断腸亭料理日記2007

市ヶ谷・中国飯店

4月11日(水)昼

今日は、昼。

オフィスから、さほど遠くもない
市ヶ谷の中国飯店、で、ある。

昨日配信の北京ダックの全聚徳、を書いていて、
久しぶりにいってみたくなった、のである。

市谷界隈・江戸の地図

左内坂を下りて、市ヶ谷見附で、外濠を越えて、
向こう側へいく。

土手の桜花はまだ、散り残っているが、
そろそろ緑色の葉もでてきており、
弱い風でも、はらはらと舞ってくる。

交番の前を通り、土手沿いの通りをいく。

今、ここの町名は九段北四丁目。
以前は四番町あるいは、三番町。
ちなみに、今の四番町、三番町は、靖国通りの南側までで、ある。

江戸の頃は、旗本屋敷。
このあたりは、大規模な大名屋敷ではなく、
中小の旗本屋敷である。
ここは、地理的には、江戸城の西側、甲州街道方面の守りで、ある。
旗本奴、町奴の確執で有名な水野十郎左衛門などの
屋敷も番町であった。

明治に入っても、このあたりは、今の大妻女子大など、
学校もできたが、基本的にはお屋敷町であった。
今でも、靖国通りと、甲州街道の間のいわゆる、番町と
麹町は、多く、オフィスビルにもなっているが、
お屋敷らしい家々もある。
(そういえば、確か、三遊亭圓歌師はこの番町に住んでいたような
記憶がある。)

さて、中国飯店。
店に入り、席に着く。

と、二胡の生演奏をやっている。
女性の方である。
これは初めて。
毎日やっているのかどうか、わからぬが、
なかなか、いいサービスである。

メニューを見る。

だいぶかわっている。

定食は従来通りあるが、
麺類や、チャーハンなどのご飯ものなどが増えている。

酸辣麺など、筆者はランチメニューにもないのに
無理やり頼んでいたが、ちゃんとメニューになっている。

充実である。

毎度、酸辣麺では、芸がない。

2005年

2004年

せっかくであるから、違うものも頼んでみようか。

ちょっとおもしろいと思ったのが、
カレー味ビーフン。

中国飯店にしては、B級なメニューであるが、
頼んでみよう。

中華のカレー味というのは、筆者けっこう好きである。
中華風のカレーライス、なんというものもあるが
有楽町の慶楽のもの

辛すぎず、独特のうまさがある。


きたきた、カレー味ビーフン。

びっくりするほどのことはない。
思った通りの、カレー味ビーフンである。
卵、チャーシュー、赤と緑のピーマン、ねぎ、
などが入っている。

まあ、こうしたメニューは、いかな、中国飯店でも
特段、変わった仕掛けはないのであろう。

普通にうまい。


さて、中国飯店は、そんなことなのであるが、
ちょっと、昨日の全聚徳について、
書き足したいことがあった。

全聚徳と、中国飯店と比較するのがいいのかどうか、
よくわからぬが、東京でも一流の中華料理店というのがある。
中国飯店はその一つではあろう。

たとえば、単品の価格、コースでの価格。
今日のランチのビーフンでも、ここ中国飯店は¥1200。
ランチとしては、高い。
ディナーのコースは¥4000〜。

その代わり、筆者は味も、サービスも、
この店はやはり、一流であろうと思っている。

これに対し、筆者の知っている、北京の全聚徳は、
10年前の話であるが、安くてうまい、大衆の店であった。
(いくら改革開放でも、今でもポジションは、
そうは変わっていなかろう。)

それが、日本へ入ってくると、一流の値段帯で、
提供の仕方も変身する。
(銀座の全聚徳が、まずいといっているのではない。
むろん、うまい、のである。)

台北の小龍包の有名店、鼎泰豐(ディンタイフォン)も、
しかり、であろう。台北では、行列のできる大衆の店が、
新宿高島屋では小洒落たポジションに鎮座している。
(筆者は台北の店にはいったことはないが、
いったことのある内儀(かみ)さんの話である。)

まあ、これが、海外進出する際の、彼らのビジネスモデルである、
と、いってしまえば、それっきりであるが、
演出次第で、ほいほい、ありがたがって、いってしまう
日本人、、ということでもあろう。

最近、東京でも中国の方が来て
店を開いた、安くて、愛想もよくて、そこそこうまい
個人営業の中華料理店は増えている。

看板(ブランド)に弱い日本人。

話題もよいが、本当の、価値、を
見分けることも必要ではなかろうか。


HP


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