断腸亭料理日記2014

断腸亭の年越し2014 その2

12月31日(火)〜1月1日(水)

引き続き、断腸亭の年越し。

大晦日。

鮨やから届いた、おせち。

三段目。


これは鮨やのおせちらしく、ちらし鮨。

一面の錦糸玉子に中央にのっているのは、
江戸前鮨やらしく蒸し鮑。蓮根に煮穴子ではなく、
これは焼き穴子。
海老に絹さや。

正月、ご飯もの、それも酢飯が食えるのは、
うれしいものである。

そういえば、改めて気が付いたのだが、これ、ちらし鮨
でよいのであろうか。

東京の鮨やで、ちらし鮨といえば、にぎりにする鮨ねたを
酢飯の上に、細かく切らずにそのままのせただけのものを
言っていたのではなかろうか。例えば、鉄火丼のような。

このように具を細かく刻んで、混ぜ込んだものでは
なかったと思われる。

今、東京の鮨やで言葉の使い分けがあるのであろうか。

ともあれ。

腹が減ったので、買ってきたばかりだが[うさぎや]の
どら焼きを一つ食べてしまう。


お「早く」だ。


なにが、といって、生地がほんわかと、柔らか。

二日目以降は、むろん甘さを控えたやさしい味の
あんこがうまいのだが、やっぱり、生地が硬くなっていく。

これが、買ってすぐの味。

さて。

紅白の開始とともに、内儀(かみ)さんと
おせちをつまみに呑み始める。

例年であれば[まつや]のそばを茹でて、
食べるのだが、今年は内儀さんも私も、腹が一杯になり
そばはあきらめる。

紅白終了とともに、着物に着替え、とんびのコート
襟巻、手袋、ホッカイロも懐に入れて初詣に出る。

外に出ると「ボー」っという汽笛のような音が聞こえてきた。

ちょうど0時になったのか。
船のものなのか、随分大きな音である。
隅田川の水上バス、で、あろうか。

例年は聞こえてこなかったのは、0時になってから
出てきたからなのかもしれない。

除夜の鐘は、この浅草界隈、上野の山のものか、浅草寺のものか、
毎年聞こえてくる。

家の前の左衛門橋通りを真っ直ぐに南へ下ると
10分程度で鳥越に着く。

初詣は毎年我々の産土神である、鳥越神社。

我々の住んでいる元浅草七軒町は、鳥越にある鳥越神社が
氏子範囲で、6月の祭も鳥越神社の鳥越祭で、初詣もここ。

鳥越神社に着くと、例年通り、長蛇の列に着く。

寒空にこの列に並ぶ時間は1時間くらいになるのであろうか。
着物を着てはくるが、それで、段々厚着になって、
着物を着ているのかなんなのか、わからない無精な恰好になってきた。



お参りを終えて、お神酒と温かい甘酒もいただき、
それから、これも例年通りだが、境内の大銀杏の銀杏(ぎんなん)を
いただく。

それから毎年買っている、祭のある6月始まりの鳥越祭のカレンダーと
干支の置物を内儀さんが買う。

寒い寒い、急ぎ足で帰宅。

呑み直し。

火鉢の炭を熾し直し、お燗をつける。
それから、もらってきた銀杏を、さっそくつまみしよう。

ペンチで割って、フライパンに塩を敷き、煎る。


買ってきた縁起物。


午であるが、二つあるのは、一つ前の午年のもの。
(小さい方が今年のもの。)

手前左にある小さな小判のようなものは銀杏と一緒に
毎年いただく、縁起物。小銭入れにいつも入れている。
今年の刻印がしてある。昨年のものと入れ替え。

さて。

元旦。

起きたのは10時頃。

起きてまずするのは、炭を熾すこと。
もちろん、餅を焼くため、で、ある。


我が家の雑煮は鶏がらの出汁に、里芋、小松菜、鶏肉。
むろんのこと、しょうゆ味。

具はすべて茹でておき、冷蔵庫に入れておく。
この準備は内儀さん。

餅を焼くのはやはり炭が一番よい。
短時間でよく焼ける。

焼けたら熱くしたつゆに入れる。


むろん、毎年まったく同じものを食べているので
もはや空気のようなものになっているが、やはりうまいもの、
で、ある。

さてさて。

そんなことで、断腸亭の年越し、今年も相変わらずであるが、
皆様はいかがであったろうか。

とにもかくにも、今年がよい年になることを祈りたい。








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