断腸亭料理日記2022

赤酢の酢飯で小肌のにぎり鮨

4067号

4月9日(土)夜

今日は昨日の続き。

小肌を〆ていた。

塩をして2時間、酢洗い、半割りの酢に漬けて2時間。

その後、干す。

2時間後。

さらに、夜中。

かなり水分が抜けた。

このくらいになったら、ラップに包んで、
冷蔵庫へ。

翌、夕方。

下準備。
まずはいつも通り、飯台を水で濡らし
緩んでいた箍(たが)を張り、伏せておく。

小肌を冷蔵庫から出してみると、ラップの中で
かなり水分が出ていた。

ペーパータオルで拭き取る。

米を洗い、飯を炊く。
カタメモード。

小肌は半身でにぎり一つ。
皮目に十字の包丁目を入れてみる。

炊飯器が切れたら、8分の蒸らし。
タイマーで計る。

鮨酢を用意。
いつもの通り、飯一合で40t。
赤酢7:透明な穀物酢3の割合。

タイマーが切れたら、飯台に飯を取り、
鮨酢をまわし入れる。

大急ぎで混ぜ込む。

だいぶ暖かくなったので、真冬ほど急がなくとも
よいかもしれぬ。
だがまあ、手早く。

酢飯というのはおもしろいものである。
炊き立ての飯に酢を混ぜて、即席のすしにする。
いつ頃からやられるようになったのか。

元来、すし、というのは、ご存知の通り
ご飯と魚を漬け込み、発酵させたもの。
奈良時代には文献に出てくるという。
半島、大陸から伝わったのか。
伝わったにしても、もっと古いのかもしれない。
いわゆる熟(な)れずしである。
現代まである琵琶湖の鮒ずしなどはこの例。
時代とともに発酵させる期間を短くしたものも
出てくるようになったよう。

そして、酢をご飯に混ぜ込んで即席に酢飯にする
早ずしが現れるのは江戸中期という。
当初は押し寿司系のもの。
押し寿司も今はもそうだが、ある程度時間を置いて
熟らして食べるものである。
それをさらに簡易にした酢飯と魚を一緒ににぎり、
すぐに食べる、にぎりずしは、文政期の江戸で
生まれた。

ともあれ、酢を混ぜ込んだ即席の酢飯は
江戸中期には生まれていた。(ミツカン

ともあれ。
鮨酢を混ぜ終わったら、またまたタイマー、ここも8分。

その間に生わさびをおろす。

小肌は、生姜ではなくわさびである。裏に塗って、

にぎる。

そして、小肌にはおぼろも。
以前に芝海老から作った。 冷凍保存している。

おぼろがあれば、はさんでくれる江戸前鮨やもある。

わさびとおぼろ、半々。

この包丁目はどうであろうか。
よくよく見ると、もう一つ?

上から、しょうゆをたらす。
ビールを開けてつまむ。
アップ。

味は、よし!。
半割りの酢で〆ると、身の薄い小肌でも
ぎんぎんには〆まらないのである。
が、ちょうどよい。

半割り〆をやりはじめて、そこそこになると
思うがもう、安定しているだろう。

内儀(かみ)さんは、わさびよりも、
甘いおぼろの方がよいといっている。
酢〆の小肌と、甘いおぼろはよく合う。
ちょうど甘酢になる?。

私自身は、わさびも、おぼろもどちらも
よろしい。

しかし、包丁目は、まだまだ研究の余地が
大きいだろう。

 

 

 

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