断腸亭料理日記2008

日本橋・蕎麦・やぶ久

11月10日(月)夜

出先から直帰。

どうも、この直帰、というのは、魅力的な響き、で、ある。

まあ、むろんのこと、早い時間であれば、という限定が付く。
夜の9時に出先で仕事が終わっても、うれしくもなんともない。

5時過ぎに出先で仕事が終わり、まあ、この時間から
会社に戻ると、6時過ぎ、あるいは、7時、というような
ところであれば、帰ってよいだろう、ということ。

早い時間に、呑める、という。

平塚の方へいって、東海道線で戻ってきた。
どこへ行こうか、考える。
東京駅?、御徒町?、いやいや、新橋、銀座、日本橋?

今日は、そうとうに寒かった。
温かいもの、、、。

おでんか?

おでんは、この前、自作をして、嫌というほど、
食べた。

じゃあ、そば、だ。
この流れなら、日本橋のやぶ久

新橋で降りて、銀座線で日本橋まで。

降りて、上がり、柳屋のビルに出る。
一本目の路地を曲がって、ちょっといって、左側。
やぶ久。

東京の老舗蕎麦屋の会、木鉢会めぐり、から見つけた店、
で、あるが、あれから、なん回かきている。

ちゃんとしたそばやでありながら、夜、呑んでもよい、という店。
(むろん趣味そばではないし。)

入ると、さすがに早い時間、まだお客は少ない。

一番奥のテーブルに座る。

まずは、お酒、お燗で。


突き出しは、蓮根の梅肉和え。

ここの酒はなんであろう。
辛口ではあるが、藪蕎麦お得意の、菊正、で、あろうか。

燗酒がしみじみ、うまい。

つまみは、と?

ここは、季節ごとに、色々な、天ぷらを揚げているのが
たのしみ、で、ある。

生桜海老かき揚げ、というのがあった。

以前には、白魚のかき揚げで、天ぬきを頼んだりしたが、
今日もこれでいってみよう。

一応、聞いてみる。
むろん、だいじょうぶ。

なめるようにして、ゆっくり、呑んで、待つ。

きた。


桜海老かき揚げの、天ぬき。

かき揚げの上に、結んだ三つ葉とゆず。
ゆずの下、ピンク色にみえるもの。
これはなんであろうか。

食べると、甘酢しょうがのカケラに、衣を付けて、揚げたもの。
薬味というようなものなのか、
ちょっと、初めて、で、ある。

桜海老かきあげ。
むろん、うまいが、桜海老の季節は、春先、で、
あったような気がするが、今頃まであるのだろうか。

冷凍、で、あろうか。
静岡へいけば、年中、おみやげでも売っている。

ともあれ、私は、どうも、桜海老かき揚げは、
そうとうに好きらしい。
特に、こうして、温かいそばつゆにひたったもの。
うまい、うまい。
幸せ、である。

食い終わり、酒も呑み終わり、そば。
そばは、もりそば。


ここのもりは、やぶの老舗にしては、
量が多め、で、ある。

これも、むろん、うまい。

食べ終わり、勘定をして、出る。

早い時間、生桜海老のかき揚げの天ぬきで、
一合呑んで、そば。
これ以上の、幸せは、なかろうかと、思う。


ぐるなび






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