断腸亭料理日記2012

初鰹 その1

4月21日(土)

第一食は、この前串焼きにした羊
が冷凍庫にあったので、串焼きではないが、
同じくクミンで炒めた。


これもまた、うまい。


夕方、買い物に自転車で出る。
曇っているのもあろうが、
4月も下旬になろうとしているのに、どうも肌寒い。

方向は、御徒町・上野方面。
主な目的は、めだかなどを買いに。

拙亭には小さな水槽があり、めだかと
沼海老(ヤマトヌマエビ)を飼っている。

自転車を松坂屋の駐輪場に置く。
松坂屋の屋上でめだかを買って、いつものように
吉池で魚を見る。

今、吉池は改装中。
近くだが別の場所で営業している。

今一つ、ぴんとくるものなく、
松坂屋に戻ってくる。

ふと、思い付いて、松坂屋の地下へ。

先日、ちょっと書いたが、最近抹茶を飲んでみている。
このお茶菓子を買っていこう。

なにがよかろう。

うさぎやの落雁は抹茶に合っていたが、
やはり、落雁を捜してみようか。

和菓子やなど、むろんたくさん入っている。
とらや。羊羹ばかりで、ここには落雁は置いていない。

ん?

塩瀬。

築地、というのか、明石町の塩瀬。

創業は室町時代にまでさかのぼり、家康に従って
江戸へ移ってきた店である。

とらやも古いようだが、16世紀後半で、安土桃山時代。
塩瀬は東京では最も古い和菓子やの一つといってよかろう。

ここの饅頭は小ぶりで、甘すぎず、自分でも
たまに買って食べている。

ここのものを買ってみようか。
ちょうど、都鳥、という銘のものがあった。

例の在原業平の都鳥、で、あろう。

それから、饅頭も。

さて。

松坂屋を出て、さらに魚を見に、アメ横へ。

きてみると、夕方に近いこの時間、たいしたものは
ないかと思ったら、さにあらず。

鰹。

一本、700円。

この店にしては珍しく、『今年一番の鰹』
などと、売り文句が書いてある。

今年は既に鮨やでもなん回か食べている。
初鰹だが、なかなか脂がのってうまい。
あたり年、かもしれぬ。

買おう。

そして、もう一つ。

穴子。

ここには、そうそう置いていない。

これは、山盛りの一山で、500円。

煮よう。

千円札二枚を出して、品物とおつりをもらって、
店前を離れる。

帰り道、多慶屋に寄って、水槽の濾過機を買って

帰宅。

鰹。


むろん、見ただけでは私など、もののよしあしはわからぬが、
なかなか、傷などもなく、きれいなもの、で、ある。

出刃で頭を落として、二枚におろす。


半身、中骨がついていると二枚で
中骨を取ると、三枚になる。

骨付きの方はラップに包んで、冷蔵庫へ。

半身、真ん中から縦に半分に切って、サクにする。

サクにしてから、皮を引く。

刺身包丁を寝かし、皮と身の間に刃を入れて
前後に動かしながら、切る。

鰹の場合、たたきであれば、皮は残すが、
まずは普通の刺身にしよう。

ハラス部分の骨も取り、血合いも取る。

皮を引くのはちょいと難しい。
今日も、一気には切れず、途中でちょん切れてしまった。
ただし、途中でちょん切れても、包丁が切れれば、残った
ところだけ別に後から切ることも、さほど難しくはない。


まあまあ、うまく拵えられたか。

刺身に切る。

サクに斜めに刺身包丁を入れ、すぅ〜っと引いて
一気に切る。

切ったものは、左手で皿に置く。
流れるように、この動作を繰り返すと、
刺身はきれいに並ぶ。

生姜の皮をむいて、たっぷりおろす。
薬味は余ってもよい。食べている途中でなくなるのは
よいものではない。


まあまあ、きれいに並べられたか。



さて味は?

つづきはまた明日。






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