断腸亭料理日記2012

三社祭・土曜日

5月19日(土)

さて。

土曜日。

今週は三社祭、で、ある。

毎度書いているが、私は浅草に住んでいるが、
三社様の氏子ではなく、鳥越神社の氏子範囲で、
お祭りは6月に入ってから。

毎年、三社も見物には行っている。
これも書いている通り、昨年は東京下町の祭は
すべて震災影響で中止になった。

それで、やはり、今年は待ち遠しいものであった。

第一食は、例によって鍋で飯を炊いて、
スパムのおにぎり。

スパムのおにぎりを作るのに、なにもわざわざ
炊き立ての飯ですることもないのだが、
冷飯もなかったので、炊いた、と、いうわけ、で、ある。
(いつになく、今日はよく炊けた。)


小判型にぎってマヨネーズを薄く塗って、
フライパンで軽く焼いたスパムをのせ、海苔で留めて
出来上がり。

やっぱり、うまいもんである。

さて、昼すぎ、三社祭の見物に、出る。
半袖のポロシャツに雪駄履き。
自転車で出る。

三社祭のWebページで予定を確認して出てきた。

先日も書いたが、このあたりの祭は、
土曜は各町内の神輿が出て、肝心の神社の神輿
(本社神輿)の渡御は日曜と決まっている。

従って、今日は三社も町内神輿のみ。
予定では、昼から各町内の神輿が境内に集まり、
いわゆる連合渡御、というやつで、順番に、担いで
それぞれの町内まで戻っていくよう。

田原町あたりまでくると、観光客も含めてであろう、
にぎわっている。

そう。
今週は、スカイツリーもオープンで、隅田川を渡った
押上、業平界隈も墨田区のイベントをやっていると、
ニュースでやっていた。

とりあえず、浅草寺裏を目指す。
六区あたりからもう、自転車では乗って走れないほど
雑踏をしている。

迂回して、花やしきの西からまわって、自転車を置いて、
裏から境内に入る。


半纏(はんてん)を着た人々があふれている。


これはちょうど、観音様の裏。
スカイツリーも、青空にニョキッと顔を出している。

もう渡御も始まっている。
観音様本堂の西。

ここが通り道のよう。
次々と、各町内の神輿が来る。


書いている通り、各町内毎に決まった揃いの半纏を
着ている。
この、揃いの半纏というのは、町の名前を
印(しるし=図案)にしている。

印はもちろん各町内毎に違うのだが、
その他のデザインも、一つとして似たようなものはない。

これらが実によい、のである。


例えば、こんなもの。
「田聖睦」。聖天町あたりであろうか。

色は薄い藍で、丸の中に、田聖を図案化し、地は籠目紋。
(籠目は、文字通り竹籠の目を図案化したもの。)

馬道(うまみち)の町会であろう。


背中の印は、浅草の浅で、地が、おわかりになろうか、
“馬”の字を図案化している。


これはおそらく、読める方は少なかろう。
象潟の、象を図案化したもの。

象潟は、キサガタ、と、読む。
旧町名だが、観音様の北側の町名。

象に三で、象三町会(象潟三丁目?)ということか。

こんな人も通る。


これは、神輿の世話をしてくれる、鳶頭(かしら=鳶の頭、である)。

半纏の襟に三番組とあるが、三番組は火消の三番組で、
この浅草界隈を担当していた。(三番組は明治期の呼び名。)
つまり、彼らは江戸町火消しの末裔ということになる。

運んでいるのは、神輿を置く台で、ウマといっているもの。

さて。

いつまでも観ていてもきりがない。

今日は、このくらいにして、やっぱり祭気分、
焼鳥で呑もうか。

焼鳥は松屋の地下で。

さらに田原町の赤札堂でカンチューハイ。
アスパラがうまそうなので、これも。

帰宅。

焼鳥を温め、アスパラは塩をまぶして、フライパンで
油なしで焼く。




五月晴れの、祭日和、で、ある。








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