断腸亭料理日記2006

東上野一丁目・

カレーの店サカエヤ

10月28日(土)第一食

朝起きたら、カレーが食いたかった。
土曜日の第一食は、毎度、路麺、と、決めていたのだが、
さすがに最近、飽きてきた。

むろん、食べていないわけではなく、近所のアズマには
週一回は朝、会社への行きがけに食べている。

と、いうわけで、なぜだか、カレーが食いたかった。
カレーといえば近所にも、いわゆるスタンドカレーやがある。

サカエヤ、と、いう店。

春日通りを清洲橋通りの交差点をこえて、しばらくいった右側。
大江戸線新御徒町駅の西側出口のすぐ先、で、ある。

例によって、東上野一丁目などという、どうでもよい町名だが、
このあたりは下谷西町。

下谷西町といえば、池波先生も卒業した、西町小学校があった。
(今は、西町小学校もなく、跡は永寿総合病院という、
筆者もたまに世話になるが、界隈では大きな病院がある。)

さて、自転車に乗って、いってみる。

10時半前、営業時間も確認せず出てきてしまったが、、。
案の定、開店前である。
しかし、中では、もう作業をしている気配がする。
張り紙には、10:30〜、と、ある。
あと、五分ほどで、ある。

さて、どうしたものか。
ごく近くには、チェーンのカレーやなどもあるが、
まさか、そちらに入るというのも、なかろう。

しばらく、界隈を自転車でぐるぐる回る。

半、になった。

店の前にきてみると、まだ開いていない。
おじさんが、店前の植木に水をやっている。

自転車を置いて、歩いていくと、
おじさんは気が付き、
「あ、今、開けます。」

店の中へ入り、カーテンを開け、ドアを開けてくれる。

口開けの客になってしまった。

スタンドカレーやであるから、席はカウンターだけ。
その中央に座る。

と、筆者のすぐ後から、二人の客が入ってくる。
同じように待っていたのであろうか。

タクシーの運転手と思しき、あんちゃん。
工事現場の誘導をしているのであろう、青い作業服に
光るラインの入った、上着を着ている、爺さん。
この二人。

水と、紙ナプキンに巻かれたスプーンが出される。

なににしようか。今日はノーマルなポークカレー、かな。

と、タクシーのあんちゃんが、「ご飯控えめで」と
いっている。
そうであった。ここは盛が多目であった。
筆者も、控えめで、と、付け足す。

お。忘れていた。
「けんちん汁、はじめました。」
の張り紙。

そうなのである。
スタンドカレーやなのに、というべきか、
ここには、なぜかけんちん汁がある。
そして、この張り紙は外にも張ってあり。
この店にくる前から、前を通りかかって
カレーと、けんちん汁のミスマッチが気になっていたのである。

以前にきたときには、夏のため、置いていなかった。
10月からはじめるらしいが、“はじめました”ということだ。

頼んでみよう。

まず、カレーから出てくる。


やはり、控えめでよかった。これで普通の量であろう。

そして、けんちん汁。


ちょっと、表面が光ってしまっているが、
けんちん汁、で、ある。

ん?

これは、うまいぞ!。

朝一で、できたて、というのか、まだまだ野菜の角がシャープで、
煮崩れていない。そして、ここの野菜は、比較的細かく切られている。
煮えやすいようにであろうか。

野菜は、里芋、にんじん、こんにゃくその他の普通のけんちん汁であるが、
つゆが、なんともうまい。また、香りがよいのである。
けんちん汁は、油で材料を炒めていたと思われるが、その油の香りであろうか。
よくわからぬが、うまい。

なるほど、外まで張り紙をして、自慢をするだけのことはある。

そして、カレーも食う。
カレーの方は、普通にうまい。

カレーを食いながら、けんちん汁も飲み、食う。
絶妙の相性、ということは、むろんないが、
けんちん汁がうまいので、普通に、食べられる。

少し分析をすれば、カレーの味と喧嘩をする、
しょうゆ味など和風の味付けが強くないのかもしれない。

カレーも、けんちん汁も完食。

案ずるより産むが安しであろうか、
恐る恐る頼んだのは確かであるが、
意外なめっけもの。うまいけんちん汁であった。

まんぞく、まんぞく。

自転車で帰宅。



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カレーの店サカエヤ
東京都台東区東上野1-6-3

サカエヤHP

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