断腸亭料理日記2006

西葛西・路麺・

江戸切りそば・やしま

7月23日(日)第一食

久しぶりに、筆者にとっての路麺の新顔、で、ある。
東西線西葛西駅、メトロセンター2番街、江戸切りそば・やしま。

これは先週であったか、読者の方から、ご推薦のメールをいただいた。
葛西は、葛飾四つ木に住んでいた頃は、そこそこ行動範囲であった。
この店は、存在は知っていたのだが、なにぶん、浅草からは、
西葛西は川を二本越えねばならず、行ったことはなかったのである。

この方は、お年は筆者よりも少し上。
以前に、ご両親が、拙亭の比較的近所で、立ち喰そば店を
やっておられたという。
そういう方のご推薦であれば、是非行かずばなるまい。

幸い、ここは、日曜も営業している。
そこで、今日、日曜。

朝、起き、さて、問題は、どうやっていくか、で、ある。
葛西は遠い。
少し前に、亀戸までは歩いていったが、
さすがに、葛西まで徒歩、と、いうのは、梅雨が明けぬ今日、
今は降ってはいないが、途中で降られこともあろう。

車で、と、いうのはこのところ、控えている。

と、なると、自転車で行こう。
どのくらいかかるのだろうか。
わからぬが、まあ、運動にもなろう。

半袖では少し肌寒いであろうか、と思い、また、
降られてもいいように、ウインドブレーカーを着て出る。

春日通り、駒形橋を渡り、本所に入る頃には、もう既に暑くなり、
ウインドブレーカーは脱ぎTシャツに。
旧横川(今は暗渠となり、親水公園となっている。)を渡り、
横十間川に突当たり右折、ここから蔵前橋通り。
天神橋を渡り、亀戸天神前を通り、
亀戸駅前、さらに丸八通りを渡る。ここから、坂になり、高架の橋で、
中川を渡り、平井。ここから難所である。
長い坂道。平井大橋で、荒川を渡る。葛飾区。
左側が、四つ木。右側が新小岩。左に、ハープ橋も見える。
東詰をすぐに降り、荒川の川っぷちを南へ。
狭い道なので、自転車は危ない。左に折れ、住宅地を抜けて、
船堀街道に出る。このあたりから江戸川区。京葉道路を渡り小松川。
都営新宿線船堀駅。このあたりもしばらく来ないうちに
だいぶ高いビルができている。
左側に行船公園。江戸川区は金魚の産地。
タイミングよく金魚祭りをやっている。子供達で大にぎわい。
汗を拭き拭き、一休み。
葛西橋通りを渡り、西葛西に到着。
葛西、西葛西は団地とマンションの町である。
なんとなく殺風景な印象も感じる。
駅高架下2番街、やしま。9時半に浅草を出発してトータル1時間。
意外に近いのか、こんなものか。
(距離が長いので、道中を書くと、こんなことになってしまった。
落語、黄金餅である。)

地下鉄であるが、このあたりの東西線は高架である。
その高架下、ガードの道路に面している一角。さほど大きくはない。
カウンターのみのよう。白い暖簾が下がっている。
店の外に向かって、左右に自動券売機が1台ずつ。
日曜日に営業している路麺、というのも珍しいが、にぎわってる。

しらすおろし、など、冷やしのメニューもいろいろある。
オーソドックス(?)に冷やしのかき揚げにする。¥350。

店員さんは2〜3人。東アジア系と思われる男女。
店の奥でご店主であろうか、おじさんが天ぷらを揚げている。


どんぶりがなぜか小さめである。
従って、かき揚げが大きく見えるが、実際は普通。

基本的には、生そばの茹で立てであるが、事前情報では
時によって、時間が経っていることがある、という。
食べてみると、生そば茹でたて、として、水準はクリアしていよう。
この時間は客の回転もよいから、特に、待った、という実感もない。
人の入り具合をみながら、茹でているのであろう。
これが「江戸切り」、というのかわからぬが、細めんで
しゃっきりとした感じ。そば好、そばよし(日本橋)に近いか。
かき揚げは、さっくりしたタイプ。
玉ねぎや春菊など。
カチカチになった、揚げ冷ましでもなく、
完全な揚げたてでもないが、これも水準はなんなくクリアしていよう。
つゆは、冷やしのかけ、として、筆者の好みでは、もう少し、
たっぷりかけたい、感じはするが、
味も濃くも薄くもなく、適当にだしも効いており、水準であろう。

筆者が毎週ローテーションで通っている、
浅草千束「ねぎどん」田端「かしやま」三ノ輪「長寿庵」人形町「そば好」の
四軒。さらには、別格で神田三崎町「とんがらし」。
どの店もそれぞれ、個性はあるが、うまい、ということにおいて、
どなたにも自信を持ってお勧めできる店である。

断腸亭路麺ページ

これら五軒と比べてどうか、ということである。
毎週通えるところにあれば、やはり、筆者は、迷うことなく、
ここ、やしまに通う。

さて、ご紹介下さった方が、(ネットでの)評価が低い、と
書いておられた。東京グルメのことであろうかと思う。

読んでみたが、確かにあまりよくはない。
西葛西という場所ゆえに、多くの人が行ってコメントできない、
基本的にはそのあたりが理由ではなかろうか。

東京グルメの構造として、多くの人が書き込めば、
悪口は埋もれていくようには、なっている。

しかし、通っている人があったとしたら、
こんな状態になっているのは、いたたまれない気持ちであろう。

ともあれ、帰途に着く。

西葛西を後にし、葛西橋通りを真っ直ぐに、
行きは本所を横切ったが、帰りは、深川を横切り西に戻る。

大きな葛西橋で荒川を渡り、砂町、東陽町、
木場の公園を突っ切り、門中(門前仲町)の裏を抜ける。
こちらは中川の橋がない分、平坦でだいぶ楽である。
(地図を見直してみたら、距離もこちらの方が短かった。)
葛西橋通りは永代橋通りに合流し、そのまま永代橋を渡る。
ここからは、そのまま、北上。
箱崎、人形町、小伝馬町、清洲橋通り。
美倉橋で神田川を渡り、神田和泉町、右に折れ、浅草橋、
左衛門橋通りを北上。
11:30、帰宅、である。

往復二時間、日曜の午前の行動としては、
うまい路麺が食えて、運動にもなる。
なかなか充実したものであった。
ご推薦をいただいた方に、感謝、で、ある。



やしまHP




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