくらいの方が
食べたことがあるのであろうか。
東京の者にとっては正直のところ、ほぼ
馴染はないのではなかろうか。
東京でかつ丼といえば、いうまでもなく、
玉子でとじたもの。
閉店してしまったが、早稲田のそばや[三朝庵]、
1918年(大正7年)が元祖という。(山梨説もあるようだが、
山梨から早稲田に伝播したとは考えにくい。別個のものであろう。)
それでであろう。東京の町のそばやには今も必ずある。
これに対して、ソースかつ丼というものが、全国にある。
それも広くあるのではなく、ぽつぽつと、市や町が
飛び地のように独立してある。
私が知っているのは出張で行った、福井県のもの。
これ、同じく福井の名物おろしそばとのセットの組み合わせ。
そばも、ソースかつ丼も、うまい。
行けば、必ず食べていた。
福井以外のソースかつ丼は食べたことがない。
この組み合わせ、福井のものが、日本橋本石町[ふくい軒]
で、食べられる。
福井以外でソースかつ丼は、埼玉秩父、群馬前橋、同桐生、
福島会津、長野駒ケ根、同伊那、山梨甲府、、なんという
ところに、文字通り、点々と分布している。
なんとなく、中部から東日本の山がちなところにも
みえるのではあるが、法則性までには至らなかろう。
前記の「かつ丼考察」でも少し書いているが、大正初期に
早稲田で玉子とじのかつ丼が生まれているが、この頃、
洋食やの豚のカツレツがブームになり、とんかつや
として独立した。以前はとんかつやの独立より後に
かつ丼が生まれたのでは、と私は考えていたが、
ほぼ同時期にご飯の上に豚のカツレツを載せたものが
たくさんできたと考えるのが正しかろうと今は思っている。
まあ、当時それだけ豚のカツレツが流行していたのであろう。
その一つが、ソースかつ丼だった。
のせてソースをかけるだけなので、まあ、これが一番簡単に
考え付く。これ以外にも、当時、デミグラスソースの
かつ丼だったり、様々なかつ丼が作られたと、
考えてよいだろう。
洋食人形町[小春軒]の例もある。
名古屋の味噌かつもその例か。
東京にもソースかつ丼はあったはずである。
だが、玉子とじのかつ丼の方がうまく、駆逐された。
そんな中で、地方で、なぜか残った地域があった。
それぞれたいした理由はなかったのかもしれぬ。
偶然の産物?。
独立分散しているのはそういうことではなかろうか。
ポイントはソースであろう。
日本中に地ソースという、その土地独自の味を持った
ソースメーカーがある。
元々ソースかつ丼は基本は、ウスターソースなのであろうが、
地ソースメーカーは、ソースかつ丼に合わせて、
ご飯に染み込んでうまい、ソースを開発していった。
今の一般的なウスターソースではご飯には少しからすぎる。
多少甘めの、ソースかつ丼に最適化したソースが
生まれた。その街に、もしかしたらソースかつ丼が残った
ということかもしれぬ。これはわからぬが。
そんなことで、ソースかつ丼用の地ソースを
取り寄せれば、家でソースかつ丼ができるはずだが、
ソースなので、安い。
カツとのセットがあったので、買ってみた。
会津のもの。
冷凍でかつとソースとのセット。
ソースだけ解凍し、キャベツの千切りを買ってくる。
今、キャベツはかなり安いが、余らせるのももったいないので
千切り。
ご飯を炊いて、冷凍かつを揚げる。
180℃固定で、よい色まで。
が、これでは冷凍なのでちょっと不安。一度温度を落とし、
長く火を通し、揚げあがりに向けて、再度温度を180℃まで
上げて、よい色にして揚げあがり。
サクサク切る。
衣が厚い。厚いので切りやすい。
炊き上がった飯を丼に盛って、キャベツ千切り。
ここに、先に、付属のソース。
切ったかつをのせて、もう一度ソース。
出来上がり。
でかい。会津には、ソースでかつを煮込んでしまう、
というのもあるよう。
ビールを開けて、食べる。
ん!?。
これ、かなり、甘い。
土地の名物なので、よそ者が四の五の言うべきものではない。
おそらく土地ではこれが、あたり前の味なのであろう。
今回、ソースが多かった可能性もある。
が、甘いものは、やっぱり甘い。
福井のものは、ここまでではない。
ウスターソースよりも甘いが、きりっとしていた。
ちょっと、名古屋の味噌かつの甘さを思い出す。
あれも、赤味噌ではあるが、私はかなり甘いと感じ、
名古屋在住時にも、食べなかった。
ともあれ。
こうなると、他地域のソースかつ丼用のソースも
気になってくる。
探してみようかしら。
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