断腸亭料理日記2022

足ティビチ

4093号

5月23日(月)夜

さて、足ティビチ、で、ある。
沖縄料理特集になってきた。

沖縄の豚足料理。煮込み。

沖縄の言葉で豚足はチマグーというらしい。
そして、その煮込みは足ティビチ。
足でないティビチがあるのかもしれぬが、
よくわからぬ。

ともあれ。
レシピはまた、農水省の「うちの郷土料理」が
見つかった。

一応、信用してこれでいってみようか。

豚足というのは、もちろん、縁がない。
日本でも豚足を伝統的に食べるのは、宮崎、
鹿児島など南九州と沖縄くらいであろう。

試しに、ゆでたものを買って食べたことがあるが、
あまりピンとこなかった。
先日の、尻尾の方がむしろ柔らかくてうまかった。

豚足というのは、思いがけず堅いのである。
むろん、料理の仕方によるのであろうが。
ともかくも、ハードルが高い印象であった。

沖縄のおでんには豚足が入るとも聞いて、
課題であったのだが、いまだ食べてられていない。
外で食べる前に自作というのはちょいと、
無謀ではあるが、やってみよう。

ハナマサで冷凍の豚足。

見た目は、なかなかのインパクトであろう。
大根と、昆布を入れるようで、これも入手。
おでんみたい。

解凍しておく。

豚足はゆでてあるようで、下処理はいらないか。
ただ、もっと小さく切るよう。
この豚足を切るのは、出刃包丁でも不可能であろう。
そのままでいってみるしかないか。

大根も下ゆでをするのだが、昆布とともに
まず一緒にゆでよう。
鍋は圧力鍋。

あくが出るので、取りながら10分ほどゆでる。
昆布のよい香りがしてくる。出汁が出ている。

ある程度大根が柔らかくなったら、
大根と昆布を取り出す。

ここに焼酎。

ラフテーは大量の焼酎を入れるが、足ティビチーの
レシピでは大さじ数杯。
ドボドボっと焼酎を入れ、煮立て、
アルコールが飛ぶまでゆでる。

ここでふたをして、加圧、5分。
消火して30分。

足ティビチは圧力鍋でなければ3時間半という。
ラフティーよりも時間が必要かもしれぬ。
とりあえず、一回戦。

開けてみる。
だいぶ柔らかくなっている。

骨までは切れないが身を切っておこう。
一度取り出し、豚足の中央付近の身に包丁の刃を入れ
一周切って戻す。

二回戦目、同様に加圧5分。
火を止め、30分。

もうよいかな。
大根と昆布をもどし、煮る。

味付けは、砂糖を入れるレシピもあるようだが、
農水省のものはしょうゆと塩のみ。

しょうゆ、塩を投入。

煮る。
大根に下ゆでが不十分で、まだ火が通っていなかった。

弱火でさらに煮込み、大根に火を通し、
味を含ませる。

OK、出来上がり。

盛り付け。

ビールを開け、泡盛も用意。

さて、どんなもんであろうか。
正解なのかどうかわからぬが。

豚足というのは、肉はほぼなく、コラーゲン質の皮と、
筋でできている。
皮は柔らかくなっているのだが、筋はまだ
そこそこ歯応えがある。
まあ、こういうもの、なのであろうが、
食べ慣れない者にはやっぱりちょっとヘビーに感じる。

これに対して、大根と昆布はうまい。
日本の料理では、昆布を脂のあるもので煮る
という料理はほぼ存在しないと思うが、
これはこれで、うまいものである。
昆布出汁は出ているはずだが、豚足の出汁で
ほぼわからないが。

大根というのはぶり大根などもあるように
脂との相性も元来よいので、かなりのうまさ。

このつゆに練り物を入れて煮ると、沖縄おでん、
というのは、十分に想像できる。
ゆで玉子、さつま揚げに大根も足して、
やってみようか。


で、二日後5/25、やってみた。

さつま揚げ、ゆで玉子、豆腐を豚足が入った鍋に。
味が染みたら皿へ。

さつま揚げなどが入るとつゆは多少あまくなる。
脂っこいおでんというと、牛すじが入った濃いつゆの
静岡おでんを思い出すが、これがまた、かなりうまいものに
なった。豚足はもはやトロトロ。つゆは飲んでもうまい。
正しい沖縄おでんかどうかは、やっぱりわからぬが。

 

 

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