断腸亭料理日記2008

断腸亭、中東ドバイへ行く その3

さて、引き続いて、『断腸亭、中東ドバイへ行く』今日は3回目。
昨日は着いたその日、バスに乗って、スパイスやら金などの貴金属を商う、
スークと呼ばれる旧市街の市場を団体観光。今日は、その続き。


先にも書いたが、気温40℃以上である。
冷房の効いたバスから降りて、ごみごみして

人通りの多いスークなどを歩くと、もう1時間で、汗だく。
ポタポタと汗がしたたり落ち、その後、私などは、頭が朦朧とし、
動悸が激しくなり、熱中症気味になってくる。
ぐったりして、バスに戻る。

そして、昼前、バスで再び、最初の巨大モールへ戻る。

ここには、レストランもあるが、数多くの、ファストフードが並ぶ、
フードコートもあり、団体はめいめいで昼飯。

マクドナルド、バーガーキングから、KFC、ピザハット、さらに、
アラブ系、トルコ系、インド系、チャイニーズ(Panda Chinese Restaurant)、
寿司などを置く日本食(Fujiyama Restaurantなるところ)の
ファストフードまである。


中から、内儀(かみ)さんと二人で、
ケバブ(シシカバブ)とバターライス、
それから、カレーを食べる。



どちらも、30Dhs、¥900程度とファストフードにしてはちと高い。
これはドバイの物価自体が高いということであろう。

(余談だが、物価といえば、ドバイのタクシー代は安いように思われた。
すべてメーター付きの車で、驚くことなかれ、
レクサスのタクシーまで走っていた。
初乗り数十円で、走った距離感覚では、東京と比べて1/10くらいではないか、
とすら思われた。人件費と石油はこの国では安い、のか。)

ともあれ。
カレーとケバブであった。
このカレーは、この後もよく登場したのだが、こちらではバターチキンと
呼ばれることが多いようで、色は赤いが、
辛さはさほどではなくヨーグルトが入っているのか、
こってり感の強いカレーである。

ケバブは、本来はトルコ系なのであろうか、買った店は
トルコ、のような感じがしたのだが、実は、
アラブでも広く食べられているようにも思う。
ホテルのバイキングなどでは必ず、置いてあった。
上にのっている青味は、イタリアンパセリ。
なぜか、ライスがしこたまの山盛り。このバターライスがけっこう塩辛い。
(全般的に、ホテルにしろ、ドバイの食い物は、塩気が強かった。)

ここで、ガイドブック的なドバイのレストラン事情を
簡単に書いておきたい。

そもそも、アラブ、ドバイのローカルフード、
というものを食べることは観光客には不可能であるという。

市場などのあるダウンタウンには、ほとんど、
地元ドバイのアラブ人はおらず、こうしたところの
安食堂は、ほとんどがインド、パキスタン系の料理だそうな。

ドバイのローカルフードは彼ら自身の家庭で食べられている、
(かもしれない)が、そういうレストランは街にもホテルにも
ほとんど存在せず、純粋アラブのローカルフードをたべることは
できないということなのだそうである。

レストランとして店を出しているなかで、
ローカルフードに近いのが、トルコ料理、
レバノン料理、などということ。

また、これも、私は観光で行っただけで、実際のドバイの人と
話をしたわけではないので、はっきりしたことは
わからないが、言葉も同様らしい。
旧英領であるドバイでは昔からローカルの人々も
英語をよく話したという。

むろん公用語はアラビア語だが、インド系などの外国人が
8割を越えているので、上から下まで、ビジネスも含め、
実際に使われているのは英語がほとんど。
(むろん、仕事でも同国人どうしであれば、
母国語で話されるであろうが。)
標識や店の看板もアラビア語と英語が同じ大きさで書かれている。

人も、食事も言葉も、まさに、人種の坩堝(るつぼ)。
南アジアとアラブのカオス。
そんな感じであろうか。

さて。

昼飯を食って、このモールに入っているスーパー、
カルフールへ行ってみる。
(カルフールは、日本では現在はイオングループが経営しているが、
本拠はフランス、世界No.2のスーパーマーケットチェーン。
ドバイ市内にはここ以外にもなん軒か店舗があった。)

私の場合、どこへいっても、やはり魚が気になる。
ドバイはアラビア湾に面し、漁業も盛ん。
ドバイ人も魚をよく食べるという。

魚売り場を見ると、いか、たこ。


手前が、いいだこ。
真ん中が、やりいか、の、ようなもの。
奥が、大きな甲いかの類。



ロブスターと書いてあるが、これはむろん、伊勢海老。
1kg、¥3000弱。(よくわからぬが、日本で買うより
かなり安いのか。)

魚。


奥の細かい斑点のあるのが、ハムール(hammour)という
ハタの仲間の魚。この後、ホテルでもよく出てきたが、
この地方で最もよく食べられている魚らしい。
白身、で、ある。

手前左側、黒くて太いのは、穴子か、鰻の類であろうか。
その右側が、マナガツオ。

その他、鰹、鯵の類など、種類も多い。

その隣。
ご多分にもれず、握られたスシを売っている。


これはその看板、とかたわらに下げられた赤い提灯であるが
毎度の『世界で見つけたおもしろい日本語』シリーズ、であろうか。

「大小宴会承ります」

大小宴会、ウケタマワレルなら、ウケタマワってみてくれよ!
あんたんとこは、スーパーだろう、
と、突っ込みたくなるではないか。

ともあれ。

次はスパイス売り場へ。

スパイスを買う。
これは土産というよりは、自宅用。
先ほどスーク(市場)にたくさん売っていたが、
そういうところで買うよりも、こうしたスーパーで
買う方が気楽でよい。
袋入りでしこたま、売っている。


カレー粉と、クミン、コリアンダー、フェネルの各ホールを買う。

さて、ここから、最初に書いた、このモールに併設されている、
スキードバイへ。


スキードバイ


バブルの頃でろうか、船橋にあった夏も滑ることができた
人工雪のスキー場、ザウス、を覚えておられようか。
あれとまったく同じものがなんと、この、気温40℃を超える
砂漠の国にあるのである。

上の写真はガラスの外からのもので、
さすがに入ってはみなかったが、
まったくもって、これはなんであろうか。

この国すべてが、金ならあるぞ!、ということなのであろうが、
まあ、これはその究極であろう。
エコ、などとは対極。
今、世界的に見れば、こんなことをしていていいのであろうか、
と、いうことになるだろう。

この国のほとんどの大きな施設は、国(または、首長一族関係の企業)
によって作られているようである。
ドバイ首長国の事実上のNo.1といってよいのだろうか、
実力者である、有名なモハメッド殿下(皇太子)、
彼は競馬界でも有名だが、自身は、乗馬をはじめ、
スキーも得意であるという。
それで、こういうものを作ったのか。

まあ、過去、日本にもあったので、なにもいえないか、、。
(おそらく、これも日本の建設会社が作ったのではなかろうか。)

しかし、そうはいっても、これを見ると、さすがに複雑なものがある。




と、いったところで、今日はここまで。
『断腸亭、中東ドバイへ行く』まだまだ続く。



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