断腸亭料理日記2004

浅草・洋食

グリル・グランド

11月11日(木)昼
今日は、吾妻橋の得意先直行。

拙亭から、最も近い得意先の一つ。
自転車である。

さて、昼飯。

いずれ、行かねばならぬ、と考えていた、
洋食のグリル・グランド。

以前に、グリル佐久良は書いている。
場所も、すぐそばである。

言問通りの北。柳通りから、見番の路地を入り右側。

中は、さほど広くない。
真っ白いテーブルクロスが印象的である。

12:00ちょうど。
ウイークデーのこんな場所にもかかわらず、
既に、女性二人組みが、三組ほど。

ご主人であろうか、コック姿の、太った白髪の方が、
奥に立っておられ、厨房を出たり入ったり。
その奥様?お嫁さん(娘さん?)?の二人が、サービス。
やはり、佐久良同様、あたたかい雰囲気を醸し出している。

かきフライ始めました、という張り紙もある。
1個ずつでもオーダーできるようである。

しかし、ミックスフライである。(¥2100)
聞いてみると、ミックスフライにも、かき、は
入っているよう。

ポタージュスープ。

この季節になると、濃厚で温かいスープは、
腹に染みわたる。
さて、期待感をもって、待つ。

お新香と、ライス。
お新香は、かぶとたくわん。
かぶは、葉っぱも使っている。自家製の糠漬けであると思われる。
うまい。

来たきた。

かきは2個。エビフライ。白身魚はスティック状になっており、
エビフライとともに、半分に切られている。

それから、ビーフカツレツ。これも、半分に切られている。
千切りキャベツと、タルタルソースが添えられている。

かきフライ。
実に、みずみずしい。

かき、独特の生臭さなども、まったくなく。
まったくもって、今まで食べたことがないような、うまさである。

白身フライ。
ここで、気が付いたのであるが、衣がすごい。
半分に切られていると、先に書いたが、
フライを切ると、多少は、衣が、はがれたり、
割れたりするものであるが、そうしたことは、一切ない。
とてもしっかりしているのであろう。
かといって、もちろん、固いわけではない。
中身の、白身と共に、とても、ほっこり、とした、
食感である。

そして、この白身、なんであろう?。
かなり、入念に考えたのであるが、結局わからなかった。
(聞いていないので、最後まで、不明である。)

白身魚フライによくある、水っぽい感じはまったくない。
適当に身が締まっており、旨みが凝縮されている。

エビフライも同様。
食感が、とてもよく、旨みたっぷり。そして、繊細である。

熱の通し方、衣の作り方などが、違うのであろうか。
絶妙である。

もはや、芸術的、と、いっても過言では、なかろうか。

最後、ビーフカツレツ。
ヒレであると、思われる。
薄めに仕上がっており、これも、とても柔らかい。

大げさではない。
生まれてこのかた、食べたミックスフライのなかで、
間違いなく、最もうまい。

¥2100は、ちっとも、高くない。

想像するに、素材もそれぞれ、入念に吟味、下拵えされ、
そこに、それぞれを完璧な状態に揚げる、技術が、加わり
できあがっている。

グリル・グランド、すごい。

2005年1月29日

2005年8月3日


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