断腸亭料理日記2009

みみいかぬた、きはだまぐろトロ、

かわはぎ玉子煮つけ

5月31日(日)第二食

さて。
日曜日、午後。

ちょいと用足しに、蔵前まで出る。
足元は、下駄。

と、お祭りであった。


蔵前小学校のそばの国際通り。

今日は、第六天神榊神社。
ここの氏子範囲は、少しかわっている。
ちょうど、我々、鳥越神社の氏子
(そういえば、鳥越祭は、この土日6、7日に迫ってきた。)
範囲の東側。
例の、美家古鮨本店のある柳橋代地から北へ向かい、春日通りの北、
寿三丁目、まで、なのだが、この中で、蔵前神社、浅草橋の銀杏岡八幡
などが間にはさまりが寿三丁目まで飛び飛びの、氏子範囲に
なっている。

神輿を見ていると、俄かの雨。
曇ってはいたが、比較的明るいので、大丈夫かと思っていたが、
降り始めてしまった。
このところ、梅雨の走り、のような、降りっぽい天気である。

ビルの軒下で少し雨宿りをしてみるが、やみそうにない。
むしろ、雨足は強くなる。
この足で、アメ横まで魚を見にいこうと思っていたのだが、
一度、走って、元浅草の家まで帰る。

雪駄でなくてよかった。

着替え、一休み。
30分ほどで、案の定、雨は上がる。

気を取り直して、再度、出る。
今度は、小さなビニール傘は持つ。

今日は、吉池。

きてみると、店頭でキハダマグロを切りながら売っている。
キハダマグロ、と、いうのは、カジキほどではないが、
本マグロよりは、白っぽいマグロ、で、ある。
本マグロの解体販売はいろいろなところでやっているが、
キハダというのは、あまり見かけぬ。
1パックどれでも、500円。安いか。

中の売り場も見てから、と思い、売り場へ。

ん?。

ちょっと、おもしろいものを見つけた。
みみいか、という小さないか。
大洗、と、書いてある。
茨城県、水戸の近所の大洗、で、ある。
一山、200円。
煮付け、などと書いてある。
安いし、おもしろい、買ってみようか。

それから、かわはぎの玉子。
1パック、450円。
さばいたかわはぎも、別に売っており、
分けて、売っているのであろう。
これも煮付け、と、書いてある。
かわはぎは肝、が、うまいが、玉子はどうなのか、
わからぬが、なにか、おもしろそうだ。
買ってみよう。

なにか、ヘンなものを二種、で、ある。

そして、先ほどの、店先のキハダ、に、戻る。

切ってすぐに、脇の冷蔵ケースにパックしているのだが、
その中の、既にパックにしてあるのを見ていると、
今切ったもの、大トロだよ、といって、
見せられたものがあった。

色が白っぽいので、脂の入り方は、今一つわかりずらいのだが、
なるほど、脂が多そうなところ。
買ってみようか。

と、切っている、あんちゃんが、これはね、
切るときに、切れる包丁で逆目に切ってね、と。
ちょうど、ハラスの部分で、筋から切れやすい部分である。
なるほど。筋とは逆目に切るのか。

ホイ。
500円也を渡して、買う。

ふむ。これでよし、、、。待てよ!。

せっかく、うまそうなマグロが手に入ったのだから、、、
本わさびを、買おうか。
いつも、チューブのわさびばかりだが、
うまい魚には、本物を買おう。

吉池の反対側、野菜売り場にまわり、本わさびを探す。
すぐに見つかり、560円也。
わさびの方が、高い。まあ、そんなもの、で、ある。
レジで勘定をしてもらう、、と、、、
レジのおばちゃんが、、そっと、、100円引いといたわよ、、と。

お?。

別段、顔見知り、ではない。

あ、どうも、、、。

びっくりである。
なぜであろうか?
しかし、ちょっと、うれしい。

下駄を引きずって、帰宅。

さて。

まずは、みみいか。


子持ち、などと書いてあったが、こんな感じのいか、
で、ある。
だんごいか、という名前もあるようだが、
ずんぐりむっくりとし、まるい耳(エンペラ)がついている。
耳がなければ、見た目も、大きさも、ちょうど、
イイダコ、の、ようである。

煮付け、などと書いてあったが、
かわはぎの玉子は、煮付け以外には、あまり考えられそうにないが、
これも同じではおもしろくない。

そこで、ちょっと調べてみる。
と、刺身、でも食べられるよう。
だが、まあ、鮮度が心配。
そこで、さっと茹でて、酢味噌で、というのがあり、
これでいこうか。

前に、イイダコの桜煮を、したことがあったが、さばくのは、これと同じ要領で
よさそう、で、ある。

目玉をとり、頭の部分を裏返し、墨やらワタを取る。
ワタはともかく、墨はとらないと、イカスミだらけになってしまう。
最低これだけはとらなくては。
子持ちと書いてあったのだが、白っぽいのがある。
これであろうか。一応それは残す。

五杯あったが、全部さばく。

そして、鍋に湯を沸騰させ、投入。
再度、煮立ってきたところで、火を止め、水にさらす。
ここで、これだけを、酢味噌で食べるのはもったいない、
ねぎもつけて、ぬた、に、しようか、と、思い立つ。
長ねぎを細く切って、同様に熱湯をかけて、しんなりさせ、
すぐに冷水で、冷やし、ざるに上げておく。

ここで、玉子。


こんな感じ、で、ある。

これは、一応、霜降りをしようか。
薬缶に湯を沸騰させ、ざるに入れた玉子にかける。
そして、壊れないように注意し、よく洗う。

鍋に、水、玉子を入れ、煮たったところに、
しょうゆ、酒、砂糖。
比較的濃いめ、甘めに味を決め、アルミホイルの
落としブタをし、弱火で煮る。
色が付いてくるまで。

さて。

おまけをしてもらった、わさび。


拙亭には、鮫皮を貼った、わさびおろしもあるのだが、
鮨やでは、目の細かいおろし金を使っているので、
今日は、おろし金の目の細かい方で、おろしてみよう。

キハダマグロ。
逆目、と、いわれたが、実際、俎板の上にサクを置いてみても
どちらが逆やら、よくわからない。一先ず、切ってみようか。
包丁は、むろん、切れる。
ん?、、ちょっと、筋が緩くなる、、反対だ。
反対に向けて、切っていく。

OK。
盛り付け。


いかと、ねぎ。
それから、白みそで、和からしも加えた、酢味噌も作り。
盛り付け。


みみいかの、ぬた。


食べてみる。
まずは、キハダマグロから。

本わさびをつけて、食う。
これは、なるほど。
大トロ、というほどのことはないが、柔らかく、
とけるようで、うまい。

本わさびをおろし金でおろす、のは、荒目になり、
香りがたつ、ということであろうか。
これも、よい。

みみいか。

これは、まあ、いか、で、ある。
普通にうまいが、どうということはない。
(ひょっとすると、刺身、が一番うまいのかも。)

玉子。
これは、切らずに、腹の袋のまま煮たのだが、
味が染みていない、、。
味が染みていないと、生ぐささ、も多少感じる。

一度立って、切って、もう一度、煮る。


ふむふむ、これでよい。
なかなかうまく、煮えた。
(これは、後で、内儀(かみ)さんに食わせると、
魚卵好きの内儀さんには好評であった。)

キハダマグロは、うまいので、バクバクと、ビールとともに
一気に全部いってしまった。


なにか、まとまりがなかったが、午後のつまみ三品、で、あった。




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