断腸亭料理日記2006

本所石原・

レストラン・クインベル

10月23日(日)夜

さて、今日は、何を食おう。

内儀さんが、牡蠣を食いたいという。
それも、生牡蠣ではなく、フライ。洋食系がよいという。
昨日、テレビ東京かなにかで、牡蠣づくし、をやっていたから、
ということらしい。

先日、9/30、観音裏のグリル・グランド
へいったが、もうそろそろかも知れぬが、この時は、
カキフライはまだなかった。
おまけに、今日は日曜で、グランドは休みである。

どこであろうか。
とんかつや、でも置いているところもあろうが、
行きつけの、寿のすぎ田
には、ないだろう。

思い浮かんだのが、本所石原のクインベル。

前回

ここならあるかも知れぬし、日曜もやっている。

昼過ぎ、電話をしてみる。
「カキフライ、ってやってます?」
と、聞いてみた。
「カキフライは、やってないんですよ。」

と、いうことらしい。
ここで、電話は切ってしまったのだが、
しかし、牡蠣は、あるだろう。

そうである!。思い出した。

昨年であったか、ここで、
殻付き牡蠣のオーブン焼きを食べた。
これは、かなりうまかった。

うん。クインベルにしよう。
再度、今度は内儀さんに掛けさせ、18:30に予約をする。

さて、18時過ぎ、雨模様である。
元浅草三丁目のバス停から錦糸町行きのバスに乗って向かう。
拙亭のごく近所に元浅草三丁目のバス停はあり、
クインベルも石原一丁目のバス停のすぐ前で、便利なのである。

元浅草三丁目から乗って、三筋二丁目、寿三丁目、蔵前。
厩橋を渡って、清澄通りを右折、本所一丁目、蔵前橋通りを左折、
石原一丁目。停留所はいくつもあるが、10分とかからない。

着くと、まだ空席はあるが、
近所の家族連れの皆さんが中心であろうか、
賑わっている。

浅草もそうだが、下町の日曜の夜。
たいていの、気の置けない、うまい飲食店は
地元の家族連れで、一杯である。
その雰囲気が、筆者はなんともいえず、好きである。

クインベルも有名な店だが、日曜の夜などは
やはり、遠くからは来ないのであろう。

筆者も下駄履きであるが、皆、普段着。このあたりが、
山の手(東京西部)との違いであろう。
(もっというと、同じ普段着でも、山の手の家族連れの
普段着と、こちらの普段着がそもそも違うような気もする。)

また、クインベル自体も、うまい店で、特段安くもない。
しかし、透明なテーブルクロスの下には、サービスコースのメニューが
マジック書きされた紙が挟まれていたり、
ひょっとすると、町の喫茶店にも見えるような、雰囲気である。

ともあれ、牡蠣、で、ある。
期待通り、あるある。

それも、牡蠣だけで、一枚の紙に
メニューが何品も、書かれて壁に張られている。
筆者らが以前食べた、オーブン焼きも、ある。

中から、二品。
入っている牡蠣の数を確認し、内儀さんのチョイス。
ちょっと、和風なのか、たたき。
それから、ベーコン巻き鉄串焼き。

早いメニューを、と、思い、ソーセージ(サワークラウト)。

そして、以前から気になっていた、
シャリアピンステーキ。
いうまでもなく、帝国ホテルのものだが、
全国に広がったひとつの例として、
ここにもあるのを憶えていた。
ここのものがどんな風に違うのか、確かめたかったのである。

最後は、忘れてはいけない、ドライカレーのオムライス。
ここへきて、これを食べずに帰るわけにはいかない。

ビールをもらう。スーパードライ。

ソーセージ(サワークラウト)


これは、煮込まれているスープが格別に、うまい。
そして、まずは、たたき。


殻の上に、わかめ、おろしたにんにく、表面に焦げ目のついた牡蠣。
ベーコン巻き。付け合せものり、ソースがかかっている。


たたきは、どんな風に出てくるのか、想像ができなかったが、
こういう状態であったか。
オーブンで焼いてあるのであろうか。
半生で、さっぱりとし、わかめも、にんにくも合わせて、
一口で殻から口入れると、なんとはなしに、贅沢な感じで、うまい。

ベーコン巻きのソースは、ほんのり甘い。しょうゆ味、で、あろうか。
これがまた、なんともいえず、うまい。
牡蠣とベーコンの取り合わせもまた、よい

シャリアピンステーキ。


帝国ホテルのものとも、やはり、違う。
食べてみると、玉ねぎよりも、にんにくの風味が強く感じられる。
(帝国ホテルのオリジナルレシピには、にんにくはなく、
よく漬け込むのか、かなり、玉ねぎが強い。)
味全体としては、バターとにんにく、プラス玉ねぎ。
そんな感じである。

なるほど。
こういうものも、シャリアピンステーキ、という、のか、
で、ある。

〆の、ドライカレーのオムライス。


毎度書いているが、カレーとケチャップ、とろとろ玉子、
ゆるめでさっぱりしたデミグラスソースの
四つの味が、渾然一体となって、まさにマジック。

目当ての牡蠣はむろんのこと、
どれをとっても、うまいこと、おびただしい。
(二人で、¥7000ちょい。)

さすがに、クインベル、只者ではない。

再び、バスで帰宅。



住所 (〒130-0011)東京都墨田区石原1丁目25−5
電話番号 03-3623-1222



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