断腸亭料理日記2006

小石川から牛込、

江戸川・蒲焼・石ばし

10月12日(木)昼

さて、例によって、AM、茗荷谷の得意先。

12:00。

昼飯はどうしようか。
ひと通り、このあたりは、行き尽くしたような気もするが、
こんなことを思い付いた。

筆者のオフィスのある牛込・市谷までここから、歩いてみる。
と、なると、その途中で、昼飯を食う、という選択肢が
出現するのである。

小石川(茗荷谷)と牛込とは、地下鉄では丸の内線茗荷谷で乗って、
後楽園乗り換え、大江戸線春日、牛込神楽坂、という経路になる。

タクシーに乗れば、まあ、普通は、春日通りで後楽園に出て、
飯田橋、牛込、そんなことになろうか。

このルートは実は、随分と回っている。
直線距離では小石川と、牛込は、地図を見れば、
2km少しであろうか、さほどの距離ではないことに気が付く。

小石川〜牛込、江戸の地図


しかし、問題は、坂。

小石川から牛込は南西方向。小石川台地から、一度下って、
再び少し登り、小日向台地、
急坂を下って、神田川(江戸川)。
そして、また登って、牛込の台地。

随分のアップダウンがあるのである。

そして、神田川のそば、水道端には、以前に、行こうとして行けなかった、
鰻や、石ばし、が、ある。

きちんとした地図が頭に入っているわけではないが、
ほとんど回り道をしないで、石ばしへいけるのではなかろうか。
そんなことに思い至った。

坂の登り下りはあり、天気はよいが、少し暑いかも知れぬが、
ちょっと歩いてみても、おもしろいのではないか、ということである。

茗荷谷駅から、てくてく歩き。
まったくのカンで、曲がりくねった細い路地を歩いていく。

拓殖大学が右にある。

しばらく行くと、丸の内線の車庫が右になってくる。
丸の内線に沿って行ってしまうと、後楽園に降りてしまう。
これではだめ。
牛込方向に、降りなくてはいけない。
しばらく行くと、車庫をくぐるトンネルがある。
これをくぐって、向こう側へいけば、
牛込側に降りられよう。

てくてくと、歩く。小日向、で、ある。
このあたり、オハイソな、お屋敷町といった感じではなく、
まったくの、普通の、それも、郊外の、住宅地のようである。
人通りもほとんどない。

都心といってもよいような文京区にも、
こんなところがあるのだ、と、妙に感心してしまう。

しばらく行くと、すぐに下り坂。
あれ、もう神田川側への坂であるのか?
どうもそのようである。

大曲の凸版印刷の高いビルの位置関係からそう結論付けたのである。
やはり、意外に、たいした距離ではない、なのである。

降りていくと、高速の高架があって、神田川、その向こうに
トーハンのビルが見える。
いいカンをしていた。
ずばり、この辺である。確か、トーハンのビルの神田川を挟んで
対面(トイメン)だったはずである。

あったあった。石ばし。

煉瓦の塀に門。暖簾が出ている。

ここまで、茗荷谷駅から、10分程度ではなかろうか。
やはり、こんなものなのである。

格子を開けて、入る。

一人、というと、相席で、表のテーブル席に座れた。

さて、今日は、特上、で、いってみようか。
¥3500。

予約なしであるので、時間はかかる、ようである。
注文が入ってから、調理にかかる、昔式かもしれない。

腰を据えて待つことにする。

文庫本を読んだり、、、。

ゆっくりと時間がすぎる。こんな昼も、たまにはよいであろう。

一時間弱、くらいであったろうか。
きたきた。これだけ待つと、期待は膨らむ。


さすが特上、でかい。

味は、タレの濃さ、蒲焼の食感、味、等々、
東京の蒲焼としてはとてもノーマル、ではなかろうか。

なかなか、うまい。

勘定をして出る。
応対も気持ちがよい。

さて、ここから、また、てくてく歩き。

上の地図にもある、神田川(江戸川)を石切橋の一つ下流の、
西江戸川橋を渡り、目白通りを渡り、ここから新宿区。

東五軒町と西五軒町。急な相生坂を昇り、赤城元町、白銀町。
(上の地図には、このあたり、小日向馬場、とある。
昔はこのあたりも、小日向、と呼んでいたのであろうか。)

初めて歩く道であるが、、、クランクを曲がると、
神楽坂の通り、スーパーキムラヤの前にでた。

なるほど、ここへ出るのか。
ここからは、歩きなれた道。横寺町、旺文社の脇へ出て、
牛込中央通り。オフィスも近い。

石ばしのある水道端から、15分くらい。
都合、茗荷谷、小石川から牛込まで、30分。
途中で、うなぎを食って、なかなかよい時間であった。

14:00帰社。
さて、午後の仕事にかかるか。


★追伸:前回配信分、ぶり大根について。

大根が、イマイチであった、と、書いた、ぶり大根のこと。
後日、冷蔵庫に入れておいたものを食べたのだが、
これはかなりうまかった。
ようは、もう少し、置けば、味が染みて、うまくなった、と、
いうことである。むろん、ぶりの味もよい。
なんのことはない、火に掛けて煮る、だけではなく、
置いているだけでも、大根は味が染みたのであった。



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