断腸亭料理日記2012

鱸の塩焼きと氷頭なます

1月21日(土)

さて。

土曜日。

昨日は、雪からみぞれ、また雪。
東京では、初雪ということになるのか。

夕方にはやんでいたが、寒い。

今日も、雨っぽい。

雨で寒いと、どうも外に出る気にならない。

股火鉢なんという言葉をご存知であろうか。
マタヒバチ、と読むが、火鉢を股に入れるようにして
あたること。

家の火鉢は、股に挟むには大きいが、
エアコンをかけて、床暖房をして、丹前を着込んで、
さらに火鉢。
今日は一日、これでごろごろしようか。

さて。

なにを食べようか。
冷蔵庫、冷凍庫にあるもの、、、?

この前のイナダもそうだが、
冷凍庫には、アメ横で大量に買った
魚の残りを凍らせてある。

なにがあるかな?

のぞいてみると、鮭の身と、頭。

ん?

この黒いのは、なんだ?

鱸(すずき)だ。

11月のもの。

火鉢があるし、炭で焼こうか。

もう一つ、鮭の頭があった。

そうだ。
これは、氷頭なます、に、してみようか。

氷頭は、ひず、と、読む。

鮭の獲れる北日本以外の方でご存知の方は
そう多くはないであろう。

鮭の頭にある軟骨部分を薄く切ったものを
酢に漬けたもの、で、ある。
まあ、いうところの、珍味、で、あろう。
御徒町の吉池にはたまに置いていたりする。

鮭の頭をレンジで半解凍。
塩をし、置いておく。


鱸の方も、同様。

1時間ほど。

とけたら、鮭の頭は、出刃包丁で解体し、軟骨というのは、
さほど多くは取れないが骨から切り離し、
酢に漬けておく。

鱸。

これは火鉢へ移動。

丸い網を用意。

焼く。


やはり、魚を焼くには、炭火がぴか一、
で、ある。

焦げずに、かつ、コンガリ。
そして、中まできちんと火が通る。


午前中からだが、鉄瓶で燗をつけて、
一杯。

一箸食べて、思い出した。
これ、東京湾産なのだが、泥くさかった、、、。

むろん、食べられないほどではないのだが、、、。

思い出したのだが、ちょいと余談。

この前のNHKスペシャルでやっていたが、
東京湾の特に、荒川、江戸川の河口付近であろうか、
あのあたりに放射能のホットスポットができ始めている、
という。ご覧になられたかたもおられよう。

この他にも、なんと、
ワカサギ釣りで有名な群馬の赤城山の大沼
でもそんなことがある、という。

東京湾の方は、荒川、江戸川の上流の千葉県付近であろうか
砂や泥によって運ばれてきたのか。
内湾奥のため、なかなか、外へ出て行かず、
場合によっては、10年以上影響が残るかも、といっていた。

まあ、私の年齢では、あまり心配する必要は、もはや
ないとも思うが、東京湾の魚を獲っている漁師の方々も
そうはいっても少なからずいるし、こうして私も食べている。
政府をはじめ、関係都県の速やかな対応を
お願いしたい。

さて。

気を取り直して。

氷頭なますは、こんな感じ。



北海道出身の内儀(かみ)さんに見せたら、
さすがに知っており、もっと薄く切るのよ、などと
いっていた。

なるほど、そうだったか。
だがまあ、十分に味はわかる。

これ、騒ぐ人もいるようだが、まあ、珍味以上のものでは
なかろうと、私は思う。
(ちょいとくっついている、身の方が、数倍うまい。)







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